平成23年秋に始まった、正倉院正倉の瓦の葺き替え工事。
いよいよ終わりに近づいてきました。
瓦を葺く為の下地が取り付けられ、平瓦を葺く途中の経過を見学できます
前回の記事は
こちら
今回、2回目なので、前回ほどの感動はないだろう・・・と軽い気持ちで
出かけましたが、いえいえ、感動・感激しまくり!!
・・・そして、少しの失望も・・・
東面の屋根(建物正面)
大正・明治・江戸・室町・慶長時代・鎌倉、各時代の瓦が再利用されています
とても美しくて広~い屋根!
瓦が乗せられると、その重厚感に圧倒されます
奈良時代の瓦も健在です
南面に使われます
ずらり、鬼さん達(パンフレットから掲載)
再現された勅封(南倉)
嬉しくて舞い上がっていた前回と違い、今回は、専門家の方達に
疑問に感じた事を質問してみました
千年以上も健在な正倉院
きっと当時、最高の材料を使って最高の技術で建てられた。
と・・・ずっと思っておりました。
ところが・・・材料はあまり良い物を使ってないそうです。
正倉院は今でこそ、宝物のような固有名詞として使われますが
奈良時代は、東大寺の倉でした。
東大寺以外、どこのお寺にも正倉院という倉は有り、
その中で偶然、残ったのが、東大寺の正倉院だというわけです。
改めて、校木をよ~く見てみると、節の有る木も多く
木芯の位置もばらばら。
太さの違う木を使っていた証拠です。
これは、歪や反りなどの危険性を持っています。
千年以上経過した現代はもうそんな心配はありませんが、
普通の材料を使った建物でも、人々が手入れをしてきた事で
今の私達に受け継がれて来ました。
先人達に感謝すると同時に、未来へも引き継いでいかなければ
なりません。
大仏殿の屋根をこの場所から見ることができるのも、あと1回
来年2月に最後の見学会が予定されてます
また、ご縁がありますように。
大仏殿は2度、焼けてます(平家による焼き討ちと戦国時代の兵火)
正倉院はその都度類焼を免れて来ました。
唯一失望したのは。。。
水の神様をお祭りしている、杉本神社が正倉の北にあります
鎌倉時代、落雷で燃えた時、ここに祭られている龍神が
水を吐いて消し止めたと言われています
ご神木の杉の木、相当傷んでいたらしく、切られていました。
また、植えて欲しいな、と思っていたので、この事も
伺ってみたところ、「植えません!」と断言されてしまいました。
ちょっぴり、残念・・・でした
龍神さま、きっと暑いよね。。。
でも、小さいけど、池が側にあります。
きっとこの池にお住まいの小さな龍神さまなのでしょう。
末永く、正倉院の建物をお守りください。