ゆっくりのんびり市町村廻り

何年かかるか、もしかしたらできないかもしれないけど、日本の全市区町村の制覇を目指して頑張ってみる!

136日目 炭鉱夫どもが夢の跡(2)~日本最弱の市

2015-11-16 23:42:37 | 道央
2015年9月20日(日)


↓雨を避けようと乗ったバスは山間部に入り、長いトンネルを抜けると歌志内(うたしない)市に入り、その最初のバス停で下車します。

この間たったの10分。それに雨脚は全く衰えておらず、避難した意味なし。

いつもであれば、市町村の紹介は役所・役場の写真でするのですが、先に歌志内市について触れておこうと思います。

私が日本地理に興味を持ったのはもうだいぶ昔の小学校低学年の時でしたが、その時から歌志内市の存在は知っておりました。
何故なら、その頃には既に日本で一番人口の少ない市だったから(初めて手にした日本地図帳に市の人口一覧表が載っていたので)。
そしてそれは今も変わらず今年の10月31日現在、その数、たったの3,695人市のHPによる)。
もはや村どころか、集落レベル。何故かくも悲惨な状況になってしまったのか?

一番は何といっても炭鉱の閉山によるもので、市HPの「人口と世帯数の推移」のページを見ると、最高は昭和23(1948)年の46,171人、市制が施行された昭和33年は40,697人。まあ、ここらはまだいいのですが、昭和38年の炭鉱の閉山で一年間で一気に8千人減り、昭和40年代の閉山でさらに激減、昭和56年にはついに1万人を切ってしまう。
いつから「一番人口の少ない市」のという偉大なる冠(?)を被り始めたのか知りませんが、恐らく相当長年ビリをぶっちぎっているものと。そして2位の夕張市(北海道)は9,100人程なので、その座は当分安泰と思われます。めでたしめでたし。

市を自ら返上して町村に降格も可能らしいですが、住民サービスの低下につながるとして、目下その考えはないよう。せっかく手にした市なるブランドは失いたくないらしい(今では市が大増殖してしまってブランド力はかなり低下していると思うんだけど)。
近年では町のスイス風景観づくりや、かもい岳山麓など、観光に力を入れているようですが、それだけではなかなかいかんともし難いように思われます。

さてさて、道道114号線をバスの行ってしまった方に歩いていくと、早速気になる建物が左手に見えてきます。

↓悲別(かなしべつ)ロマン座



旧住友上歌鉱の職員厚生施設として映画・演劇などが催され、昭和59(1984)年のテレビドラマ「昨日、悲別で」のロケ地としても使われた施設。
超有名な映画「幸福の黄色いハンカチ」でも登場したらしく、はて?、どの場面だったのだろうと平成24年から更新された形跡のないHPを見てみると、フォークグループが「銀座カンカン娘」を歌っている場面でした。それなら覚えておりますわ。
それにしても「悲」の文字が、歌志内の悲哀を一層引き立たせているような感じだ・・・。

さらに歩く→
右の共同住宅がいわゆる「スイス風景観づくり」の一貫としてのものなのでしょう。左の昔風共同住宅とのアンバランスさが妙にいい。

↓僅かながらでも人を呼びこもうと役所は苦心しているんだけど・・・。

分譲が始まって数年は経っているようですが、なかなか完売しません。

東光(とうこう)交差点→
その交差点から私が立ってる左側の道(駅前通り)を歩いてみる。

↓手前のトンガリ屋根の建物は「歌志内市郷土館ゆめつむぎ(入館料\200)」。


↓ちょっと覗いてみようかね。



1階には家庭内で使われた用具や国鉄歌志内線などの物、地下には炭鉱で使われた機械などが展示されています。
過去にはこんな輝いた時代もあったんだぞ、と言わんばかりの資料館。

ちょっと進む→
左の郵便局は歌志内駅があったという場所。

↓「ゆめつむぎ」でも展示されていましたが、市のHPにも載っていた昭和40年代の駅前通りの写真。

賑やかで、一見都会にも感じられる。が、・・・。

50年でこう変わっちゃいました・・・→
後方の山(ズリ山らしい)も消えてしまっているし・・・。
少子化がさらに進んで、50年後にはこうした光景が至る所で当たり前のようになってしまうのかも知れない。日本の将来、大丈夫なのだろうか?

打ち捨てられたスーパー→

↓灯が消えた感の市街地の建物と比べてお寺さんはかなり立派です。


さて、お昼の時間なのでどこかでご飯をと探しましたが、食べられるようなお店は一軒もない!
仕方なく道民の道民による道民のためのコンビニ「セイコーマート」が分譲地近くにあったので、そこで何か調達しようと入ったらビックリ!
何と、店内に9月だというのに暖房が効いている・・・。こちらは暑くてずっと長袖を捲くりあげているというのに。どうやら北海道の人とはお肌の感覚が相当違うようです。

鉄道跡らしきを歩く→

(544)北海道歌志内市役所
地名は、「砂浜の多い川」を意味するアイヌ語「オタウシナイ」から。その「オタウシナイ」とは市内を流れる「ペンケウタシュナイ川」の事で、役所の裏手(写真左側)に流れています。

道の駅「うたしないチロルの湯」→
宿泊ができる温泉施設。私は立ち寄れませんでしたが、目の前をドライブなんかで通ったならせめて一風呂浴びて下さい。風呂がダメなら買い物でも。歌志内市のために・・・。

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2 コメント

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近未来の日本!? (まるみ)
2015-11-18 18:50:16
北海道へは毎年のように行きますが、訪れたことはありませんでした。
貴重な写真を拝見でき、感謝です。

北海道では、コンビニさえない場所がたくさんあり、確かに食事をするのに困る場所がありますね。
道民の方は、汗腺が少ないので、暑い日であれば暑がると思いますが、コンビニの客層も高齢者なのでは?
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BC級の場所に行くのもまたよろし (よっチィ)
2015-11-19 00:53:01
まるみさん

北海道は風景・食べ物が一番なんでしょうが、こうした取り残されたような町巡りもまたいいもんですよ。男の趣味嗜好になってしまいますが。

道中、多くのコンビニにお世話になりましたが、田舎にあるお店は車で来る人がほとんどのためか、老若男女顔ぶれは多彩でした。単に北海道の人は寒がりなだけなんじゃないのかなあ。
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