桜の大トリ 松前八重コトブキ

テマリのようにピンクの花がまとまって咲くマツマエヤエコトブキ （松前八重寿）。
今年は去年のようにバラが早くないので桜を５月まで続けてきましたが、おめで
たい名前のこの花を今年の桜の大トリにしましょう。
北国の松前あたりではこれから花盛りかも知れません。

このはなさくや図鑑 によると、松前八重寿は以前紹介した北海道の桜守・浅利
政俊氏が、昭和38年 （1962） にイトククリ (糸括) とマリヤマベニヤエザクラを
交配して作出した品種で、花弁の外側がやや濃いのが特徴で花の各部にイト
ククリの特徴が見られる、とあります。

残念ながらこの 「マリヤマベニヤエザクラ」 というのがよく分かりません。何らか
の誤植かと思いましたが、マリヤマに似た名前の品種さえまったく見あたらない
のです。来年への宿題でしょうか。
　　　　　　　(茨城県結城市　日本花の会結城農場　100424)
　　　　　　　(東京都足立区　都市農業公園　100418、090418）


　　　　　　　　　　　　　　　命名の謎を残して春はゆく　　rocky
　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　
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桜の花の芯が眼のように見えるのは珍しいですね。



これは足立区都市農業公園　100418　のもの。
よく咲いている花はちょっとだけでした。


下２枚は同じく足立区都市農業公園　090418　の花です。
去年は同じ日付でほぼ満開だったわけです。

エンコウソウ は 千手草？

筑波実験植物園の小川沿いを歩いていると、コインほどの大きさの黄色い花
が群がっていました。リュウキンカと思ったのですがどうも少し違います。
５弁の花は径2.5～３ｃｍほどと小さめで互いに離れ、シベが長く見えます。
筑波実験植物園にしては珍しくプレートが見つからず、帰ってから問い合わせ
ると、エンコウソウ （学名　Caltha palustris var. enkoso） でした。

林田恒夫氏のすばらしい写真集 「ＷＥＴＬＡＮＤ　釧路湿原と生命の系譜」 に
は、　一見エゾノリュウキンカそっくりの黄色い花で、同じキンポウゲの仲間で
茎の立って咲くリュウキンカが 「立金花」 であるのに対し、エンコウソウは
「猿候草」 （猿猴草？） と書き、茎が長く地面を這う様を 「猿の手」 に見立て
られたのでしょう、とあります。
また 四季の山野草 では、猿猴草はミヤマキンポウゲなどと同じキンポウゲ科
の仲間で、沼や湿地に生え、茎が長く横に伸びることから手長猿の手足に
見立てた名前、とされています。

しかしサルにしろテナガザルにしろ、可愛らしい花の名前としてはしっくり来ま
せん。湿地に生えるからヌマチキンポウゲ、またはツルを四方八方に長く伸ばす
様子から、千手観音にあやかって千手草 （センジュソウ） ではどうでしょうか。
　　　　　　　(茨城県つくば市　筑波実験植物園　100502)


　　　　　　　　　　　　　　　迷い来て 千手の花に出会いけり　　rocky　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　
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右手から長い茎が伸びているのが見えます。



ツルがトクサの中に伸びて咲いたので、
まるでトクサの花に見えます。