Kのクリスマスイブ

1999年12月24日 | 家族

 12時20分、シントコ(新所沢)の駅を出る。
 いつものようにラーメンを食べに行こうかと思いながら、家に続く道を歩く。
 100メートルほど行ったとき、(そうだ、Kを見てみよう)と思った。
 今夜は、所沢のパソコン通信の仲間の忘年会だった。飲みました。私は、酔
っぱらっている。
 駅のほうに戻った。11月に駅の横っちょにできたコンビニで、Kはアルバ
イトをしている。夜の9時とか10時から夜明けまで働いている。毎日ではな
い。あるローテーションで勤務している。
「クリスマスイブに、バイトになっちゃった」
 と、以前いっていたのを思い出したのだ。
 コンビニから10メートルぐらい離れたところに立つ。カウンターのところ
にKはいた。なんか自信なさそうに、いる。おでんの入った容器のふたを開け
たり、肉まんあんまんの入っている温蔵庫を覗いたりしている。客がカウンタ
ーにくれば、なんかいっちょうまえに挨拶して、レジを打っている。
 Kがバイトを始めた11月に女房が見てきて、「Kが、ちっちゃい頃の真面
目な顔してバイトしてたよ。ああいう顔見ると、たまんないな」といっていた。
 私も“たまんない”気持ちになった。緑のエプロンを身につけ、最近私には
見せたことのない顔して働いている。
 10メートル離れて、ガラス越しに私は、Kに向かって「がんばれ」と心の
中でいう。
 私が19歳のとき、田舎の金物屋で働いてた。あんな表情してやってたのか
な。
 なんかもう、私はラーメンを食う気になれなかった。煙草に火をつけて、家
のほうに足を向けた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

浮き沈み

1999年12月24日 | 会社・仕事関係

 昨日は、月に一度の全体会議があった。
 私は、派遣社員(ペルーの女性たち)が仕事をしているので、いつも行けな
いのですが、参加した者に聞くと、工場長と次長が12月で退任するという。
噂では聞いてたので知ってたのですが、とうとうそうなったか、という気持ち
です。
 ほんとうにあの二人は仕事の出来ない人たちだった。どうしょうもない奴ら
だった。
 私が、生産管理の頃なんど喧嘩したことか。そして私は生産管理課から外さ
れ出荷担当にさせられた。
 1月から新しい工場長たちが、親会社からやってくる。私としては、どんな
連中が来ても、私の仕事をきちんとやっていくだけですが…。
 先週の金曜日に、次長と飲んだ。私は、いいたいこといいました。バカなも
んですから、飲むとワタシ恐いんです。
 しかし、なんといっても、私を現在の会社に入れてくれたのはあの二人なん
です。40歳までという募集規定なのに、パソコンが出来るということで45
歳の私を入れてくれた(でも、今は、パソコンなんて触ってない。頼りのツ
ールは、フォークリフトですが…)。それだけは、感謝してます。息子たちが、
大学生やってられるのもの、今の会社のおかげです。
 しかし、あの二人のこれからの人生は、ミジメでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする