老人のかたちになつて水洟かむ 八田木枯
私が愛読している「増幅する俳句歳時記」の12月6日に、紹介された句です。
この句いいですね。
「老人のかたち」と突き放して見てはいるが、自分のことなんですね。
> 老いを自覚した人間にとっては、はっとさせられるような句なのだ。
と清水哲男さんは書いている。
清水さんの句の解説が絶妙ですね。
このような文章を私も書けたらなと思います。
私はまだ58歳ですが、それなりに老いを自覚する。
あと1年半ほどで60歳だ。
60歳という年齢は、私が20代のときには年寄りと思っていた。
その歳に私が近づいていく。哀しくもあり、
「60歳になってやろうじゃないか」
とタンカを切りたい気持ちもある。
しかし、やっぱり〝老い〟を自覚していくことは寂しいです。