Tくんの就職

2006年02月21日 | 健康・病気
作業所にTくんが入所してきたのは去年の7月だった。
年齢は30歳、髪は短く痩せ形の彼は精悍に見える。
作業所に来る前は、出版販売会社に勤めていた。
当然、正社員ではない。

その会社にはかなりの知的障害者が働いていたが、
書籍を客先別に仕分けし梱包する作業が自動化されて、
職を失ってしまったという。障害者ばかりではなく、
健常者の臨時雇いの人たちも同様だったという。

Tくんを見て知的障害者と思う人は少ないと思う。
話す言葉もしっかりしていて、かなり高度の作業もまかせられる。
数を数えることも大丈夫だ。
現在、おもにしてもらっている仕事は、
袋にパックされた胡瓜や人参などをダンボール箱に入れる作業です。
間違いなく決められた数量を入れてくれる。

でも、ときどきあやしい。
それなりの間隔で私は確認しなければならない。
パレットにダンボールを積むことに悩むこともある。
1段ごとに同数で積んでもらわなければ、
最終的に数の確認ができない。
しかし、他の通所者と比べると頼りになる働き手だ。

去年の夏、「Tくんはどんな仕事をしたい?」と訊いた。
「警備員の仕事がしたい」といった。
職安の紹介で面接に行ったこともあるが、
その仕事は一定期間ごとに仕事先が変わるので、
「おれはだめです」といっていた。
新しい場所に行くことが難しいらしい。

1週間ほど前の職安の職業相談で、
スーパーの仕事を紹介されたといっていた。
2社と面接をしたらしい。まだ結果は来ていない。
作業所で頼りになるTくんがいなくなるのは困るが、
彼が採用されることを私は祈っている。
Tくんが、就職できることが作業所の本来の目的なのです。

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