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“光と、闇と、レンブラント”展  2011.4.26 (国立西洋美術館)

2011-04-28 06:34:19 | Weblog
 レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)は「光と影の魔術師」、「明暗の巨匠」と呼ばれたオランダの画家。
 
 「アトリエの画家」(1628年頃、油絵):レンブラント、22歳頃。初期の傑作。裏側しか見えないキャン大きなキャンバスが謎めく。
            

 「東洋風の衣装をまとう自画像」(1631-33年、油絵)は25歳のレンブラント。人気画家として自信にあふれる。陰影が印象深い
            

 「旗手(フローリス・ソープ)」(1654年、油絵):アムステルダム市警備隊の旗手。右頬に光が当たる。金色の肩帯がきらめく。光へのこだわり。

 「3本の木」(1643年、銅版画):憂鬱な雰囲気が漂う。前年、レンブラントの妻が死んだ。木を描くエッチングの線がすごい。
                              
 
 「貝殻」(1650年、銅版画):貝殻の模様が美しい。

 「ヤン・シックス」(1647年、銅版画)が描くのはアムステルダム市長。彼が窓辺に立って本を読む。背後の窓の明るさが際立つ。

 「病人たちを癒すキリスト(百グルデン版画)」(1648年頃、銅版画):普通の版画は半グルデンで買える。このレンブラントの版画は最高級品。キリストが優しく神々しい。
                            
 「音楽を奏でる人々」(1626年、油絵)はレンブラント、20歳の作品。色が光にまぶしく輝き鮮やか。あふれる才能が誇示される。主題は、世俗の楽しみのはかなさ。
            
 「書斎のミネルヴァ」(1635年、油絵):レンブラントの絶頂期の絵画。ミネルヴァは学芸の神。同時に彼女は戦いの神でもあり兜と甲冑が脇に置かれる。別名アテナ。
               

 「ヘンドリッキェ・ストッフェルス」(1652年頃):レンブラントのミューズであり事実上の妻の肖像画。前妻の死で相続した財産を失うことができないので、彼は正式に結婚できなかった。少し寂しそうに描かれる。
                  

 「3本の十字架」(1653年)はレンブラント版画の傑作中の傑作。キリストを照らし天から差し込む光が周囲の闇と対照的である。絵画に匹敵する版画をめざし版も大きい。