ピュイ&キュイの徒然

ポーセリン・ペインティングや美術館・お寺巡り・バードウォッチングのことなどの覚書です

プチファーブル・熊田千佳慕展

2009-09-19 23:31:20 | 美術館・博物館
京都・高島屋で開催中の99歳の精密画家・熊田千佳慕展(くまだちかぼ)に行ってきました
  

ライフワークとされていた「ファーブル昆虫記」の完成を待たず、
今年の8月、98歳の生涯を全うされました
かぞえ歳で99歳になるまで、写実に徹した細密画を描いておられたのです
絵を描く時、観察する時、眼鏡は必要なかったそうです
見えていたのだと思うのですが、きっと曇りの無い「心の眼」をお持ちだったのだと感じます
熊田さんは「見て、見つめて、見極める」・・・
描く対象を「見極めて」から描き始めるのだそうです
この言葉は絵を描いている私達に残して下さった宝石のような言葉です

今年の初め、蝶の絵を描きたくて、参考になる児童書を探していた時、熊田さんの絵本に出会いました

「みつばちマーヤの冒険」
子供の頃、大好きな物語で繰り返し繰り返し、読んだ覚えが有ります
熊田さんのマーヤは赤いリボンを付けて、とても愛らしく、早速、本を注文!
すっかり「ツボ」にはまっちゃいました~

資料を整理していると・・・熊田さんの絵だと知らずに集めていた作品も
たくさんありました。

熊田千佳慕、本名は熊田五郎。
画号は「千人の佳人に慕われる」・・・という意味。
・・・・・・とてもロマンチストなのですね~
今頃、天国で、ファーブル昆虫記の続きを描いておられる事でしょう。。。
千人の佳人に囲まれて・・・きっと虫達に囲まれて・・・でしょう・・・

アトリエ・ラ・ヴィータ

エカテリーナ2世の四大ディナーセット

2009-09-13 21:16:21 | 美術館・博物館
大丸心斎橋店で開催されているエルミタージュ美術館所蔵~エカテリーナ2世の四大ディナーセット~に行ってきました。

エカテリーナ2世のために作られた晩餐会用の、
豪華絢爛なディナーセットのコレクションが展示されています
“セルヴィス” って?? 調べてみたら・・・
器形、絵付けデザインに統一をもたせた食器セットのこと
だそうです。
実際に使われていた訳ですから、洗う係の人も居たのですよね!?
とても、緊張した事でしょう!
もし、割ってしまったら・・・
番町更屋敷のお菊さんのような、お仕置き受けたのかしら??と
妄想しながら、見学。



カメオ・セルヴィス
セーブル王立製作所で作られたセット


フランスらしい優雅な印象です

「ベルリン・デザート・セルヴィス」
ベルリン王立磁器製作所で作られたセット


「グリーン・フロッグ・セルヴィス」

これは、ウェッジウッドに注文し、作らせたもの。
全944品からなるセルヴィスには、それぞれ風景画が絵付けされています。
そのどれもが別の風景を描いたものだというから、何とも凄い。
今の様にプリント製品を展開する前の手描きのウエッジウッド。
貴重ですね

「聖ゲオルギー・セルヴィス」

“聖ゲオルギー” とは、ロシアの最高位の勲章の名前。
その勲章を授与された物を祝うための晩餐会で使われていました

エカテリーナは世界で初めての女子校を創設した事でも有名です
エルミタージュ、・・・「隠れ家』という意味の美術館。
一度は訪れてみたいです

アトリエ・ラ・ヴィータ

今年出会った蝶たち

2009-09-10 14:32:16 | 日々のこと
どんな理由で始めたのか良くわからないのですが、
昨年から蝶の幼虫を飼育しています
春、越冬していたサナギ達が美しい蝶に産まれ変わった時の感動が忘れられず、
庭に産みつけられた卵の世話から始める日々が続きました。。。
8月末で羽化したナミアゲハは100頭を超え、キアゲハが20、
その他、珍しい黒いアゲハ達が10、ヤマトシジミが5、などなど。
今も、飼育箱ではおイモちゃん達がすくすくと育っています
小さな子達は、今年羽化する事なく、サナギで冬を過ごす事になると思います

数々のドラマがありました。大きくなっても柔らかい葉しか食べず、休憩する場所
まで決めている神経質な子。
この子は、極端に生育が遅く、心配しましたが無事に育ちました
食べる物が無いと、堅い葉脈や茎までかじる元気な子も!
「虫」とはいえ性格(性質)がそれぞれあるのだと。。。

ある日、美しい羽のメスが羽化しました
羽が乾いた頃、ベランダに出したのですが・・・オスが飛んで来ていきなり交尾!!
産まれて3時間くらいなのですが、メスはもう成熟してるのですね。
(上がメス、下がオスです)


数日前、メスのアゲハがミカンの周囲を飛んでいました。
前足で葉をぽんぽん、と叩いて、食草かどうか確かめる仕草をしています
「そうそう、この味、この味」と幼虫時代の記憶を思い出しているかのようです
そのうち、お尻をくるりん~と丸めて卵を産みつけて、、、次々に産んで行きます!!
いったい、どんだけ産むの!!

確かめてみたら、30個以上。中にはお団子の様に3段重ねに産みつけられた卵も。。
産卵に立ち会ったのも何かの縁。すぐ取込んで世話する事にしました
大丈夫かな?孵化するかな?と心配でしたが、ほぼ、全部孵化したようです
3段重ねの卵ちゃんも無事に孵化できました
同じ日に全部、孵化したのに、もう成長に違いが出て来ています
でもこの子達はサナギで越冬するのだから、焦らなくてもいいよ
ゆっくり育ってね、と声をかけています
この子達のお母さんはきっと私が世話した蝶のような・・・
ここに卵を産んだら、子供達の世話して貰える、、、と思ったのかな?
都合の良い思い込みですね
すっかり乳母バカな私です


サナギで越冬するかどうかの決め手になるのは気温や日照時間です
特に日照時間が一番大きく影響します
昨年の記録ではいくら暖かくても終令幼虫で秋のお彼岸を迎えると全部越冬サナギになりました
自然界って不思議な事だらけですが、うまく出来ているのですね。
暖かくても、確実に冬に向かう訳だから、お花も少ないし、何より幼虫が生きられない事を
日の長さで感じているのです。
・・・家の中で、蛍光灯の光を長い時間当てていると、体内時計が狂ってしまい、
真冬でも羽化するのだとか。・・・・

自然界では一匹の母蝶が産む卵から成蝶になるのは1~2匹だといわれています
・・・私のやって居る事は自然の掟に違反してるのかな?と思う事もあります。
でも、きっとまた、来年も育ててしまうんだろうな。。。
最近は、蛾の幼虫もカワイクなってきて・・・家族に、蛾は止めて!!と訴えられています~

来年はどんな蝶に出会えるでしょうか
その前に今、居る子達が無事サナギになるまで頑張らなければ!!

アトリエ・ラ・ヴィータ