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ピュイ&キュイの徒然

ポーセリン・ペインティングや美術館・お寺巡り・バードウォッチングのことなどの覚書です

第一回 珠光茶会

2014-02-14 09:03:21 | お寺・神社


室町時代、奈良に生まれた村田珠光によって作り出された「わび茶」は
千利休によって大成され、その意味で
珠光は現在の各流派にとって、共通の「茶祖」ともいえる存在です

その村田珠光の名前を戴いたお茶会が奈良市内で開催されています

2月13日、薬師寺・東大寺・春日大社でのお茶会に参加しました

朝一番に薬師寺(遠州流・薄茶)
会場は、お写経道場の裏にある、まほろば会館

関西ではあまり馴染みが無く、私は始めての遠州流のお席です
小堀遠州といえば、「綺麗さび」
何といえば良いのでしょう・・・
見事な「綺麗さび」の世界。
わび、さびの精神に美しさ、明るさ、豊かさを加えた・・・と
パンフレットに記載されている通りの空間。
一番印象に残りました。





紅梅が咲き始めた薬師寺を後にして、東大寺へ。
無料の巡回バスを利用いたします

会場は大仏殿横の集会所(裏千家・薄茶)



東大寺にちなんだ設えが嬉しいです
お菓子は、南無観椿
菓子器はまるで二月堂練行衆盤!



春日大社の会場は桂昌殿(武者小路千家・濃茶)
付け焼刃でお濃茶のお作法を調べましたが、とても気楽なお席で
助かりました!
掛け軸とお菓子が呼応していて、亭主のお心使いを感じます
(どちらもテーマは「鶯」)





点心は東大寺・本坊の大広間



奈良の食材をふんだんに使ってます。
3席分のお茶とお菓子を頂いた後なのに、ぺろり、と
平らげてしまいました



会場運営、案内はとてもスムーズで、各会場にクロークもありますし
迷うことなく、移動できました。
そして、何より、表・裏・武者小路の三千家・遠州流の各流派の
お茶席を回る事が出来るのは、嬉しい事です
堅苦しいお茶会とは違い、一般の参加もOK。
もちろん、洋服でも大丈夫!

独身時代に表千家のお稽古をしていた程度の私ですが、またお茶の
お稽古始めたくなりました

9年後の2023年は珠光生誕600年だそうです
その時は盛大に奈良でお祝いの茶会が開催される事を
楽しみにしています。

もう一つの・・漆金薄絵盤

2013-11-19 20:35:55 | お寺・神社
11月9日・春日大社と薬師寺の見学会の間に
法華寺へ。

目的は、ご本尊の十一面観音様と・・・もう一つの
漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)

平成22年光明皇后1250年遠忌に合わせ、前の門跡の発願により
約8割の大きさで2年の歳月をかけて復元されたそうです。

故・久我高照門跡は、明治天皇の后・昭憲皇太后を大叔母に持つ深窓の姫君。




        

こうして比べてみても、1300年近い時が経ったとは思えないほど
正倉院のオリジナルは色鮮やかです。

この漆金薄絵盤は対になっていて、同じ物がもう一つあるそうです。
いつの日か、両方を見てみたいものです。

薬師寺・水煙

2013-09-22 10:55:13 | お寺・神社
現在、解体修理が行われている薬師寺・東塔
その最上部で塔を守っている水煙を真近で拝観する事ができます

修理現場見学会の時にも拝観しましたが・・・第1回目第2回目
心置きなく見学できるのは嬉しいです

チラシやポスターも素敵です



倉庫を改装した会場入り口



初層内部の四天王に出迎えられ・・



水煙がこんな近くに!!
4面それぞれに3人の飛天が舞っています



蓮の蕾のような物を持っている最上段の飛天



散華を入れる華籠(けこ)を持った中段の飛天
茶色に見える場所には、創建当時に施された鍍金(ときん)が残っています



笛を吹く下段の飛天



水煙の下に取り付けられている九輪の一部



他にも宝珠・竜舎・擦管・伏鉢など相輪の部材が展示されていました
風鐸などは落下して失われていますが、1300年以上という
気の遠くなるような時間・・・風雪に耐えて塔を守ってきた相輪
そんなに古いなんて思えないのは何故?
きっと博物館に入らず、現役だったからなのでしょうね。

境内には萩が咲いていました



地上に舞い降りた飛天達にもう一度会いたいです

元興寺・地蔵会

2013-08-25 17:30:03 | お寺・神社
毎月24日はお地蔵さまの縁日です
関西では、8月の23日~25日頃、子供達の健やかな成長を願い、
身近なお地蔵さんの元に集まり、地蔵盆のお祭りが行われます
私の家の近所でも朝から賑やかでした。

今年は元興寺の万灯供養会にお参りが叶いました。
この元興寺、あまり有名ではありませんが、世界遺産です!

屋根は行基葺という形式で、なんと!一部分に飛鳥時代の瓦も
残っているのです。
美術館や博物館のガラスケースに納められているならともかく・・・
現役でお堂を守っているなんて、驚きます

ここのお寺にお参りする度、屋根を見上げて、現代の瓦、果たして
1300年後どうなってるのかしら?と想いを馳せます。



たくさんのお地蔵さま石仏に供えられた、灯りのきらめき・・・
多くの願い事が書かれています。





子供の頃、地蔵盆が終わると、夏休みもあとわずか。
焦って宿題を片付けた想い出があります

8月23日・・二十四節気では処暑

今年の暑かった夏は週末の雨で幕が下りたように涼しくなりました
いつのまにか、カナカナ・・・と夏の名残のヒグラシの声だけが
聞こえるように・・・
秋の虫の声、上空の高いと所を飛ぶツバメの群れ・・・
山から下りてきた赤トンボ・・・

夏も終わりますね。

万燈籠・万灯供養会・大文字

2013-08-16 20:56:32 | お寺・神社
8月15日

春日大社の中元万燈籠(7時~)
高円山の大文字送り火(8時~)
東大寺の万灯供養会 (7時~)

春日大社の3千基を超える燈籠全てに明かりがともされる景色は
異世界に迷い込んだような、幻想的な世界です
大勢の参拝客が居るのに、燈籠の灯りしか目に入らない。
人の姿は影絵のよう。



こんな鹿の火袋も



大急ぎで飛火野へ向かいます

「大文字送り火」
8月15日の終戦記念日である盂蘭盆に奈良県出身の戦没者を供養する為に、
奈良大文字保存会が昭和35年から毎年行っている行事です。
今年で54回目。一昨年からは、東日本大震災の犠牲者慰霊の思いも
込めて行われています。

春日大社の神官、県下30余りの寺院の僧侶の方々による
神式、仏式の合同慰霊祭です
これは、奈良らしい一面で、私達にとっては一般的な事なのですが
旅行で来られていた方達は驚いておられました



夏の夜空に浮かび上がる「大」の文字。火床は高円山にあります
火床は煩悩の数と同じ108だそうです。



点火を見届けて・・急ぎ東大寺へ

南大門の仁王さま
昼間、拝見するより、ど迫力!


灯りに書かれた願い事や供養の言葉・・・
敬虔な美しい光に囲まれた大仏殿・・・
お盆と元旦にだけ開かれる「観相窓」からは大仏様が灯りを
見守って下さってるようです



若い頃は物見遊山な気持ちで見ていたお盆の行事ですが
灯りをともす意味が解って来る年齢になりました。

これからもずっと平和の灯りが絶える事のないよう祈ります。

不空羂索観音さま

2013-05-26 15:45:03 | お寺・神社
3年に及ぶ須弥壇の修理を終えて東大寺・法華堂の拝観が始まりました

かつて、処狭しと立ち並んだ法華堂の須弥壇からは、
塑像の日光菩薩、月光菩薩、弁財天、吉祥天を東大寺ミューアムに移された為
すっきりとした感じです
LED照明に照らされた観音様は「我が家」に帰って来られてゆったりとした
印象でした。
檜の床材も良い香り・・・ほのかな灯りのお堂で気がつけば一時間も過ごして
いて・・・(居眠りしていた・・・)大満足!





法華堂(三月堂)のお隣、二月堂下の黒板には
「不空羂索 再び華厳の光を放たれん」と大書されていました。
法華堂拝観再開を心待ちにしていた気持ちが込められているようです。
東大寺奥の院と呼ばれるこの辺りは大仏殿付近とは違う、観音信仰の場。
家族的な、暖かさをいつも感じます




興福寺では南円堂の不空羂索観音さまが公開されています
観音様らしい豪華な宝冠とアクササリー
鎌倉時代、運慶の父・康慶の一門によって作られました
(東大寺の不空羂索観音さまは奈良時代の作)

興福寺の観音様は年に一度しかお目にかかれません。
会期が終わるまで、もう一度行けたら・・・と思います

伊勢へ

2013-05-19 15:01:06 | お寺・神社
この神風の伊勢の国は
常世(とこよ)の浪の重浪(しきなみ)寄する国なり
傍国(かたくに)の可怜国(うましくに)なり
この国におらんと思う

天照大御神をお鎮めするのに相応しい土地を探していた倭比売(やまとひめ)に
自らお伝えされた言葉です
「ここがいいわ。ここに居たいわ!」←現代語訳

こうして、奈良・三輪の地でお祀りされていた天照大神は伊勢にお遷りされました
倭比売・・・垂仁天皇の皇女で日本神話の英雄・ヤマトタケルの叔母様です

伊勢志摩観光のポスターに「美し国(うましくに)・伊勢志摩」
とあるのは、食べ物が美味しく、風光明媚だから、と子供の頃から
思っていましたが・・・天照大神のお言葉にも由来していたのだと
知りました。

新緑が美しい季節、伊勢神宮へお参りしました
新しい本殿はほとんど完成に近いようです。



おかげ横丁にはツバメが沢山営巣しています
ガムテープを貼って営巣拒否の店も多いのですがこんな風に
フン対策をして、歓迎してるお店もあります
買い物はもちろん「ツバメに優しい店」を選びます!!



イソヒヨドリも美しい声で啼いてました
姿、啼き声が美しく、観察が容易な鳥なのです。



ここでは観光客が落とした食べ物を狙ってます
少しの食べ物も見落としません。
足元に鳥が来た事にも気が付かない人がほとんど。
美しい鳥に気が付かないのは、勿体無い・・・

見事な順応性ですが、こうでもしなければ生息できない環境を
作ったのは、人間です。。。
伊勢神宮のお膝元での鳥達のドラマに一喜一憂。

遷宮が終わった後、もう一度お参りしたいです。



中将姫さま

2013-05-11 16:23:36 | お寺・神社


奈良国立博物館で開催中の「當麻寺展」に行きました

子供の頃読んだ「中将姫物語」という絵本のお姫さま縁のお寺です。
絵本の挿絵のお姫様は、十二単の平安装束でしたので、平安時代のお姫様
だと思っていましたが・・・

博物館で藤原不比等の孫!だとわかり、奈良時代の方だったのね。

継母にいじめられて、その後出家して蓮の糸で曼荼羅を一夜で織り上げた
あのお姫さまです

中将姫の足跡を訪ねて、石光寺・當麻寺に出かけました



牡丹が見頃でした



中将姫が蓮の糸を染めたと伝えられている井戸
この井戸に紡いだ蓮の糸を浸すと、たちまち5色に染め上がったという
伝説があります



牡丹の絵を描いている時、花芯の様子がよくわからず、困っていました
良い機会ですので、しっかり観察。
でも花によって様々・・・



アオスジアゲハ(交尾中)
蝶の交尾は1時間ほど掛かりますが、その間ほとんど動かない事が
多くて・・・鳥や悪い人間に見つからない事を祈りつつ・・・



その後、當麻寺へ。



色とりどりの牡丹



ワイン色の牡丹・・・描いて見たい色です。表情も最高!



奥の院のお庭



博物館で拝見したオリジナルの當麻曼荼羅は、ほとんど退色していましたが
縦3.7m横3.8mのサイズの織物を奈良時代に製作できた事に驚きました

江戸時代に作られた複製も重要文化財に指定されていて、こちらは色鮮やかに
往時の様子が伺えます
(お寺の本堂に安置されています)

漢方薬のツムラ(バスクリンの会社)とも縁が深く、創業者の母方の
ご先祖様が中将姫のお世話をされたとか。
そういえば、中将湯(ちゅうじょうとう)という婦人薬ありました。
この婦人薬の処方は中将姫に由来するらしいです。

何回行っても新しい発見がある當麻の地です。

石上神宮*カフェ・ド・レーヴ

2013-02-24 16:59:31 | お寺・神社
天理市の石上神宮では毎朝、8時30分頃から神主さん、巫女さんと一緒に
参拝ができます
気温は零度以下?という朝でしたが、待合室にはストーブ、
拝殿の私達が座る場所には、ホットカーペットと、配慮がとても嬉しかったです
石上神宮の祝詞は音楽的な抑揚があり、とても心地よいリズムです
神社によって、祝詞の奏上の仕方が違うのですね。
この石上神宮が一番好きです


時折小雪の舞う寒い朝
ニワトリも寒そう・・・
今でこそ、「神宮」といえば「伊勢神宮」の事ですが
日本書紀には、「神宮」は「伊勢神宮」と「石上神宮」の事
と記載されている日本最古の神宮の一つなのです。
天孫降臨(天照大御神の孫)の際、威力を発揮し、その後
神武天皇をお助けした剣をご神体としています。




神宮お隣のカフェドレーヴでモーニングをいただきました
とても優雅な朝のひととき。



薪ストーブが暖かです



暖炉と薪ストーブは、別の物だと初めて知りました
暖炉はあまり部屋を暖める事は出来ないそうです。
そういえば、絵本の挿絵では、暖炉の前で座っているおばあさん、
厚着されてますね。。

暖炉のある家に憧れましたが、薪ストーブのある家がいいですね!!

第2回・薬師寺東塔・保存修理現場見学会

2012-11-13 17:13:00 | お寺・神社
現在、修理中の薬師寺東塔、見学会に行ってきました
第1回目の6月に続き、2回目は、瓦を降ろした状態を見学できます

屋根瓦の重量は約80トンだそうです

最上層。ずらりと並んだ鬼さん達
各時代ごと、表情が違い、見飽きません。



そして・・・心柱の最上部!(約30メートルの高さ)
ここに飛天が舞う水煙が取り付けられていたのです!



各時代の瓦も展示してあり・・・



奈良時代に焼かれた瓦と、明治時代の瓦、あまり差がないように見えます
どちらも現役で塔を守っていたのだと思うと、ごくろうさん、と
声を掛けたくなります。



古い建物は鳥も好きですね
たぶん、ムクドリの巣?(大きさから判断)



降ろされた、水煙。
一部、金色に見える部分があります
創建当時は金色に輝いていた水煙の名残だそうです。
え?ということは、1300年以上前の物が残っていた事になりますね
仏像など、厨子に納められて、保存状態が良ければ、わかりますが
風雨にさらされていた場所です。
感動と驚きで興奮ぎみ。



応募方法は、往復葉書による事前申し込み制
奈良県内の方は県の広報を時々チェックしてみてください
他府県の方は、奈良県教育委員会のHPをご覧下さい。
(毎回、応募多数で抽選だそうです)

HP アトリエ・ラ・ヴィータ はこちらから