無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

いざという時のために

2015年07月12日 | Weblog
集団的自衛権の行使を具体化するための法案が「平和安全法」「国際平和支援法」と政府が呼ぶところの「安全保障法案」です。

国民の80%以上が「政府の説明不足」としているように、その法案の内容が国民の目にはっきりと見えてきません。(これはテレビ・新聞の操作による『成果』なのですが、その話は置いて話を進めます)

それもそのはず、国会質疑応答での「応答」が、質問に対する答えになっていないからです。

応答者のしどろもどろの説明に、質問者から再三「それでは質問の返答になっていないではないですか!私はあなたに○○についてはどう考えているのか聞いているのです!お答えください!」と繰り返し問い質したり、応答者の説明に「それは私が質問で最初に発言した部分です(再度説明する必要はありません)、私が聞きたいのはその後の質問に対する返答です!」と責められている。

本当にテレビ・新聞も毎日の国会の質疑応答を編集して淡々と流せば(記事にすれば)、いくらアホな国民でも、すぐにどちらの主張が正しいかがわかろうというものだ。

それで政府広報メディアは安保法制の国会質疑報道を控えているのだ。(「今ひとつ議論が噛み合っていない様です」「議論は平行線のまま終わった」)

議席の3分の2を与党で占めている衆議院で強行採決してしまえば、もう成立したと言える。

例え与党過半数の参議院で議決に持ち込めなくても「60日ルール」でこの法案は自然に・確実に成立する。

このような汚い手を使っておいて、何が「過去最大の会期延長をして徹底的に審議を尽くして決めるという民主主義の王道を進む」だ!

質問内容と違うことを長々と話したり、質問に対し明確な回答になっていない応答者の対応でダラダラと審議時間だけが伸びていく。


話は少し逸れるが、下に前に書いた内容をコピペしておく。

■菅義偉官房長官(記者会見にて) 

(安全保障関連法案の採決について)今度(維新・野党が)対案を出されるようだから、その中で(政府案との)違いなどを通じて、議論は深まっていくと思う。

ただ、いつまでもだらだらと続けることでなく、やはり決めるところは決めるということも一つの政府の責任だと思う。
(朝日新聞15年7月8日)


■佐藤勉・自民党国会対策委員長(記者会見にて)

この(新たな安全保障関連)法案をみなさんを含めて、すべて理解をするなんてことは不可能だと思う。

従って、当然議論を進めていくが、法が通ってからも議論が止まるわけではない。

(国会での議論が)終わったとしても、我々としては国民の皆さんにご理解いただけるような行為はしっかりとさせていただく。

いずれにしても、日本は議院内閣制という制度を取り入れている。

我々は負託を受けて国会に出していただいている。

そこを信じていただき、世論調査はそう(理解が進んでいない結果)であっても、我々は戦争をするなんてことは誰しもが考えちゃいない。
(朝日新聞15年7月7日)・・・コピペ終わり


毎日、各論を一点に絞ってショートで書いていこうと思っているのだが、書き始めるとあれもこれもと書きたくなってしまう。

気を取り直して、今日のタイトルについて書く。

あなたは、この法案が成立しても「アメリカの戦争に巻き込まれることは絶対にありえない」「戦争法案などという無責任なレッテル貼りはまったくの誤り」とする安倍自民党独裁政権の言葉を今でも素直に信じているのですか?

これまでの安倍首相・政府説明では、集団的自衛権行使の歯止めとして「日本国の存立危機状態」というものがありました。

今、国会では新三要件を満たす条件とは?必要最小限とは?自衛隊の撤退条件は現実的に有効か?どのように歯止めを掛けるか?といったやり取りや、維新の代替案の検討が行われていますが、無意味です。テレビ・新聞等が公平に報道してくれていれば国民の判断を仰ぐ一助にはなるのでしょうが・・・。

結論から言ってしまえば、集団的自衛権を行使するための「安保法制」は、いくら代替案を取り入れようが、如何に歯止めをかけようが、法律が出来てしまえば、総合的に客観的に自衛隊出動を判断するのは、この悪法を作った安倍自民党独裁政権自身だということですから、今の国会質疑は全く意味をなさないという事です。

前回も書いた様に、

◎憲法違反の法案を何故審議する必要があるのか!!!

である。

結論を先に書いてしまったので、話を進めるに当り参考迄に書いておく。

(参考・・・国会質疑)

松野頼久議員(維新)「(今国会で)法改正をしなくてはならない何か相当な危機が迫っているのか?」

安倍晋三首相「では危機が起こらないと言えるのか!」

松野頼久議員(維新)「(武力行使できる新三要件に盛り込まれた)『国民の幸福追求権を根底から覆す事態』とは何か?具体的事例は?」

安倍晋三首相「実際に発生した個別具体的な状況に即して客観的・総合的に判断する必要がある。一概に申し上げることはできない。」
      「どういう危機になるか個別的に申し上げられない。(私が個別具体例に言及するのは)むしろ無責任というものではないか。」


大串博志議員(民主)[自衛隊の活動範囲が広がるから自衛隊員のリスクが高まる、と考えるのが普通ではないか?」

安倍晋三首相 「今まで自衛隊に死傷者が出ていなかったかのごとくの認識ですが、それは違いますよ。」
     「新法にのっとって、自衛隊はしっかりと訓練を重ねていくことによって自衛隊員のリスクは低減する。」

大串博志議員(民主)「これまでの自衛隊の犠牲は、ほとんどが訓練中や災害時等の事故死であり、戦闘行為による死者はゼロである。」
          「全く質が違う両者をわざと混同させている。」
          「『さらに危険な地域に近付くこと』による戦闘のリスクの質問なのに、訓練で低減できるリスクの話をして質問に正面から答えていない。」


松野頼久議員(維新)「きちんと細かくシミュレーションして示すべきだ。」

安倍晋三首相「(石油輸送の要衝である中東の)ホルムズ海峡が封鎖されて誰も何もしませんよということなら、病院にエネルギーが供給されない事態が起こってもいいのか!」

(無風注:これで国民に理解を求めるのは無理というものだ。)…参考終わり


少し古いが、貼付けておく。






今日のタイトル「いざという時のために」

安倍首相「今の日本を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増している。政府は国民の生命と安全を守る義務があるから、いざという時に備えて(=国家存立の危機・国民の幸福追求権を根底から覆す事態に備えて)安全保障関連法案を成立させるのだ。」


法律は成立してしまえば「時の政府」の良い様に使われる。

前にも話したが「騒乱罪」審議の国会では「国民のデモ等の制圧に使われるのではないか?」との質問に「過激派テロ組織の暴動等で国体が維持できない(国家存続の危機)事態になった場合に『時の首相に自衛隊出動権限を与えるもの』という最終的に誰が国家転覆時に秩序維持命令を出せるのか、を決めるものであり、あくまでも「国家転覆時」「国家存続危機」といういざという時のための指示命令系統を定めた法律であり、この法律が成立しても実際に使われることはないだろう。謂わば『抜かずの宝刀』である。」として強行採決された。

成立してしまえばこっちのもの

今の「国会審議」の内容など、どこかに飛んでしまう事は目に見えている。

「戦争に参加することは未来永劫ありません」を信じているあなたはすぐに裏切られるだろう。・・・これはノストラダムスよりも確実な予言である。

前にも挙げた例をもう一度書いておく。

■国家・国旗法は「日本国の国歌は『君が代』、国旗は『日の丸』と定めただけのもので、国民に強制する様な法律ではない。」
「国歌斉唱は起立を強制させない。」と同法成立前、政府・与党は何回も繰り返し説明していた。

 安倍首相「公立大学の入学式・卒業式では公立なのだから当然、国旗掲揚・起立国歌斉唱すべきだ。」と強要?

 起立せずにいたら罰則・口パクですら罰則、大阪府では3回注意で教師の懲戒解雇。

 同法成立前に国会で説明していた「国民に強制するような法律ではない」はどこかに消し飛んでしまった。教師も日本国民なんだよね?



■治安維持法は当時の流血革命も辞さずとする非合法組織「共産党」(今で言う『過激派テロ組織』)による国家転覆を阻止する為の法律として成立した。

国民は自分は共産主義者ではないから、自分たちには関係ない法律だと思って成立を傍観していた。

ところがこの法律は成立すると、「時の政府」の政策に対し反対意見を言う者、戦争に反対する国民・学者・リベラリスト・平和主義者に対して適用された。・・・これは「悪法」で有名。⇒拷問・獄死多数


■「秘密保護法」は「スパイや工作員」に適用されるもので一般国民には関係のない法律であると国会で説明があり強行採決で成立した。

この悪法も治安維持法同様、あなたには関係のない法律と思い傍観して見ていたのだろうが、もう充分に国民統制・メディア統制として適用されている。

これは重要なので、次の日記のテーマとする。

今日はここまで、またね。