青龍神界鏡

次はまた首相してみんかお前。
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三十七面目   快楽と苦痛に試される魂 その二

2012年08月30日 19時00分00秒 | 投稿

ウェグネダーオズは連中の算段を分析し、そして悩みました。
“私はそもそも何を望んでいるのか。
宇宙海賊から母星を守りたいのか。
子供達を守りたいのか。
自身の名誉を守りたいのか。
不利益を最小化したいのか。
利益を最大化したいのか。”
ウェグネダーオズはそして結論を下しました。
「協定の締結には応じない。
母星の同胞の魂を守る。
お前達とは戦い続ける。
私一人の魂の穢れを、母星の魂の腐敗や屈従と交換することは出来ない。
私は母星のために犠牲となる。
私は母星の安全保障利益の増分を言い訳とした魂の腐敗より、今この瞬間の私の魂の神性を追求する。
後に多くの人間が私を嘲笑し、恨むかもしれない。
私は嘆くかもしれない。
しかし、その事を恐れ本当に同胞の魂を危険に晒し、自身の今の魂の神性を売ってしまう事は出来ない。
私達の過去は抵抗と屈辱の歴史であった。
それは私達がその時の魂の神性を追求しての事であった。
それを裏切る事は出来ない。
まして同胞の未来を捨てる事は出来ない。」
フェブレドゥラーズン星人は暴行を加え出しました。
「やかましい。
涙ぐましい演技には興味無いのだ。
この劣等人種めが。
何が魂の神性だ。
そんなものを求めているから私達に負けてばかりなのだ。
そんなものを捨ててさっさと異星人契約に走っていれば、強い武器を手に入れ、他の異星人を駆逐出来たのだ。
お前達がこのような憂き目に遭い、魂の神性追求戦争に駆り立てられずに済んだのだ。
本末転倒なのだ。
それもそのはず、魂の神性とやらを、その時その場の利益より優先しているからなのだ。
魂の神性とやらのために涙を流すお前達は、将来今度は物理的苦境という実際のために涙を流す事になるのだ。
愚か者共め。
私達は学んだのだ。
かつて私達も異星人の脅威にさらされた。
勝てなかった。
圧倒的科学力だった。
私達は議論を尽くし、異星人との技術契約に踏み切った。
手に入れた武器で私達は敵を駆逐した。
涙は流さずに済むようになったのだ。
そしてだ、当然その対価を支払うべくこのような教育を弱き惑星に展開しているのだ。
契約にこのように明文化されていたのだ。
“私達フェブレドゥラーズン星人は、宇宙における流動的技術交流環境のために能動的活躍を働く義務を負う”とな。
伝達されたその行動細目がこの惑星間の摩擦政策だったのだ。
お前達も気付くのだ。
利益が魂の神性より重要なのだ。
お前達は武器を手に入れ、強き民の仲間入りを果たすのだ。
お前達も他の惑星に対し、私達と同じ事を繰り返して行くのだ。
そして宇宙はいつか、適切な脅威に促された技術契約の連続が創出する、最低回数の散発的軍事摩擦の後の相互牽制的安全機構の出現を見るのだ。
知っているだろうお前達も。
宇宙には、力以上に不相応な邪悪さによって不当に凌辱されて力足りずの者達がいるのだ。
その弱者達に力を振り分けていくのだ。
力の教義とはそうだ、宣教に強制力が伴う。
私達もこのような手法でお前達に理不尽に挑発を仕掛け、対話に誘った。
力の流入角度たる、力の格差が無ければそのようなことは起きなかったのだ。
お前達は不思議に思っただろう。
助けを求めた他の惑星のそれぞれが皆、軍事的上位惑星から脅威を受けていた事を。
皆が受けていた軍事的脅威の程度は絶妙に操作され、集団安保の形成は不可能となっていた事を。
私達の計画だったのだ。
宇宙のためなのだ。
皆私達はかつて力に泣いたのだ。
そして力の教義に服し、力の宣教で宇宙をさらなる暴虐の力から救おうと心に決めた惑星達なのだ。」
フェブレドゥラーズン星人の惑星対外外交品格手裏剣投剣武断非忌避事務官スワートゥワーフェグの頬に涙が走り出しました。
「シュワクイレイーズダー星人、ウェグネダーオズよ。
私達も力のげに恐ろしき宣教を知っているのだ。
その宣教師に認可はないのだ。
宇宙には・・・ああ、宇宙には・・・うっうう・・・」
スワートゥワーフェグは思い出しました。
かつて異星人の暴虐に遭遇したフェブレドゥラーズン星人の同胞達の事です。
「力が足りないのだ。
力無き者は、生きるに値しないのだ。
ウェグネダーオズよ、善性ではないのだ。
力を統御する善の意識が必要など、後の話なのだ。
その前に夷狄を調伏する力が足りていないのだ。
宇宙に偏在する力の総量が、夷狄に操作可能以上に達した時、今や一気呵成に知的統御を果敢に試みるしかないのだ。
ウェグネダーオズよ、そうだ私達フェブレドゥラーズン星人はお前達シュワクイレイーズダー星人にとって邪悪な侵略者だ。
認める。
そしてその侵略者はいつかお前達の子孫にシュワクイレイーズダー星に安保の傘を齎した黒船として、ああそうだ、憎まれ続けるであろう。
超絶的苦痛に人間は死んでしまうのだ。
精神が耐えられないのだ。
超絶的快楽に人間は耐えられないのだ。
社会的に死んでしまうのだ。
宇宙は強烈な軍事摩擦の連続では民は育たない。
そして宇宙は安穏とした、軍事摩擦皆無状態を平和と呼んではならない。
そのような惑星の民は弱い病原菌にも死んでしまうのだ。
知性に達した私達は、宇宙を育てる適切な苦痛と快楽の交互が真に宇宙を壮健にすると見抜いたのだ。
自らの手で時を進めるのだ。
自らの手で悪を演じ、一程度の文明惑星に脅威を提供するのだ。
そして、うっうっ・・・構わない、私達はお前達シュワクイレイーズダー星人の子孫には、悪の侵略者として憎まれ続けるのだ。
私達はその脅威に答えるべく、間断なく力の練磨に勤しむのだ。
お前を襲う超絶的快楽は、お前達のためになるか。
ならないだろう。
お前は本当はそんな快楽を求めていないはずだ。
しかし、常識を鈍麻させる麻薬作用はお前に求めさせるのだ。
お前の魂の神性は腐敗していまうだろう。
摩擦無き無菌状態の惑星は、いずれ死んでしまうのだ。
そのような状態を平和と呼んではならんのだ。
お前達は軍事力の劣等性を平和と説明出来ないであろう。
漬かり続けた平和の快楽は、惑星を殺すのだ。
緩慢な死に至るのだ。 
私達フェブレドゥラーズン星人の先達もこの全脳神経接続超越形式究極春爛漫及び社会性焼灼激烈進行身体据付椅子銀河煌き指向の餌食となってきた。
しかし私達は数多の哲学者の議論の習熟を経て悟ったのだ。
この椅子は最低限度の脅威で惑星環境理解の促進が最大化されたとな。
その認識は変わっていない。
シュワクイレイーズダー星を愛するウェグネダーオズよ、宇宙の同胞よ。
悟るのだ。
宇宙には・・・うっうっう・・・いるのだ。
弱き星の民に超絶的苦痛をただただ与え、意志の決定さえさせず、一方的収奪を行う真の宇宙海賊がな。

吐露

二千六百六十一青字

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