前回からの、そのまんまつづき です。
余談(北朝鮮と憲法改正について)をもっと続けようと思って書いていたのだが、1日もたつと(テレビ・新聞を見聞していると)、他に書きたいことが山ほど出てくる。
それほど、マスメディアは劣化して堕落してしまっている。
最初に戻ったところから、話を進めてみる。
今の、日本国の政治体制は「議会制民主主義」を採用している。
「議会制民主主義」の思想の基礎には「権力は集中したり長期化すると腐敗する」といった考えがあり、それゆえに「三権分立」といった権力の分散及び相互監視(チェック&バランス)の機能を持たせ、4年毎の選挙で長期化を防止(政権交代)し、大統領のように任期制限(4年・2期まで)を設けている。
日本国は、この健全な民主主義の制度が機能せず、政・官・財およびマスメディア(広告業者含む)の癒着が進行し、おまけにアメリカ国への隷属が当たり前の日本になってしまった。
この癒着による腐敗の例を今日は“悪徳ペンタゴン”の一つ「電」=マスメディアに限定してみて行きたいと思う。
今朝のNHKニュースは、民主・社民・国民新党による連立政権が昨夜合意に達したこと(連立新政権誕生)を報道していたが、素直に喜ぶ多くの国民・新連立政権に期待に胸を膨らませる多くの国民(多分)をよそに、相変らず、その日1日の合意至るまでのゴタゴタ(民主と社民の政治駆け引き)を長々と追って“密着取材”、社民党の要求を民主党は(しぶしぶ呑んで)「日米地位協定の改定を提起…云々(下記新聞記事、参考1)」で決まったと報道し、続けて「この日米地位協定の見直し等で日米関係が悪化するのでは…」(下記新聞記事、参照2)と懸念を表明していた。
しかし、ひどいと思ったのはこれだけ連立合意にゴタゴタした様に映し出しておいて(報道しておいて)、解説員に「どうですか、新政権発足に向けての足どりは?」と質問、「いまのところ順調にいってますね」の回答をもらって終わらせている。
何故私が「ひどい」と思ったかと言うと、国民に対し、この結論が出る前のバタバタ劇・ドタバタ劇を長々と映し報道する必要があったのかどうか、であり「順調に行っているなら新政権がさもバタバタしてもたついている様な報道はするなよ!」と言うことである。
新政権に対し国民の不信・不安を誘うような報道ぶりに対し「ひどい」と思ったわけだ。
ましてや「日米地位協定の改定」に対し「日米同盟に悪影響を及ぼす」とか「日米関係を悪化させる懸念」等、批判的に報道している点である。これについては後で、詳しく述べる。取り敢えず、上記の参考記事を先に載せておく。
(参考1:連立合意の朝日新聞9/10記事)
連立協議では、社民党が沖縄県の米軍普天間飛行場の同県名護市への移設反対や、日米地位協定の改定などの明記を強く要求。民主党は対米関係への配慮から具体的な記述を避けようとしたが、最終的にはマニフェスト(政権公約)と同じ「日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」との表現を受け入れるとともに、「沖縄県民の負担軽減」を明記することで折り合った。…参考1:終わり
(参考2:「日米地位協定の改定を提起する」ことに対する読売新聞9/10社説)
3党連立合意 日米同盟の火種とならないか(9月10日付・読売社説)
鳩山連立内閣の発足に向けて、大きなハードルをようやく乗り越えた。
民主、社民、国民新の3党が連立政権を樹立することで合意した。
政策合意の文書は、消費税率据え置き、郵政事業の抜本的見直しなど10項目で構成されている。
焦点の外交・安全保障政策では、社民党の求める「米軍再編や在日米軍基地のあり方の見直し」や「日米地位協定の改定の提起」が盛り込まれた。
民主党は難色を示していたが、国民新党も社民党に同調し押し切られた。
鳩山内閣は対米外交で、この連立合意に一定の縛りを受ける。将来の火種となりかねない。
米政府は、日米が合意した普天間飛行場の移設計画の再交渉に応じない立場だ。…中略…
現実的な代案もないまま、米側も地元自治体も納得している計画の見直しを提起することが、政府として責任ある態度だろうか。
日米同盟の信頼関係も傷つく。
民主党は今後、連立政権の維持を優先するあまり、国家の基本にかかわる外交・安保政策などで、社民党に安易に妥協することを繰り返してはなるまい。…中略…(「民主党は、海上自衛隊の撤退を再考すべきだ」と主張)
連立協議では、社民党が求めていた与党の政策協議機関の代わりに、政府内に3党の党首級協議機関を設けることでも一致した。
政権内での発言権を確保したい社民党と、政策決定に与党が関与せず内閣に一元化する体制を目指す民主党の折衷案である。
今後、懸念されるのは、社民・国民新両党が存在感を示そうとして、独自の主張に固執し政権を混乱させる事態だ。…後略(2009年9月10日 読売新聞社説)…参考2:終わり
上記社説の最後を言い換えると「今後、社民党・国民新党が独自の主張に固執して政権を混乱させる事態が懸念される」と“主張”している。
この社説でも分かる通り、相変わらずマスメディアの目線は「国民」にない。
国民はこんなこと(政治の駆引き・権謀術数等イヤラシイ面)が知りたいのではない。
報道は「連立新政権が誕生しました」として、下記合意事項を国民に報道すれば良いだけである。
◆「連立政権樹立に当たっての政策合意」事項
▽政権担当期間中は消費税率引き上げは行わない。
▽日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式売却を凍結する法律を速やかに成立させる。郵政事業の4分社化を見直す。郵政改革基本法案を速やかに策定し、成立を図る。
▽「子ども手当」を創設。
▽生活保護の母子加算を復活。
▽高校教育を実質無償化。
▽国と地方の協議を法制化。
▽戸別所得補償制度を販売農家に実施。
▽沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起。在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む。…以上
これを淡々と国民に連絡すれば良いだけである。それで国民は例えば「4年間は消費税増税が無くなった」と単純に喜ぶ、それでいいのである。
それによって国民は「きっこの日記」2009/09/09 (水) のように「新政権誕生おめでとう♪」と連立新政権の樹立を素直に喜ぶことが出来る。
何が「政権を混乱させる事態が懸念される」だ!
街の人の声で「民主党の政策は有り難いですが、財源が心配です」というのがあった。これもマスメディアが言わせた言葉である。マスメディアが世論をつくりだしているのだ。例えば自民党のETC限定・休祭日限定・期間限定の高速料金1000円の政策の時に「財源が不安です」などと言う言葉は出なかった。マスメディアが一言も「財源」について言及しなかったからだ。
国民の立場に立っていないのは「日米地位協定の改定」をアメリカに申し出ることに対し、日米関係を悪化させる懸念と(どのマスメディアも)論評していることでも分かる。
日本の米軍基地の周りで起きているアメリカ兵による犯罪(レイプ等)をこの日米地位協定によって日本の法律で裁けないのである。裁く権利は日本国にはなく、日本人は泣き寝入りするしかない。これは「きっこの日記」に詳しく出ているので読んでもらいたいが、今の「日米地位協定」は簡単に言うと、日本とアメリカの「不平等条約」と言える。
その不平等地位協定を沖縄県民・日本国民の為に平等条約に改定を申し込もう、という今回の連立合意内容に対し、日本国民のことを考えず「アメリカの言いなりでないと日本は見捨てられる」との貧困な発想から「日米関係を悪化させる」とのマスメディアの論評となって出てきている。国民無視・国益無視の発想・態度である。(鳩山論文しかり)
また、マスメディアの怠慢は、逆に国民の代表者に対しても表われている。
60年前の教科書(文部省作成)にも書いてあるように、
「マスメディアの報道は、国民に対して、現在どういうことが問題となりどんな点に関心が持たれているかを知らせるツールであると同時に、国民の代表者たちに世論の傾向を判断させる有力な材料ともなるのである。」
しかるにマスメディアは、こんな国民を無視した「政局」報道ばかりしているので、権力者側からも批判が出る結果となっている。
(引用開始)
自民党細田幹事長は「(マスメディア・国民は)麻生総理が字が読めないらしいと言って楽しんでいる。ブレたらしいと言って。それはそんなに大したことない。役員人事だろうが閣僚人事だろうがどうでもよいこと。だけど、そのことの方が、みんな(マスメディア・国民は)面白いんだ」と発言した。
さらに「日本国の程度を表している。国民の程度かもしれない。」と述べた。(7月)…引用終り
戦後間もない教科書に書かれている「国民の代表者(政治家)もマスメディアによって国民の世論動向を知る」という表現も正しいのだろう。マスメディアの本質を突かない報道により「国民の程度が低い 」と思われてしまったのである。
前にも書いたが、今回の総選挙結果についてルモンド紙やフィガロ紙の電子版も「野党の歴史的勝利」と速報し「自民党の自由主義的な政策(小泉―竹中ラインの政策)の行き過ぎに有権者が制裁を加えようとした結果」などと分析したことに対し、「海外メディアは「有権者の制裁」とか大仰なこと言っちゃってるけど、実際はテレビという名のマスコミに影響されただけの選挙なのにね 」といった意見が寄せられる、そんなマスメディアの体たらくぶりである。…このコメントには言いたいことがあるが、今回はマスメディアがこの程度にしか思われていない例として挙げておく。
今日も麻生氏が総理就任時に解散していたらこんな大敗はなかった(民主党大勝はなかった)とか、麻生氏が悪い、といった報道や、自民党は全員で若林氏の名前を書くことに決まったとか、国民にとってどうでもいいニュースばかりを流している。(M:余談だが100議席以上ある野党第一党の総裁に誰もなりたくないのは、今後、新政権によってどんどん明らかにされていくであろう半世紀以上続いた政権政党時代の自民党のウミ・垢が溜まり過ぎているからで、ババをひくことが分かっているから、誰もやりたくない、と辞退する結果になっている。)
結論的には、今回の政権交代の意義を私が何回も書いている(今日の最初に念のために書いておいた基本思想の)ように捉えて、議会制民主主義には政権交代が必須必要条件であることを説くマスメディアが無い。嘆かわしいことだ。
自民党の誰(個人)が悪いわけでもない、長期・集中化した政権政党が悪いのである。
誰もそのことを言わない。
権力と癒着していたマスメディアは今でも民主党政権を国民から引き離そうと必死である。
昨日の日刊ゲンダイに国家権力とテレビ局の癒着についての一例が載っていた。
(概略化して引用)
■見出し:「財源論批判」大好きな大マスコミ
「財源を示せ」「財源はどこにある」等々、民主党政権が掲げる政策に対しマスメディアは「財源論」の大合唱である。
その一方で民主党が掲げている「巨額の財源」が期待される政策案「公共電波(周波数)の利用権を入札で決める『電波オークション』制」についてマスメディアは報道していない。
現在、電波利用は政府・総務省の免許制である。
電波は国有地と同じで国有資産であり、国の「独占」だから、より高額の利用収入が見込める『オークション制度』は時代の趨勢であり、海外各国もそれを導入し財源効果を上げている。
「この制度により、米国='94年導入で4.6兆円、英国='00年導入で約4.5兆円、独国=約5.8兆円の財源を確保しています。
日本でも実施すれば1兆円~4兆円の新たな財源が見込めます。」
この民主党の政策(電波利用権の入札制度)について報道すると、日本の民放テレビ局が(世界)相場の10分の1~20分の1の電波利用料しか国に払っていないこと(国とマスメディアの癒着)が国民に知られてしまうから、マスメディアは沈黙を決め込んでいるのだ。
こんなマスメディアに財源論で民主党を批判する資格なんてない。…日刊ゲンダイ引用終り
政官財と癒着したマスメディアは何とか民主党と国民を切り離し“出来れば自分の悪業を悟られまい”としている。
選挙の時に麻生首相は「景気は回復に向かっている、我々(自民党)の経済政策の効果が出てきているのだ、それを継続させてほしい」としたが、どのマスメディアも私が感じていることを口に出さなかった=報道しなかった。
つまり、私は「景気は回復基調には無い」と思っていたからで、それは7月の雇用統計で雇用はここ数ヶ月、毎月厳しさを増していたにもかかわらず「景気は回復」を国民側から見て否定するマスメディアは皆無であった。
民主党が政権をとった途端、内閣府は9月の月例経済報告の冒頭に「失業率が過去最悪の水準」という(今までの自民党政権の時にはなかった)異例の表現で危機をあおった。
「これも政権政党への期待感を冷やす狙いでしょう」
もう少し経てばマスメディアは「せっかく景気回復基調にあったものを、民主党が補正予算凍結などして、自民党の経済政策を邪魔したから、また景気が悪くなったではないか」とやるのは目に見えている。
半世紀以上にわたり、そこらじゅう、ほとんど全ての分野で腐敗した日本国の洗濯は容易ではない。これは国民の支持・応援・援助が無ければ無理だと思われる。
完全無党派層であり、昔は選挙にも行かなかった無学な一介の労働者である私でも、インターネットや書物で勉強して、ある程度、こんな考えを書けるようになった。
60年前の教科書のように「民主国家の国民は一人ひとりが政治に対し賢明でなければならない」と思う。
今日はここまで、またね。
余談(北朝鮮と憲法改正について)をもっと続けようと思って書いていたのだが、1日もたつと(テレビ・新聞を見聞していると)、他に書きたいことが山ほど出てくる。
それほど、マスメディアは劣化して堕落してしまっている。
最初に戻ったところから、話を進めてみる。
今の、日本国の政治体制は「議会制民主主義」を採用している。
「議会制民主主義」の思想の基礎には「権力は集中したり長期化すると腐敗する」といった考えがあり、それゆえに「三権分立」といった権力の分散及び相互監視(チェック&バランス)の機能を持たせ、4年毎の選挙で長期化を防止(政権交代)し、大統領のように任期制限(4年・2期まで)を設けている。
日本国は、この健全な民主主義の制度が機能せず、政・官・財およびマスメディア(広告業者含む)の癒着が進行し、おまけにアメリカ国への隷属が当たり前の日本になってしまった。
この癒着による腐敗の例を今日は“悪徳ペンタゴン”の一つ「電」=マスメディアに限定してみて行きたいと思う。
今朝のNHKニュースは、民主・社民・国民新党による連立政権が昨夜合意に達したこと(連立新政権誕生)を報道していたが、素直に喜ぶ多くの国民・新連立政権に期待に胸を膨らませる多くの国民(多分)をよそに、相変らず、その日1日の合意至るまでのゴタゴタ(民主と社民の政治駆け引き)を長々と追って“密着取材”、社民党の要求を民主党は(しぶしぶ呑んで)「日米地位協定の改定を提起…云々(下記新聞記事、参考1)」で決まったと報道し、続けて「この日米地位協定の見直し等で日米関係が悪化するのでは…」(下記新聞記事、参照2)と懸念を表明していた。
しかし、ひどいと思ったのはこれだけ連立合意にゴタゴタした様に映し出しておいて(報道しておいて)、解説員に「どうですか、新政権発足に向けての足どりは?」と質問、「いまのところ順調にいってますね」の回答をもらって終わらせている。
何故私が「ひどい」と思ったかと言うと、国民に対し、この結論が出る前のバタバタ劇・ドタバタ劇を長々と映し報道する必要があったのかどうか、であり「順調に行っているなら新政権がさもバタバタしてもたついている様な報道はするなよ!」と言うことである。
新政権に対し国民の不信・不安を誘うような報道ぶりに対し「ひどい」と思ったわけだ。
ましてや「日米地位協定の改定」に対し「日米同盟に悪影響を及ぼす」とか「日米関係を悪化させる懸念」等、批判的に報道している点である。これについては後で、詳しく述べる。取り敢えず、上記の参考記事を先に載せておく。
(参考1:連立合意の朝日新聞9/10記事)
連立協議では、社民党が沖縄県の米軍普天間飛行場の同県名護市への移設反対や、日米地位協定の改定などの明記を強く要求。民主党は対米関係への配慮から具体的な記述を避けようとしたが、最終的にはマニフェスト(政権公約)と同じ「日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」との表現を受け入れるとともに、「沖縄県民の負担軽減」を明記することで折り合った。…参考1:終わり
(参考2:「日米地位協定の改定を提起する」ことに対する読売新聞9/10社説)
3党連立合意 日米同盟の火種とならないか(9月10日付・読売社説)
鳩山連立内閣の発足に向けて、大きなハードルをようやく乗り越えた。
民主、社民、国民新の3党が連立政権を樹立することで合意した。
政策合意の文書は、消費税率据え置き、郵政事業の抜本的見直しなど10項目で構成されている。
焦点の外交・安全保障政策では、社民党の求める「米軍再編や在日米軍基地のあり方の見直し」や「日米地位協定の改定の提起」が盛り込まれた。
民主党は難色を示していたが、国民新党も社民党に同調し押し切られた。
鳩山内閣は対米外交で、この連立合意に一定の縛りを受ける。将来の火種となりかねない。
米政府は、日米が合意した普天間飛行場の移設計画の再交渉に応じない立場だ。…中略…
現実的な代案もないまま、米側も地元自治体も納得している計画の見直しを提起することが、政府として責任ある態度だろうか。
日米同盟の信頼関係も傷つく。
民主党は今後、連立政権の維持を優先するあまり、国家の基本にかかわる外交・安保政策などで、社民党に安易に妥協することを繰り返してはなるまい。…中略…(「民主党は、海上自衛隊の撤退を再考すべきだ」と主張)
連立協議では、社民党が求めていた与党の政策協議機関の代わりに、政府内に3党の党首級協議機関を設けることでも一致した。
政権内での発言権を確保したい社民党と、政策決定に与党が関与せず内閣に一元化する体制を目指す民主党の折衷案である。
今後、懸念されるのは、社民・国民新両党が存在感を示そうとして、独自の主張に固執し政権を混乱させる事態だ。…後略(2009年9月10日 読売新聞社説)…参考2:終わり
上記社説の最後を言い換えると「今後、社民党・国民新党が独自の主張に固執して政権を混乱させる事態が懸念される」と“主張”している。
この社説でも分かる通り、相変わらずマスメディアの目線は「国民」にない。
国民はこんなこと(政治の駆引き・権謀術数等イヤラシイ面)が知りたいのではない。
報道は「連立新政権が誕生しました」として、下記合意事項を国民に報道すれば良いだけである。
◆「連立政権樹立に当たっての政策合意」事項
▽政権担当期間中は消費税率引き上げは行わない。
▽日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式売却を凍結する法律を速やかに成立させる。郵政事業の4分社化を見直す。郵政改革基本法案を速やかに策定し、成立を図る。
▽「子ども手当」を創設。
▽生活保護の母子加算を復活。
▽高校教育を実質無償化。
▽国と地方の協議を法制化。
▽戸別所得補償制度を販売農家に実施。
▽沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起。在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む。…以上
これを淡々と国民に連絡すれば良いだけである。それで国民は例えば「4年間は消費税増税が無くなった」と単純に喜ぶ、それでいいのである。
それによって国民は「きっこの日記」2009/09/09 (水) のように「新政権誕生おめでとう♪」と連立新政権の樹立を素直に喜ぶことが出来る。
何が「政権を混乱させる事態が懸念される」だ!
街の人の声で「民主党の政策は有り難いですが、財源が心配です」というのがあった。これもマスメディアが言わせた言葉である。マスメディアが世論をつくりだしているのだ。例えば自民党のETC限定・休祭日限定・期間限定の高速料金1000円の政策の時に「財源が不安です」などと言う言葉は出なかった。マスメディアが一言も「財源」について言及しなかったからだ。
国民の立場に立っていないのは「日米地位協定の改定」をアメリカに申し出ることに対し、日米関係を悪化させる懸念と(どのマスメディアも)論評していることでも分かる。
日本の米軍基地の周りで起きているアメリカ兵による犯罪(レイプ等)をこの日米地位協定によって日本の法律で裁けないのである。裁く権利は日本国にはなく、日本人は泣き寝入りするしかない。これは「きっこの日記」に詳しく出ているので読んでもらいたいが、今の「日米地位協定」は簡単に言うと、日本とアメリカの「不平等条約」と言える。
その不平等地位協定を沖縄県民・日本国民の為に平等条約に改定を申し込もう、という今回の連立合意内容に対し、日本国民のことを考えず「アメリカの言いなりでないと日本は見捨てられる」との貧困な発想から「日米関係を悪化させる」とのマスメディアの論評となって出てきている。国民無視・国益無視の発想・態度である。(鳩山論文しかり)
また、マスメディアの怠慢は、逆に国民の代表者に対しても表われている。
60年前の教科書(文部省作成)にも書いてあるように、
「マスメディアの報道は、国民に対して、現在どういうことが問題となりどんな点に関心が持たれているかを知らせるツールであると同時に、国民の代表者たちに世論の傾向を判断させる有力な材料ともなるのである。」
しかるにマスメディアは、こんな国民を無視した「政局」報道ばかりしているので、権力者側からも批判が出る結果となっている。
(引用開始)
自民党細田幹事長は「(マスメディア・国民は)麻生総理が字が読めないらしいと言って楽しんでいる。ブレたらしいと言って。それはそんなに大したことない。役員人事だろうが閣僚人事だろうがどうでもよいこと。だけど、そのことの方が、みんな(マスメディア・国民は)面白いんだ」と発言した。
さらに「日本国の程度を表している。国民の程度かもしれない。」と述べた。(7月)…引用終り
戦後間もない教科書に書かれている「国民の代表者(政治家)もマスメディアによって国民の世論動向を知る」という表現も正しいのだろう。マスメディアの本質を突かない報道により「国民の程度が低い 」と思われてしまったのである。
前にも書いたが、今回の総選挙結果についてルモンド紙やフィガロ紙の電子版も「野党の歴史的勝利」と速報し「自民党の自由主義的な政策(小泉―竹中ラインの政策)の行き過ぎに有権者が制裁を加えようとした結果」などと分析したことに対し、「海外メディアは「有権者の制裁」とか大仰なこと言っちゃってるけど、実際はテレビという名のマスコミに影響されただけの選挙なのにね 」といった意見が寄せられる、そんなマスメディアの体たらくぶりである。…このコメントには言いたいことがあるが、今回はマスメディアがこの程度にしか思われていない例として挙げておく。
今日も麻生氏が総理就任時に解散していたらこんな大敗はなかった(民主党大勝はなかった)とか、麻生氏が悪い、といった報道や、自民党は全員で若林氏の名前を書くことに決まったとか、国民にとってどうでもいいニュースばかりを流している。(M:余談だが100議席以上ある野党第一党の総裁に誰もなりたくないのは、今後、新政権によってどんどん明らかにされていくであろう半世紀以上続いた政権政党時代の自民党のウミ・垢が溜まり過ぎているからで、ババをひくことが分かっているから、誰もやりたくない、と辞退する結果になっている。)
結論的には、今回の政権交代の意義を私が何回も書いている(今日の最初に念のために書いておいた基本思想の)ように捉えて、議会制民主主義には政権交代が必須必要条件であることを説くマスメディアが無い。嘆かわしいことだ。
自民党の誰(個人)が悪いわけでもない、長期・集中化した政権政党が悪いのである。
誰もそのことを言わない。
権力と癒着していたマスメディアは今でも民主党政権を国民から引き離そうと必死である。
昨日の日刊ゲンダイに国家権力とテレビ局の癒着についての一例が載っていた。
(概略化して引用)
■見出し:「財源論批判」大好きな大マスコミ
「財源を示せ」「財源はどこにある」等々、民主党政権が掲げる政策に対しマスメディアは「財源論」の大合唱である。
その一方で民主党が掲げている「巨額の財源」が期待される政策案「公共電波(周波数)の利用権を入札で決める『電波オークション』制」についてマスメディアは報道していない。
現在、電波利用は政府・総務省の免許制である。
電波は国有地と同じで国有資産であり、国の「独占」だから、より高額の利用収入が見込める『オークション制度』は時代の趨勢であり、海外各国もそれを導入し財源効果を上げている。
「この制度により、米国='94年導入で4.6兆円、英国='00年導入で約4.5兆円、独国=約5.8兆円の財源を確保しています。
日本でも実施すれば1兆円~4兆円の新たな財源が見込めます。」
この民主党の政策(電波利用権の入札制度)について報道すると、日本の民放テレビ局が(世界)相場の10分の1~20分の1の電波利用料しか国に払っていないこと(国とマスメディアの癒着)が国民に知られてしまうから、マスメディアは沈黙を決め込んでいるのだ。
こんなマスメディアに財源論で民主党を批判する資格なんてない。…日刊ゲンダイ引用終り
政官財と癒着したマスメディアは何とか民主党と国民を切り離し“出来れば自分の悪業を悟られまい”としている。
選挙の時に麻生首相は「景気は回復に向かっている、我々(自民党)の経済政策の効果が出てきているのだ、それを継続させてほしい」としたが、どのマスメディアも私が感じていることを口に出さなかった=報道しなかった。
つまり、私は「景気は回復基調には無い」と思っていたからで、それは7月の雇用統計で雇用はここ数ヶ月、毎月厳しさを増していたにもかかわらず「景気は回復」を国民側から見て否定するマスメディアは皆無であった。
民主党が政権をとった途端、内閣府は9月の月例経済報告の冒頭に「失業率が過去最悪の水準」という(今までの自民党政権の時にはなかった)異例の表現で危機をあおった。
「これも政権政党への期待感を冷やす狙いでしょう」
もう少し経てばマスメディアは「せっかく景気回復基調にあったものを、民主党が補正予算凍結などして、自民党の経済政策を邪魔したから、また景気が悪くなったではないか」とやるのは目に見えている。
半世紀以上にわたり、そこらじゅう、ほとんど全ての分野で腐敗した日本国の洗濯は容易ではない。これは国民の支持・応援・援助が無ければ無理だと思われる。
完全無党派層であり、昔は選挙にも行かなかった無学な一介の労働者である私でも、インターネットや書物で勉強して、ある程度、こんな考えを書けるようになった。
60年前の教科書のように「民主国家の国民は一人ひとりが政治に対し賢明でなければならない」と思う。
今日はここまで、またね。