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ピュイ&キュイの徒然

ポーセリン・ペインティングや美術館・お寺巡り・バードウォッチングのことなどの覚書です

2012 第64回 正倉院展

2012-10-28 15:41:09 | 美術館・博物館
奈良国立博物館で「正倉院展」が開催されています

少しでも混雑を避けて、毎年初日の夕方に出かけるようにしてますが・・・
今年は少し混雑していました。
(入場したのは5時45分)

ポスターにもなっている、瑠璃杯(るりのつき)
高さ11.2センチ 口径8.6センチ
この見事なコバルトブルーに輝くガラスの為に展示室が一部屋用意されています
近くで見ようと行列ができる為で、幾重にも人垣ができるのです
会場内の混雑は無く、快適にもかかわらず、ここだけは10分待ち。
昼間はどんな状態だったのでしょうか・・・・?



今回のお目当ては瑠璃杯でしたが、例年以上に見事な宝物の数々。
写真などではわからない、実物の素晴らしさに目を見張ります

おはじきやビー玉のように色とりどりのガラスや
ガラスを使った装身具も展示されています
色に溢れた現代と違い、煌くガラスに古代の人々は魅了され憧れを
抱いていたのでしょう。

今年の古文書に「大倭国正税帳(やまとのくにしょうぜいちょう)」
(現在の奈良県)が展示してあり、私の住んでいる地名が記されてます!
古事記にも登場する地名なので不思議な事はありませんが、ちょっと、
驚きました。



写真は5時20分頃、オータムレイト入場を待つ行列です

少しでも混雑を避けて鑑賞するには、平日の夕方4時以降。
金曜日~日曜日は5時30分からのオータムレイト入場の前5時頃も
お勧めです。
最終日11月12日は午後になると信じられない程空きますので
この日もお勧めです
(正倉院展でアルバイトしていた私の経験上のデーターです)

1250年以上多くの人によって守り伝えられてきた宝物を鑑賞できた
事を有り難く思います。
未来へも残していかなければなりませんね!






大仏さま秋の祭り

2012-10-20 22:29:28 | 東大寺
10月15日は聖武天皇が大仏建立を発願された記念日
東大寺では「大仏さま秋のおまつり」をおこなっています。

慶賛法要(けいさんほうよう)・献茶・午後から慶賛能が奉納されます




大仏殿前の鏡池に設えられた舞台



午後1時半から始まります

金春流 仕舞(しまい・能の一部を素で舞うこと)
    半蔀(はしとみ)
    松虫(まつむし)

観世流 仕舞
    花筐(はながたみ)
    春日龍神(かすがりゅうじん) 

観世流 能 「井筒」(いづつ)

「井筒」は夢幻能の傑作とされています
あまり動きが無いのが特徴・・・

伊勢物語の第二十三段「筒井筒」を元に作られています
待つ女である井筒の女が、業平の形見を着て井戸に身を映し、
昔を回想するという幻想的な能で、すすきをつけた井戸の作り物が
秋の寂寥感を際立たせていますが・・・



季節柄、遠足や修学旅行の一団が見物してして
夢幻能の特徴は、ほとんど動きが無いので、「人形?」「あ!動いた!!」
と大騒ぎです。
能楽堂などでは、観客も静かですが、野外公演では演じ手も集中力を維持
するのに大変だな・・・と思います

慶賛能は、5月2日(聖武天皇祭)と10月15日に奉納されます
無料です

斑鳩の里

2012-10-17 19:09:32 | お寺・神社
平城宮跡でショックを受けて何となく、ここに来れば・・・と
斑鳩の里に寄りました

ここは、地域の人たちが景観を守り、大切にされている場所。
私の子供の頃と、そう変わらない景色に気持ちが和みます。

法起寺・三重塔



一面のコスモス畑には、ここにもニホンミツバチ



その後、法輪寺へお参りし、ご住職にご挨拶。
世間の喧騒とは別世界のようなお茶室で、ご長老のお話を伺いました

昭和19年に落雷で消失した国宝の三重塔
作家の幸田文さんのご尽力で昭和50年に再建されました

静寂なお茶室でお話を伺っていると、幸田文さん、西岡常一棟梁
写真家の入江泰吉さんの気配がすぐそこに感じられるような・・・

平城宮跡の埋め立て工事を何とか止めようと奔走されてる
寮美千子さん、幸田文さんと重なって見えます
同じく作家さん、奈良のご出身では無いのに・・・
この地がお好きなんですね。

ヒバリもないています

平城宮跡のヒバリ達、斑鳩の里においで。
ここも世界遺産だよ。

平城宮跡は今・・・

2012-10-16 15:00:37 | 日々のこと
平城宮跡

いろんな方からの情報で・・・
土砂は入っていないものの、着々と工事が進んでいると聞くたび
自分の目で確かめて見なければ!と出かけました

こんな光景は見るに耐えらないです。
「整備」ではなくて「破壊工事」でしょ!

奥に見える建物「大極殿」は180億円の建物です
国が作ってくれましたが、今は何の役にもたっていません。
維持管理にこれからどれだけの費用がかかるのか・・・

ただ、朱雀門にしろ大極殿にしろ、鳩やスズメのお宿になっていて・・
それだけでも役に立って良かったです
都心の億ションよりも高価な住居。
おそらく、世界一高価な住居。





今回の工事計画から外れた草原から見る景色
この景色を、お役所は嫌いなのですね・・・
こっちの方が良いと思うけど。。。





セイタカアワダチソウにはニホンミツバチの群れ
これから冬を過ごす為の蜂蜜を貯めているのですね



草原を壊して作った広い駐車場
ユネスコから再三にわたって、原状に戻すよう通知されているのに
未だにこの状態
どうして無視できるのかわからない。

県民として、この際、世界遺産登録を返上すべきだと思う。
こんな世界遺産ははっきり言って恥ずかしい。



今後更に数百億円を掛けて、色々な建物を復元していく計画だそうです。
その費用、いったいどこから?誰のお金?
災害で困っている人たちがまだまだおられるのに・・・・

スズメや鳩のお宿を作ってくれるのはありがたいのですが。。。

一人の作家さんが、頑張って署名を集めて下さってます
平城京跡を守る会
どうか、今回の経緯をご覧頂ける様にお願いいたします

形あるものは・・・

2012-10-14 19:56:42 | ポーセリン・ペインティング
ラスターとオンゴールドで製作した壷・・・
光の加減で、写真を撮るのが難しく、あちこち持ち歩いているうち、
見事に割れてしまいました。

かなりショックで・・・
立ち直るのに相当な時間を要しましたが、

気持ちを切り替えて、描きなおしています




ラスターは不思議ですね。
焼きあがると、こんな色に




これから更にシャドウを描き入れ、金彩を施し、装飾をしていきます
忘れている事も多いので、これは、「復習しなさい」という事だと
考えて、頑張ります~



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オン・ゴールドとラスター

2012-10-11 11:13:31 | ポーセリン・ペインティング
岸田先生にオン・ゴールド技法を教わってから、すっかり夢中になりました

高さ・約20センチの壷に、ラスター3色とブライト金を使用しています







少しキラキラと見えるのは、生地にチタンを練りこんであるからだそうです
このお陰で、安いブライト金が金箔を貼ったような、不思議な焼き上がり
になりました。
壷もとっても安くて、最初は、失敗しても良いかな?
くらいの気持ちでしたが、手を入れる度、良い物になっていきます。

想像していた物よりずっと良い出来栄えで、新たに壷を買い足して
違うデザインで作っています。

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生駒・宝山寺・獅子閣

2012-10-10 07:44:42 | 日々のこと
近くにあっていつも見ている生駒山
その中腹に、宝山寺というお寺があります
生駒聖天とも言われ、商売の神様をお奉りしています

重要文化財に指定されている「獅子閣(ししかく)」が一般公開されていますので
見てきました

明治17年(1884年)に建てられ、見た目は洋風ですが、室内は和室もあり
瓦屋根、漆喰の壁と伝統技術を使っています
宮大工さんが、横浜や神戸の洋館を参考に作られたそうです




玄関ホールに入るとお寺の方がとても丁寧にわかりやすく説明をしてくださいます
螺旋階段と色ガラスが目を引きます



原色の色ガラスには意味があるそうです
同じ景色も緑色のガラスを通して見ると春の若葉色
青いガラス越は、 冬の雪景色
赤いガラス越は、 夏
黄色のガラス越は、秋の紅葉

本当に、そう見える!!



和室には、能や狂言の一場面を描がいた襖絵



ガラスも当時の物です
今のようにクリアーではなく、歪んでいたり、気泡が入っていてその
ガラスを通して見る外の景色は魅力的です



遠く、若草山や東大寺大仏殿も見えました
平城京跡も!!



不定期ですが、春と秋に公開されています


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鹿の角切り

2012-10-08 15:41:19 | 春日大社
春日大社・鹿苑で奈良の秋の風物詩「鹿の角切り」神事が行われています
久しぶりに見学に出かけました

毎日、神事が執り行なわれます
この行事の為の特別な祝詞が奏上されています



これから何が起こるか、知らないで、のんびりとした鹿達



麻酔など使わず、古式に則り、はちまきに、はっぴ姿の勢子(せこ)さんが
「十字」や「だんぴ」とよばれる捕獲道具を使い
荒々しく走りまわる鹿の角めがけて『なわ』をかけます。

春日大社の神官が鹿に水を飲ませると、それまで暴れていた鹿が
大人しくなり、角を切り落とします





司会進行役の方はサービス満点でたのしく見物できました
角切りの歴史や由来、使う道具を丁寧に説明して下さり、笑いも心得て。

例えば・・・捕まりたくない鹿は逃げ回ります
なかなか捕獲できません

見物の男の子「頑張れ~」
進行役   「それは、鹿に対してですか?勢子さんにですか?」 
男の子   「鹿~!!」
会場に笑いが起こります。

神官が角を切ろうとすると
女の子の声 「角、切らないで!お願い!!」
進行役   「そんな訳には参りません」
女の子   「嫌い~!!」
一同爆笑!

子供の頃、見た記憶がありますが、最近はエンターテインメント性が強く
観光を意識した内容になっているようです


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広い空・広い草原・平城宮跡

2012-10-03 21:21:09 | 日々のこと

みはるかす 古き都の 野の果てに 人ありて うつ鍬のかがやき

    昭和初期に平城宮跡で、会津八一先生が詠んだ歌です


今でも私は平城宮跡の広い草原・電線の無い広い空が大好きです

ところが・・・先月末、どんでもない事が決まり、ショックを受けています

平城宮跡の中心、朱雀門と大極殿の間の広大な草地が、コンクリートで塞がれるという、とんでもない工事が始まろうとしています
(その面積は東京ドームと同じです)

国営平城宮跡歴史公園のweb上で公開された記者発表資料から
転記しています






    なんだか、某国の天安門広場みたい・・・(涙)

埋め立てられる予定地は生態系豊かな湿原です
この湿地の地下水が地下に眠る遺跡や木簡などを守ってきたのです。

ここ、平城宮跡は世界遺産に登録されていますが、対象となっているのは
地下の遺跡です
埋め立てられると、水が枯れ、遺跡は風化してしまう事でしょう。

既に抗議運動は始まっています。
国土交通省・平城分室の担当者は
草が生い茂り歩きにくい、草刈に費用が掛かる。と回答したとの事
(あくまで質疑応答の一部です)
ユネスコにも報告していないとの事

何より驚いたのは公聴会を開かない理由として
「コンクリート舗装は草刈と同じレベルだから」と回答された事。
お役人様は同じレベルなんですね、呆れました。


奈良に住んでいると世界遺産が身近過ぎて、日常になっていますが
最近登録が決まった場所は、大変な努力をして世界遺産登録の為の
準備をしてきたと聞いています。
それに対して我が奈良県は・・・・
簡単に三箇所も世界遺産に登録されてるものだから、ありがたさが
解らないのだと、私は思います!

確かに世界遺産になったから不便。
国宝、重要文化財に登録されて修理や改築に複雑な手続きが必要・・・
などと各方面からのボヤキも耳にします。

今回の事も東京ドームの面積を埋め立てる、といっても、平城宮跡は
広いよ、東京ドーム28個分もあるから・・・くらいの認識
なのでしょう。

早速、抗議行動を起こされた 寮美千子さん→こちら

寮美千子さんは、「空が青いから白をえらんだのです」の作者で、奈良少年刑務所の見学会に訪れて2度、お会いしています。

予算が決定した公共工事を止めるのは大変難しいときいています
でも、この事を一人でも多くの方に知って頂きたく思います

・・・昨年、奈良県南部では台風による災害が起こり、現在も
復旧工事の予算が不足している、と報道がありました。

平城京の工事の為の予算を、まわすことは出来ないものかしら?


最後に・・・
会津八一先生に倣い、私が詠んだ歌を・・・
今日、即席で作りました。
字余りなど、細かい事はご容赦ください

雲雀啼く 常盤緑の 都址 萌えいずる草も無き春の野
(ひばりなく ときわみどりの みやこあと もえいずるくさもなきはるのの)

夕暮れに 燕集いし 葦原を 見守りたもう ふるき宮跡
(ゆうぐれに つばめつどいし あしはらを みまもりたもうふるきみやあと)