ある死

1999年07月16日 | Weblog

 昨日、大宮の劇団の友人から電話があった。
「元気にやってますか?」
「それが、そうじゃない人がいて…、りえさんの旦那さんが死んだんだ」
 そう聞いて、ついに、と私は思った。このところ病気がちという噂を聞いて
いたのだ。
 その人と、私は22、3年会ってない。私が大宮で芝居をやっていた頃、い
っしょに舞台に立ったというだけで、あまり深いつき合いはなかった。そんな
ことでその人に対する印象も薄い。
 だけどなァ。ちょっとだけど、青春の1ページを共有した人が死んだという
ことが、少なからずショックでした。
 2年ぐらい、1週間に2度は一緒に練習した。公演が終わった後は、2ヶ月
ぐらい練習は休みだったんですが。
 練習が終わると、必ず劇団のメンバーで酒を飲んだ。私はその頃、独身で東
京の駒込というところに住んでいた。大宮から電車で1時間ちょっとぐらいの
ところです。行くにも帰るにも遠かった。しかし、芝居の、いや、酒の好きな
私は休まなかった。一人住まいのアパートにいてもしょうがないので、人恋し
くて芝居をやっていた、という感じだった。
 その人は、その劇団の中の女性と結婚した。それがりえさんです。
 しかし、あるとき別な女性と北海道のほうへ出奔した。そして、10何年か
してその女性と別れて、またりえさんと暮らすようになった。それからは仕事
もせずに、奥さんに食べさせてもらっていた、と聞いていた。
 りえさんは、学校の教師です。旦那の具合が悪くなった最近は、学校を休職
して看病していた、と友人がいっていた。
 自分を捨てて女と暮らしていた彼が帰ってきたら受け入れて、休職してまで
して最後まで看病したりえさん。私は、なんだか分かりません。
 とにかく明日、仕事が終わってからお通夜に行ってきます。日曜日の告別式
には、小田原方面に用事があり、行けないもんですから。

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7月の九想話

7/2  親知らず
7/2  19年前の今頃
7/9  40・50代の自殺
7/16 ある死

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