ピュイ&キュイの徒然

ポーセリン・ペインティングや美術館・お寺巡り・バードウォッチングのことなどの覚書です

第61回正倉院展

2009-10-12 23:09:31 | 美術館・博物館
奈良国立博物館で開催中の「第61回正倉院展」に行ってきました。
今年は、天皇陛下ご即位20年記念という事もあり、名品揃いです




美しく装飾された琵琶、この琵琶を奏でた音色がスピーカーから聞こえます
千年以上の時を経ても演奏できる事ができるのは驚きです
どこか悲しげな琵琶の音色、とても心地良い響きでした
こういった演出はとても嬉しいですね


駅に貼っていたポスター。右は鏡の装飾。



花枝を喰わえている鳥はオシドリ。
とても、おめでたい模様だそうです。
今回の展示品の装飾は鳥モチーフが多く、「この鳥は何?」と考えながらの鑑賞も
楽しい一時でした
カモ、ツル、スズメなど現代でも一般的に見る事ができる鳥、珍しいヤツガシラ
また、中国南部やベトナムに生息するサンジャク、想像上の鳳凰、、、
豪華で美しい工芸品を堪能したあとは、毎回楽しみな古文書。

華麗な美術品に比べると、地味な古文書ですが、毎年楽しみです。
今年は、書写、校正の仕事に就く役人の仕事ぶりがわかる古文書がありました。
コピーが無かった時代ですから、ひたすら人の手で書き写さなければいけません
役人達の引継ぎ書もあり、今の時代と同じような手順で仕事を進めていたのだと
想像できます。
事務処理の基本は千年以上変わっていないのね、、、

また、写し間違い、誤字脱字が見つかると、減給、減棒されたようで
その明細を書き記した古文書も。
部下がミスをすると、その上司までも減給されているようです。
宮仕えの悲哀を感じますね。(今も昔も同じ!)
お給料減らされた、役人達の気持ちが伝わって来るような、臨場感です

これから、見に行かれる方は10月中の平日4時以降がおすすめです
11月になると平日も休日も関係なく混雑します
また、いつもの年は、最終日の午後も空いているのですが、今年は12日の最終日
が入場料無料となっていますので、様子が違うと思います。ご注意下さい
(ご即位の日です)

アトリエ・ラ・ヴィータ

伊藤若冲

2009-10-12 22:38:55 | 美術館・博物館
滋賀県信楽にあるMIHOミュージアムで開催中の
「若冲ワンダーランド」に行ってきました


若冲を知ったのは平成10年、東京国立博物館で開催された「皇室の名宝展」
で見た「動植綵絵」(どうしょくさいえ、動植物を描いた彩色画という意味)
との出会いがはじまりです



これ以上、描けないというくらいの精密画、なかでも美しいニワトリに圧倒されました
クジャクより美しく、魅力的なニワトリ。
こんな種類のニワトリが居るなんて!
動植綵絵は30幅ありますが、展示替の為、10幅しか見る事ができません。
皇室御物になっているので宮内庁・三の丸尚蔵館蔵にも通ったのですが、
やはり全幅揃って見る事は・・・無理。。。

ようやく2007年、京都・相国寺境内にある承天閣美術館で
動植綵絵全幅を鑑賞する事が叶いました
明治になって廃仏棄釈運動の為疲弊した相国寺は寺の復興の為、動植綵絵を
皇室に献上したという歴史があります
本来、有るべき場所での展示ですので、感激!!
この若冲ブームのお陰で、未発見の絵画が次々と発見されてゆきます

今回の「若冲ワンダーランド」でも最近、発見された、屏風が展示されています
私自身、江戸絵画といえば、、、浮世絵と尾形光琳くらいしか知りませんでしたが、
酒井抱一、円山応挙、蘇我蕭白、長澤廬雪、、、その他多くの画家を知るきっかけ
になりました。

ブーム・・・一時的な現象でもそれを機に色んな事に興味を持てるチャンスでもあるわけですね

MIHOミュージアム



周辺の景観との調和を大切にしていて、建築容積の80パーセントを地下に埋没
させた美術館です。
コンクリートと鉄を組合せて、直線、曲線を美しい幾何学模様をデザインしています

久しぶりの信楽。
窯元巡りも楽しく、かわいい狸もあちこちに、、、
・・・酒器をあれこれ買ってきました・・・
アトリエ・ラ・ヴィータ