唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

ジャンヌ / 安彦 良和,大谷 暢順

2010年08月14日 | 
ジャンヌ
安彦 良和,大谷 暢順
日本放送出版協会

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内容(「MARC」データベースより)
奇跡の少女ジャンヌ・ダルクが火焙りに処せられてから10年。ジャンヌに憧れる少女エミリーは、ジャンヌの幻に導かれ彼女の跡を辿るかのように、人と歴史の過酷な宿命に巻き込まれ…。歴史ファンタジー巨篇の愛蔵版。

というわけで、愛蔵版というのは、たぶん「イエス」と同じようなまとめて出されたやつなんでしょう。自分が持っているのは、1~3巻になっているやつです。字が多くて読みずらいところはありますが(実際飛ばして読んじゃうし)、絵がきれいです。

これは、ジャンヌの話ではありません。エミールの行動を通じて、ジャンヌを知るといった感じですか。
この前のイエスでもそうですが、イエスも、ジャンヌもとても人間的に書いていて、すべてを悟りきった人でないところが良いのでしょう。
それが、エミールそのものでもあって、悩みもすれば、後悔もする。殺されるくらいなら、命乞いをしようとも考える。自分の命と自分の意思とのはざまでもがき続けるわけです。
そこが、彼女の魅力にもなっています。

そして、このマンガの中でのジャンヌも、火あぶりになる前に動揺する姿や、けがをしたときの苦しみや、戦争の中でのうろたえた姿を見せています。
同時に、若い少女ならではのまっすぐさが人の心をとらえている姿なんかは感動します。

神にすがるという点で、何の曇りもないジャンヌの方が、エミールよりも、子どもっぽさを感じさせなくもないです。そこがこのジャンヌの魅力でもあるんですが…