4月3日、半年近くいたタヴィラのキャンプサイトを後にした。スペインの方がガソリンやディーゼルが安いと聞いていたので、スペインまで給油は我慢する。
出発の前日、オーガニックのオレンジ農家へオレンジを10㎏買いに行った。今まで車を持っている隣人たちに買ってきてもらっていたが、ほとんどが帰国してしまい頼める人がいない。それでショッピングトローリーを引いて4㎞ほどの農道をあるく。周りは広大なオレンジ畑、大きな実がなっているのに、来期用の白い花が満開で、あたり一面濃厚なオレンジの花の香り。今季最後のポルトガルの思い出。
スペインの高速道路わきはこのミモザの花がたけり狂ったように咲いていて、これが延々と続く。
道路わきで給油すべきを通り越してしまい、高速をいったん降りてガソリンスタンドを探したところ、20㎞も遠回りして戻ったはずが道路を間違えて一時間近く国境周囲をさまよった。
今回は亭主の希望で、セビリアへ行く50㎞ほど手前の道路を北へ向けて走る。この道は数年前キャンパーのパワーが無い時に走った道で上り坂になると巨大なトラックに追い越される有様だった。今回はキャンパーは快調でどんな坂道も山道を飛ばした。
ポルトガルと国境を境に平行に北上するこの道路はほとんどポルトガルの風景と変わらない。コルク樫の林やオリーヴ畑が延々と続き、時々教会を中心に広がる白い村や町が現れる。
3月の異常気候で寒さが去らず、昨年花盛りの道路わきを楽しんだものだが、真っ白のシスタスも野生のラヴェンダーの花も一切咲いていなかった。
この夜は毎年行き返りに立ち寄るカセーラスのキャンプサイトで一泊、夕方から激しい雨に見舞われた。
翌朝雨は上がったものの、暗い雲が立ち込め今にも雨が降りそうだった。スペインの無料の高速道路は非常に良くて時速120㎞でとばしカセーレスからトレドまでの約300kmを12時過ぎについてしまった。
朝10時過ぎから青空が張り出してきてやっと気持ちよくあたりの写真が撮れるようになってきた。
トレドは2004年このキャンパーを買った年の冬、スペインの有名地を一回りした時に行ったきり。今回はバレンシアへ向かう直線路にトレドがあったから、立ち寄る気になったもの。
マドリッドやトレド周辺は広大な平地で、農場が広がっている。