■今回のまとめ
1)小沢氏「無罪」で党員資格停止解除と消費増税議論
2)ケンミレにしかない「タイムマシンチャート」でシナリオ作り
3)補足資料:直近総選挙の外国人投資家の売買動向
資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反の罪で強制起訴された民主党元代表小沢一郎被告の判決が、昨日4月26日、東京地方裁判所で言い渡されました。判決は「無罪」。ちょうど午前10時ごろでしたが、株式市場の反応はほとんどありませんでした。
明けて、本日の東京市場は、欧米市場の株高、大手格付け会社S&P(スタンダードアンドプアーズ)よるスペイン国債の格下げ、そして日銀金融政策決定会合で追加緩和発表と株式市場にとっては強弱入り混じった材料がありました。
寄り付きこそ期待感から戻り高値にチャレンジしましたが、日銀金融政策決定会合の結果が伝わると、材料出尽くしと失望売りで、結局マイナス圏に沈みました。
話を「小沢氏無罪」に戻しますと、久しぶりに大きな政治ニュースだったのですが、判決同日の米国FOMCや本日の日銀政策決定会合の方が直近の株式市場や為替市場に多大な影響を与えるため、小沢氏の「無罪」報道は「政治ニュース」にとどまり、「経済ニュース」には今のところなっていません。
しかし、小沢氏の「無罪」が、先々、民主党内の増税議論不調 → 消費増税の是非を問う衆院選という流れに進む可能性もはらんでいるように思います。
そこで・・・
■ ケンミレにしかない『タイムマシンチャート』でシナリオ作り
タイムマシンチャートはいろいろな使い方があるのですが、ひとつの使い方として、自分なりのシナリオをたてて、過去を検証するということができます。
例えば、
「小沢氏無罪」→「党員資格停止解除」→「消費増税議論の停滞」→「野田政権の行き詰まり」→「解散総選挙」という自分なりのシナリオをたててみます。
タイムマシンチャートは、あらかじめ、大きな事件や、変化の原因となった政治や経済問題などを『メモを書く』で残しておくと、もし大きな事件が起きたとき、『過去の同じような局面』で相場はどのように動いたのかを『即座に』チャート上で確認することができます。
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2005年 8月8日 郵政解散→総選挙
2009年 8月31日 民主党政権誕生
将来、同じ様な事件や災害が起きた時、過去の同一事象を探して、その後の相場の動きを知ることで、現実の将来を予測することができるかもしれません。
■ シナリオの補足資料:直近の総選挙と外国人投資家の売買動向
日本市場は良かれ悪しかれ、外国人投資家の売買動向が騰落を決する大きな要因となっていることは否定できません。年初からの上昇過程でも外国人投資家の買い越し金額は1兆円を超え、存在感は大きくなるばかりのような気がします。
そこで、直近の総選挙近辺の外国人投資家の売買動向を調べてみました。
《2005年の郵政解散総選挙の前後》
2005年 7月 1兆0557億円の買い越し
2005年 8月 1兆9240億円の買い越し
2005年 9月 1兆4073億円の買い越し 投票日9月11日
2005年10月 1兆0025億円の買い越し
2005年11月 1兆5262億円の買い越し
《2009年民主党が第一党となった総選挙の前後》
2009年 6月 212億円の買い越し
2009年 7月 9942億円の買い越し
2009年 8月 6099億円の買い越し 投票日8月30日
2009年 9月 1264億円の売り越し
2009年10月 7090億円の買い越し
外国人投資家は、政変を嫌う傾向はあるものの、2005年は構造改革と規制緩和が外国人投資家に受け入れられて、大量買い越しとなっています。
また、2009年は、結局自民党下の改革は中途半端な結果となっていたために新しい政治が期待され、やはり外国人投資家は買い越しています。
会員の方は、タイムマシンチャートをぜひ使ってみていただきたいと思います。
レポート担当:ケンミレ株式情報 新美 文康