フランクフルト(ダウ・ジョーンズ)ドイツのIfo経済研究所の主席エコノミスト、カイ・カルステンセン氏は2
6日、ダウ・ジョーンズ経済通信のインタビューに応じ、製造業の事業環境悪化でドイツ経済は一定の勢いを失い
つつあると指摘した。
Ifo経済研究所がこの日発表した3月の景況指数は109.8となり、5カ月連続の改善を示した。だが、製造業の事業
環境を示す指数はやや悪化した。
「ドイツの景気循環は、一部で期待されたほど早くは改善していない。もっと(期待は)控え目にすべきだ」と
カルステンセン氏は述べた。
ドイツが輸出相手として頼るユーロ圏やインド、中国などの国々の成長減速が、製造業の事業環境を圧迫してい
るとも付け加えた。
欧州中央銀行(ECB)が適格な担保と引き換えに2回の3年物資金供給オペを通じ、域内の銀行システムに1兆ユー
ロを注入したことも、悪影響を及ぼしているという。
「一連の救済策のため再びドイツから資金流出が促される、というリスクがあるだろう。資本が国内にとどまっ
ているという事実が、ドイツの景気循環を大きく後押ししてきた」と語った。
カルステンセン氏は、担保基準の緩和をはじめこれらの措置の縮小についてECBは議論を開始すべきだと主張。
ユーロ圏にとって現在の金利は適切な水準だが、ドイツにとっては低すぎるとの見方も示した。
ECBの政策金利は過去最低の1.0%に設定されている。
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