唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

アンダンテ ~稲の旋律~

2011年07月14日 | 好きな映画・良かった映画
アンダンテ~稲の旋律~ - goo 映画

映画『アンダンテ ~稲の旋律~』 オリジナルサウンドトラック <ピアノ曲集>
クリエーター情報なし
サウンドジュエルレコーズ


稲の旋律
クリエーター情報なし
新日本出版社


品川区内で上映会があって、翌日がとても大事な会議があって、「そんなの行ってる場合か!」と言われながらも、むしろ言われてしまったことで余計に行かなきゃいけないと反発し・・・(笑)行きたいという思いは、行かなければならないという思いになって、強行して行ってきました。いやあ・・・おれって頑固ですね。

それで、そんなふつふつとした怒りと忙しい中でてきてしまった罪悪感もちょっとだけ感じながら、映画を見はじめました。

映画の主人公「藪崎千華」は、母親の強い希望で幼い頃から音楽の道を歩むが、音楽社会の競争は厳しく次第に自信を失くしてゆく。やがて自分自身をも見失い登校拒否となり、大学中退を余儀なくされる。大学中退後、アルバイト生活に入るが、職場での人間関係がうまく作れず、仕事を転々とする生活を繰り返し続ける。そしてとうとう、一日中家に閉じこもるようになり、日毎の両親とのいざこざも絶えなくなってしまう。そんな自分を思いつめた千華は、千葉県の水田へ、「誰か私を助けてください。」と書いた紙切れをペットボトルに詰め、「心のSOS」として置いてくる。暫くして、この水田の持ち主でありペットボトルを拾った広瀬晋平から手紙が届く。その手紙の内容は真剣に千華のSOSに応えようとしていた。千華は、自分はどのような人間か、どうして他人と会うのが怖いのか、長い長い手紙を晋平に送った。こうして始まった千華と晋平の交流は、千華のひきこもり生活を徐々に変化させていくのだが・・・!(公式HPより)

最初の主人公の心の荒れた感じは、そのまま自分の苛立ちと重なってなんか、落ち着きがない状態が続いていました。
何でそんな動揺してるのにクルマに乗っちゃうんだよ!がまんできないじょうたいでいるのになっぜそこだけすなおにしたがっちゃうんだよ!ああ・・映画のためとはいえ
自分を追い込むのはやめてくれ!父親も、そんな長年娘と付き合ってきて、そういう状態に追い込んでおいて、そこを何にも理解せず、映画のためとはいえ、平気で追い詰めるセリフを吐き散らす。わざと娘を追い詰めてるとしか思えない。長年の積み重ねを感じさせない何かとってつけたような主人公を追い詰めるセリフ、母親も、自分のできなかったことを娘に全面的に100%押し付ける人がいるのかとあきれるぐらいに主人公を追い詰めて…

ペットボトルのSOSにはちょっと違和感を感じるところもあります。電車から見た風景、稲が風に揺れて奏でるメロディを聴いているうちに、カノンが頭の中をながれた。透き通るような風の流れでできる稲の波のシーンはとてもきれいでした。でも、そのすごい景色とSOSというぎとぎとしたというか、殺伐とした文字が合わないし、そのきれいなところにペットボトルを投げてしまうというところもちょっと疑問があるところです。そのきっかけがなきゃお話は始まらないわけだけども・・・

すこし、おもひでぽろぽろと重なりました。
あの時疑問に思った人間に嫁いでいくのか、土地に嫁いでいくのか、今回は、違う意味で同じものを感じました。
素敵な男性が自分を取り戻させてくれたのか、それともその土地、農業の営みが取り戻させてくれたのか。
いや、両方なんですけどね。
その男性が好きな人は自分じゃないと悟った時に一度そこを逃げ出します。でも、そこで手に入れたすべての者をこんな形で捨ててしまっていいのだろうか。恋愛感情で結びつくのは大事だけど、人生って恋愛だけじゃないですもんね。恋愛だけで立ち直るていどの苦しみではないし、それまでに得たものは失恋によってすべてお失うほどの軽薄なものではなかったということですね。

さいごの稲穂の中でのカノンが心に響く・・・という終わり方ですが、男はひどい奴です。そこでプロポーズかよ!って感じです。主人公の気持ちも知っていながら、あれじゃ、主人公を利用したともとられかねない。
お母さんも結局ピアノを弾く主人公を愛しているとも思われかねない終わり方のような気がしますが…
そんなことはたまたま偶然です。それまでの流れを見ていれば、それはないこともわかりますが…

そして、いきなりなんかきれいなドレスを着て主人公が歌いだした!
とても素敵な透き通る声です。
それではじめて、この女優さんは歌を歌う人なんだとわかったわけです。

今回、文章の中で突っ込みをいろいろ入れてしまいましたが、そんな細かいところはどうでもよくて、とてもいい映画でした。
会場を出るころには、あれだけざわざわしていた自分の心が、アンダンテになっていました。
いい映画を見た後の変な虚脱感を心地よく感じながら、そのあと夜中までそんなことをしている場合ではなかったのかもしれないとは全く思わず、むしろ、これを見たことを力に、明日の大事な会議の準備に入りました。

農業万歳!

あ・・・もう一つだけ。
農業の問題を飲み会の場で難しそうに話すシーンはいらなかったと思います。あれは無駄なシーンだったんじゃないかな。


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