今回の写真は、走行中のJR七尾線の普通列車。
画面からは見切れているが、すぐ近くには前回投稿した「しょうず」がある。
奥には朝日に照らされた「医王山」。
その手前、名もなき小高い山には鬱蒼と生い茂る木々。
列車は、右手に風に揺れる稲の若葉を見ながら、本津幡駅へと向かっている。
駅同士の間隔が1キロ余りと短いためか、スピードも緩やかで、
レールを渡る音のリズムものんびりとしたテンポ。
…こうして、改めて眺めてみると、美しい田園風景だと思う。
昔は、こうした光景の中に、微かな「油の匂い」が漂っていた。
七尾線が電化されたのは平成になってから。
ディーゼル時代の車体は、全体がベージュで、窓の周辺は朱に塗られていた。
蒸気機関車のように朦々と煙を上げることはないが、
軽油を燃やした時に出る臭気は避けられない。
また、運転中の駆動車には熱気を放出する穴があって、
屋根の周囲の空気と景色がゆがんで見えたものだ。
そんな汽車が主役だった頃、僕は貨物列車の音が好きだった。
カタンカタン、カタンカタン、カタンカタン、カタタン、カタンカタン…。
夜遅く、遠くから聞こえてくる走行音。
布団の中で耳していた時間は、何分間も続いていたように思う。
幾つものコンテナを連結して深夜に走る貨物列車。
旅客ダイヤが忙しい昼間は決して目にできず、
深夜のため確かめに出かけることもできないそれは、
いわば「幻の列車」だった。
画面からは見切れているが、すぐ近くには前回投稿した「しょうず」がある。
奥には朝日に照らされた「医王山」。
その手前、名もなき小高い山には鬱蒼と生い茂る木々。
列車は、右手に風に揺れる稲の若葉を見ながら、本津幡駅へと向かっている。
駅同士の間隔が1キロ余りと短いためか、スピードも緩やかで、
レールを渡る音のリズムものんびりとしたテンポ。
…こうして、改めて眺めてみると、美しい田園風景だと思う。
昔は、こうした光景の中に、微かな「油の匂い」が漂っていた。
七尾線が電化されたのは平成になってから。
ディーゼル時代の車体は、全体がベージュで、窓の周辺は朱に塗られていた。
蒸気機関車のように朦々と煙を上げることはないが、
軽油を燃やした時に出る臭気は避けられない。
また、運転中の駆動車には熱気を放出する穴があって、
屋根の周囲の空気と景色がゆがんで見えたものだ。
そんな汽車が主役だった頃、僕は貨物列車の音が好きだった。
カタンカタン、カタンカタン、カタンカタン、カタタン、カタンカタン…。
夜遅く、遠くから聞こえてくる走行音。
布団の中で耳していた時間は、何分間も続いていたように思う。
幾つものコンテナを連結して深夜に走る貨物列車。
旅客ダイヤが忙しい昼間は決して目にできず、
深夜のため確かめに出かけることもできないそれは、
いわば「幻の列車」だった。