花の公園・俳句 ing

日本は素晴しい花の国。美しい花々と公園、四季折々の風景を記録したいと思います。我流の俳句は06年3月12日からです。

翅をもつ 暁の雪

2010年05月01日 08時00分35秒 | 牡丹・芍薬   
白に近いほのかなピンクの一重の牡丹、暁の雪 (あかつきのゆき)。
何ともいえぬ、あえかな美しさですね。

「暁の雪」 で検索すると、源氏物語 第34帖 「若菜」 に、光源氏が朱雀帝の
女三ノ宮を正妻に迎えたことに苦しむ妻・紫の上が、「今 暁の雪に健康を
そこねて苦しい気がしますから、気楽な所で養生をしようと思います。」 と源氏
に手紙を送ったそうです (与謝野晶子訳 「全訳源氏物語」 (角川文庫)307頁)。
やがて出家する行末を予感させますが、暁の雪は言葉そのままの、寒い朝の
雪の様子を言っているもので、特別な意味はないようです。

その与謝野晶子に暁の雪を詠った一首があります。
            歌集 「流星の道」 (1924年5月)所収
   
       放たれて落つる身ぞとも覚えぬは 翅をもてる暁の雪

この雪は軽やかで、牡丹のイメージです。翅は昆虫の 「はね」 ですね。
この牡丹もチョウのように春空に舞い出ていきそうな風情です。

また刃傷事件の前夜・元禄14年3月13日夜、なかなか寝付けない浅野内匠頭
が大高源五と神崎与五郎を前にして詠んだ歌。
            話芸"きまり文句"辞典 所載
     
       ねや近き囲(かこい)のとぼその竹折れて 夢おどろかす暁の雪 

与五郎は不吉と感じて諌めますが、翌日内匠頭は刃傷事件を起こしてしまい
ます。この一首の雪は大雪のようですから、牡丹のイメージとは違いました。
       (埼玉県東松山市 東松山ぼたん園 100429)          

            
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