ピュイ&キュイの徒然

ポーセリン・ペインティングや美術館・お寺巡り・バードウォッチングのことなどの覚書です

第62回正倉院展

2010-10-23 23:53:57 | 美術館・博物館
奈良国立博物館で開催中の「第62回正倉院展」に行ってきました。
今年は、遷都1300年のお祝いという事もあり、出陳される宝物の豪華さに
驚きました。
なんと言っても螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)
現代、演奏されてる琵琶は四絃です。五絃琵琶はインドが起源だそうですが
現存しているのは世界でもこの品だけなんだそうです
昭和20年代の調査の折り、実際にこの琵琶を奏でた音色が録音されていて
会場内で聞く事ができます。「聖武天皇も同じ音色を聴いてたのかしら?」
と思うと、気分は天平時代♪
(絃が一本多い事で音域が広いと会場内で説明を聞きました。)
正倉院宝物随一といわれる、この琵琶を観る事が出来なかったらお墓まで後悔を
持って行く事になってたと思います。

宝物は全てガラスケースに入っているのですが、ガラス越しに見ている気がしません。
人影がほとんど写り込まない素晴らしいガラスが使われているのです。
まるでガラスが無いように感じられる為、頭やおでこをぶつけてる方があちこちに。。

身分の高い女性用の靴は豪華な刺繍が施され、飾りのお花も付いていて・・・
バレエシューズのように可愛く、女性の好みって今も昔も同じなのね。と思っていたら
当時の女性のファッションセンスというより、高貴な身分の証なんだそうです。


また今の千葉県鴨川あたりから税として納めた絹布も展示されていて、その記録が
きちんと残っているのにも驚きですが、今、私達が納めた税金は1300年後、
どのような形で残っているのでしょうか・・・?
いえ、きっと残っていないと思うのです。。。

最後は、毎年のお楽しみ・古文書です
住民台帳などもしっかりしていて、家族構成、子供が産まれた、死亡したなどの記録が
細かく記載されているのです
また、免税制度もあった事もわかります。
お役所制度の基本はこの時代に基礎が出来ていたのですね
試行錯誤しながら苦労して形を作り上げてきた当時の人達の努力は
大変なものだったと想像できます

正倉院展は11月11日まで開催されます




アトリエ・ラ・ヴィータ

深窓のご令嬢?

2010-10-02 22:45:50 | 日々のこと
・・・虫の話です

毎年、夏の終わりから秋にかけてクサカゲロウを庭や畑でよく見かけます
(全長約2センチ)


ご覧の様に、透き通った羽、全身ミントグリーン!
足、触覚までパステルグリーン♪ まるで深窓の令嬢みたい。
ブラウンの目がクリクリかわいいです。
太陽の光を反射して虹のようにキラキラ輝きます。
10センチくらいに顔を近付けても逃げなくて・・・世間を知らない箱入り娘さん・・

カゲロウ。はかない命の代名詞・・・きっとこのクサカゲロウも食べ物は霞か朝露?
それとも蝶のように花の蜜??
と思う程、繊細で美しい虫です
図鑑で調べてみたら・・・食べ物は・・アブラムシ。
幼虫も成虫もアブラムシを食べるそうです。(それも大量に!!)
益虫だし、美しいので大歓迎ですが。。。なんだか、イメージが。。。。
見た目だけでは判断しちゃいけない、と言う事ですね
深窓の令嬢ではなく、じゃじゃ馬娘さんでした。

卵は俗に憂曇華または優曇華(いずれも『うどんげ』と読む)とよばれていて、珍しい形をしています



うどんげの花は法華経に出てくる、3000年に一度如来の出現とともに咲くといわれる伝説上の花
だそうです
昔の人は作物に付く虫を食べてくれる美しい姿のありがたい虫の卵ですから、
こんなおめでたい花の名前を付けたのでしょうか?



正倉院宝物にも描かれていました。

アトリエ・ラ・ヴィータ