■今回のまとめ
1) 為替介入で、日経平均はちょうどよい節目まで上昇した。
2) 9150円まで上昇したことで、次の押し目もわかりやすくなった。
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日銀が為替介入を実施しましたが、株式市場の反応は一時的となりました。しかし、一時的に大きく上昇したことで、株価の方向性が読みやすくなったのではないかと思われます。詳しくはレポートをご覧ください。
本日の午前10時過ぎに、円売り、ドル買いの為替介入を実施したことを明らかにしました。安住財務相は為替市場の円高を「日本の実体経済を反映していない一方的で投機的な動き」とし、今後も「納得いくまで介入する」とコメントしています。
円は対ドルで一時79円台まで円安となり、介入をきっかけに日経平均も上げ幅を100円まで広げることになりました。しかしながら、株式市場は利益確定売りや戻り売りのきっかけとなったようで、すぐに上昇分を吹き飛ばすことになりました。
日経平均は、為替介入によって上値の節目として強く意識されていた9150円まで上昇しましたので、株価水準からみても投資家に売り場を与えた材料になったと考えられます。
株の世界では、「材料は後からついてくる」といわれることがあります。投資家は本来、何かニュースや材料が出てから、その内容を見て買うか売るかの判断をします。そういった意味では、材料が先で株価が動くはずですが、不思議と目立った材料もないのに株価が上昇し、後からもっともらしい材料が出たりすることがあるので、「材料は後からついてくる」といわれます。
この言葉には、「相場の流れに逆らってはいけない」という意味も入っていますが、日経平均は先週までの上昇で、上値の節目として強く意識される9150円目前まで上昇していました。このまま下がって調整することも考えられましたが、「もう少し」と考えていた投資家もいたと思います。為替介入のおかげで急騰して節目に到達しましたから、とてもすっきりした形になったのではないかと思います。
つまり、「材料が後からついてきてくれた」といえますので、いったんは売れるものは売り、新規の買いは待つという戦略が明確になったと考えられます。
9150円まで上昇しましたから、次の押し目の目処は8600円から8800円程度が浮上します。どうして9150円まで上昇したことが重要なのかといえば、高値からの下落率がちょうどよくなるからです。
日経平均にケンミレの短期波動を引いて過去をチェックするとわかりますが、日経平均の調整と見られる下落は、4%から5%程度で止まることが多く見られます。それ以上となると大きな下落波動、いいかえれば調整ではなく、下落トレンドになる波動といえます。
次の押し目が調整となるか、調整で終わらずに大きな下落となるかはそのときにならないと判断しにくいですが、下がって調整になったときも「材料は後からついてくる」のではないかと思います。
レポート担当 : ケンミレ株式情報 市原 義明