純米燗オヤジの戯言 佐用の酒屋 地酒のDON

「完全発酵の純米酒を燗で呑む文化を普及させたい」そんな純米燗伝道師を自負する酒屋のオヤジ奮闘記。

生酒は苦手だけど・・・秋鹿 槽搾直汲山田錦純米2年熟成(生酒)

2012年11月08日 | 純米酒
私は基本的に生酒は苦手だ


生酒は温度管理が大変であり

温度は0度近辺で保存しておかねば

生酒特有の「生老香(なまひねか)」という

香りがでてきてしまう



この甘いようなモワーッとこもった生老香が

私は大の苦手なのだ

ただ冷えた状態から常温までの間で呑む分には

あまり気にならないこともある

しかし生酒を燗につけると

かなり顕著に生老香が顔をだすことが多く

思わず興ざめしてしまう



確かに

生酒を無理やりにでも

燗につけて呑もうとしている

私の姿勢に問題がある

と思われる方もいると思う


だが

日本酒の良さは

「生」であろうと「火入れ」であろうと

「冷酒から燗酒までの

幅広い温度帯で楽しめること」

だと私は思っている


そこが同じ醸造酒のワインに勝る

純米酒のポテンシャルだと思っている

だから生酒であっても

燗酒として耐えられる品質であってほしい

と個人的に思う



だいたい生老香を

絶対に出さないようにするということは

流通過程において

常に零度近辺で蔵元から問屋へ

そして小売店に到着し小売店が冷蔵し

お客様が小売店で買って

呑む直前まで常に零度で管理するってことだから

かなり無理あることだよね


このようなことで私は

温度管理にそれほど気を使わずとも

妙な香りが立たないし

そして幅広い温度帯で安心して楽しめる

貯蔵前と瓶詰め前に2度の火入れをした

完全発酵の純米酒を好むわけだ

単にずぼらであるともいえるが・・・




さて そう言いながら

本日紹介するのは生酒なのだ
 

しかもH22BYの2年熟成の生酒なのだ


秋鹿 槽搾直汲(ふなしぼりじかぐみ)山田錦速醸純米2年熟成(生酒):3,150円

生熟成なので

かなりトロ~リとしている

呑むと僅かに炭酸系の刺激を感じる

そして濃厚な旨味と酸が共存する

かすかに熟成香なのか樽のニュアンスを感じる香りがあり

一瞬微発泡の白ワインを連想させるが

もっと複雑で微妙な味わいが絡み合い

純米酒の懐の深さを教えてくれる

のどごしはすべらかだ


燗につけても

柑橘系のニュアンスの酸が芯にあり

全体の味わいを引き締めてくれて

呑み飽きしない

刺し身や魚の煮つけなどと合わせても美味い

また生老香は気にならない程度のもので

料理とともにいただけば

私でも全く気にならない



これが完全発酵純米酒のポテンシャルを示す生酒なのだ


最近「秋鹿」や「奥播磨」の熟成生酒を呑んで

生酒の魅力も少しずつわかってきたような気がする・・・


でも生酒販売は・・・

個人的にやっぱり苦手なんだよなぁ


みなさん

試してみてください m(__)m



酒米:山田錦
精米歩合:70%
酵母:7号酵母 速醸酛
日本酒度:+10
酸度:2.1
アミノ酸度:0.9
2010年4月上槽

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