唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

モハメド・アリ

2006年11月04日 | 映画 ま・や・ら・わ行
2006/03/15 22:33

ボクシングのヘビー級チャンピオンだったモハメド・アリさんの徴兵拒否、ライセンス剥奪までを追ったドキュメントです。

ボクサーとしてのアリさんは、対戦相手を試合前からもうどうしようもないくらいのスピードの口から出るジャブでけん制し、試合本番でも蝶のように舞い蜂のように刺し、相手をしとめてきました。でも、口が悪いのと、これは勝手な想像ですが、もしかしたら、ボクシングスタイルも、多くの敵をつくってきたのも事実なんでしょう。
ただ、大事なのは、胡散臭い口ばっかりの人じゃなくって、世界チャンピオンに君臨していたという事実。そこにこの人の偉大さがあるのでしょう。

そして、もっと偉大なのは、ひとりの人間としてのアリさんの行動です。

もともとの名前カシアスクレイという名前をイスラムの団体に入ってモハメドアリと改名し、そしてベトナム戦争での徴兵拒否騒動になって前にも書いたようにライセンス剥奪、そして懲役5年という判決・・・

最初は白人社会に黒人を押さえつける道具としてアリを利用としていたのが、アリに裏切られる格好になってアリを白人社会から追い出そうとするわけですが・・・
結局このことが、逆に黒人の解放運動に白人の若者を結びつけることになったと映画でいってました。

アリの言葉は重いものがあります。
「おれはアジア人を殺しにいきたくない。アジア人は黒人を差別したこともないのに」
「神様も白人、天使も白人、天使の黒人は何をしてるかって?台所で食事を作らされてるんだろう」と言って、そのあと、何でもいいものは白で悪いものは黒だと例をあげて言っていきます。そしてその中に「ホワイトハウス」をあげたところに鋭さを感じました。

映画では、もしアリが徴兵されても、実際に戦争の前線には行かずにエキシビジョンマッチをやったり、慰問活動のような宣伝活動になるはずだったと言っています。そして、タイトルマッチも奨励されたと。

兵隊になれば、自分の財産も、チャンピオンベルトも、奪われずにすむわけですが、彼はその道を選びませんでした。それと引き換えに自分を失うことを拒否したのでしょう。



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