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『ミュージカル おもひでぽろぽろ』劇団わらび座 (銀河劇場公演)2011.4.29

2011-04-29 21:05:14 | Weblog
 舞台は1982年の山形県。27歳の銀行員タエ子は自分の人生に迷っている。彼女は何かを探して姉の夫の実家、山形の高瀬へ10日間の旅をする。
 
 彼女の小学5年生のときの思い出がぽろぽろ、彼女に降りかかる。
 あべくんが別れの日、握手を拒否した思い出が彼女を苦しめていた。
 
 山形の紅花栽培が魅力的に描かれる。
 
 有機栽培が村の中で病害虫を広めると敵意の対象となる。閉鎖的な村の悪意と妨害。
 
 村と里山の景観は自然でなく、人工的なもので、いわば過去の思い出そのもの。タエ子が村の生活に惹かれる根拠のひとつ。
 
 村に住む精霊たち。村のアニミズムの雰囲気がタエ子を捉える。
 また村祭りの祭神は竜神。古い村の神。
 
 タエ子は有機栽培に取り組む親戚の青年トシオに好意を持つ。トシオも好意を持つ。
 
 おばあちゃんにも思い出がある。好きだった青年は戦死した。彼女にも思い出がぽろぽろ降る。

 最後の瞬間にタエ子は決断する。彼女は東京にもどるのをやめ山形の高瀬での生活を選び取る。
 
 経済合理性を前提として、化学肥料と農薬の農業から、生態学的に優しい農業への転換が可能か?この問題の解決が決定的である。

 朝海ひかるのタエ子がかわいい。
 杜けあきのおばあちゃんが元気で楽しかった。