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唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

かもめ食堂

2007年08月08日 | 映画 か行
かもめ食堂

バップ

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小林さんが素敵ですね。小さい感じで、でも意志がある感じで・・・しかも優しい。いいですね。
何事も無く淡々とした毎日ですけど、その毎日がとても大切な日々になっている気がします。時間の流れを気にして生きている自分にとっては、そういったゆったりした時間がとても貴重なものに見えます。でも、この大切な時間は、長い時間をかけてしか手にすることができないのではないでしょうか。

ちょこっとした連休の中で、いくらゆっくりしようといったって、そうゆっくりできるもんではない。後何日ある・・・ああ、あと3日、ああ・・・後2日しかない。あと1日・・・明日は出勤か・・・・なんて、先の事があるからダメですね。仕事に戻りたいと思うぐらいいっぱい休んでみたい。

あの3人には、そういった、先を自分で決められる時間的余裕があったからこういった物語ができたわけですが・・・・時間的余裕をつくったのは、自分自身であったわけだから、そういう決断をできたことがすごいことなのだろうと・・・・まあ、勝手に思っているわけです。

そして、3人になってしまったら、そこから、元に戻ってしまうのはとても寂しいことなんでしょうね。
おにぎりにフィンランドのものをつかおうとした時はちょっとうざかったんじゃないかな?でも、それを実践による検証で結果を出すところがえらい。優しさですね。勝手な解釈ですが・・・・

なぜメインがおにぎりなのかを語る場面は、そのかたりのところでなく、それを聞いたはいりさんが 泣いてしまうところに涙が出ました。そういえば、はじめての食事の時にご飯をためて泣いたシーンも、涙が出てきました。2回とも何にも語られてないけど、そこにあったなにかを勝手に感じ取って、こっちも涙してしまうのですねえ・・・

もたいさんも冷たい人かと思いきや、語り口がやさしくていいキャラでした。

3にんとも、どうしてここに?というのは語られていませんね。でも、それは必要ないのです。そこに3人がいることが大事なのでしょう。なんのこっちゃ。

外国の人は、日本映画的外国人だと思いました。

食堂、広いと思ったけど、結構タテに細長くて・・・・客がはいったら案外狭い場所だったんですね。そこがねらいか?

救命士

2007年08月07日 | 映画 か行
救命士

ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント

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なんか、すごい世界です。気が狂いそうな状態で仕事を続けています。
貧困と社会のゆがみなんでしょうか。生と死が本当に身近な世界があります。そこでは、命の重さはよくわからない無重力状態です。それぐらい大量の死が町を覆っているようです。

病院はたくさんの命があふれていて、同時に多くの死もあって・・・・たくさんの死の経験からか、じっさいには感情を殺して客観的で冷静になることが一番大事だというのもあるだろうけど、・・・なんにしても、しかこの異常な状態をのりこえる冷たさが必要なんでしょうか。

たしかにいちいち死んでいくたびに心を痛めていたらおかしくなってしまう。

でも、あの救命士のように救えなかった一人の死がずっとまとわりついてきちゃうことだってあるわけで。

やっぱり命を大切にしているからこそできる仕事でもあるわけですね。

映像自体がすごくぶるぶるしてて、それが、おもしろい。異常な世界が普通になっている異常さを出している。なんのこっちゃ。

哀れみと不快さの葛藤か・・・いい言葉です。監督の言葉です。

カジュアリティーズ

2007年08月03日 | 映画 か行
カジュアリティーズ

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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ベトナム戦争の話。
アメリカの兵士が村の女性を拉致してレイプし、殺してしまいます。

エリクソンは、ベトナムを救いにきたと、この戦争を正義の戦争と思ってやってきたのですが、この戦争の現実を見るわけですが・・・

この戦争が正しかったか正しくなかったかという大義はとりあえず置いておいて、生きるか死ぬかのぎりぎりの状況で、人としての正しい道を選択できるのか、問われるわけです。

エリクソンは、抗議もしたし、その行動に参加しなかった。それは正しい行動です。ただ、それを止めることができなかったのは、やはり、軍隊の組織にいる人間には、それが精一杯の抵抗だったのでしょう。・・・この行動に出ることができるだけでも、すごいことだと思いますが、それこそ生きてかえれなくなってしまうのではないでしょうかね。

彼も結局助けられなかったという点では、本当に正義を貫けなかったわけで、そこに苦悩があるんでしょうが・・・たしかに、一緒に逃げるチャンスは何度かあったし、止める手段も無くは無かったのだと思いますが、じゃあ、それをしたらそのあと、彼はどうなるのか。ということですね。

戦争の中で、生き抜くためには助け合わなければいけない「仲間」の反感を買うというのは、死を意味するのだと思います。拒否したら、助けてくれなくなる。という不安で、言われるがままにレイプに参加した人もいましたがそれもわかります。

ある意味、殺せば殺すほど英雄になる戦争の中で、ベトナムの女性を一人を殺したことが殺人になるというのも矛盾した話で、この境界線はなんなのか。ベトコンが村に潜んでいる状況の中で、現場の兵士にとってはみんなが敵に見えるし、その敵の女の一人や二人、どうしようがそんなの関係ないじゃないか。という心理がはたらくのもわからなくもない。

ようは、戦争という行為そのものが、「人間性」と対極にあるのだと思います。

裁判の尋問(?)で、「あなたはレイプして殺したことをなんとも思わないのか!」とかなんとか、怒鳴っている人いましたけど、アメリカがおこした戦争自体を正義としておいて、この小さな出来事で人の道をいわれても・・・


午後の遺言状

2007年07月10日 | 映画 か行
午後の遺言状

角川エンタテインメント

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正直に言うと、よくわかりませんでした。裸の島をみたので、「老後」をかなりリアルに映してくれるのでは?と勝手に想像していた分、ちょっと間抜けな喜劇のような展開に戸惑いました。

・・まだ「老後」をどう生きるか・・・どのように死んでいくのか・・・が自分の中での課題になっていない分、理解できないところもあるのかもしれないですが・・・

絵的にもコントを見ているような・・・演劇を見ているような・・・特に別荘の食堂だけで基本的に話がすすめられていきますが、そこでも「演劇」的と思いました。セリフも結構演劇的。

古い風習の足入れ式(だっけ?)とかなんとか・・・すごい違和感がある。日本にこんな風習が本当にあるのだろうかと、信じられない気持ちでいっぱいです。あれって、やっちゃうの?って感じです。天皇家がなんだかの儀とかいろいろことあるごとに儀式を行うのを見て、男根挿入の儀とか女穴受入の儀とかテレビで生でやるんじゃないかとか勝手に考えて茶化していましたが、本当にそういう儀式があるなんて。天皇家じゃないけど・・・
日本の風習侮りがたし。

あの女の子、男の前で裸で平気でいられる神経に違和感を感じましたが、その違和感のルーツはそこになるのかなんなのか・・・よくわかりませんが、あの子だけ、違う世界の女の子に見えた。おいおい、そんな簡単に話とあまり関係なさそうな場面でおっぱい見せて、ヘアも見せて、どうしたの?って感じでしたもんね。それぐらい普通に素っ裸だったから、こっちも別にドキドキしないけれど・・・不思議な空間です。

音羽さんの「おらOOだ」みたいなセリフもかなり違和感があって・・・リアルさが無いというか、どこの人?って感じでした。「おら悟空!」っていうくらい、どこの地域訛りかわからなそうなかんじで・・・・わざとそういうリアルさを取っ払ったのかもしれませんが・・・。

あの凶悪犯の登場も、警察の登場も、リアルさとは違う不思議な感覚で・・・というか、全然リアルじゃない。意識的にそうしてるとしか思えないんですけど、何でそうしたのかが理解できない。

あの老夫婦。心中しちゃいますけど、少しずつ、そういう影を感じます。最後はもう、それしかないという予感をさせます。でも、あの2人にあたらしい思い出を刷り込んでおいて、その道を行くというのはなんというか、残された方はショックでしょうね。
2人にとっても「死」は他人事ではなくなってきているし・・・音羽さんの言うように、認知症というのも、他人事ではないのでしょうし・・・そういう中での出来事ですからね。自分のことのようにショックだったと思います。海のシーンはきれいでした。

じぶんは、そうはいってもまだ30代ですから、「死」というものは身近な存在という認識にはなっていません。でも、その年齢になれば、どのように死ぬかというのは、人生の大きな悩みなんでしょう。思春期に異性の事が気になってしょうがないのと同じぐらい、死ぬことへの悩みは大きかったりするのかも。なんて、わかりませんけど。
 
自分にとっては全然リアルと思えないあの世界は、観る人が観れば、リアルで身につまされる・・ということになるのかもしれません。

このえいがは、また10年後、20年後に見たら違う印象かもしれません。

人間は、確実に歳をとるんですね。

カンバセーションズ

2007年05月17日 | 映画 か行
「あなたになら・・・」が強烈過ぎて、あまり残らなくなってしまいました。

あなたになら・・・が、映像を想像させる映画とするなら、こっちは想像(記憶)を映像化する映画とでも言うんでしょうか。

簡単にいえば2人の男女の恋のかけひきです。もうちょっと詳しく言うと、女の方は旦那もいて子どももいる。男の方は彼女がいるようです。その2人は昔半年だけ結婚していた関係で、分かれて9年ぐらい立っているわけです。男の妹の結婚式がきっかけで彼女がニューヨークに戻ってきて・・・その結婚式から翌朝別れるまでを描いただけです。

あの2分割映像っていうのはいい表現のしかたと思えない。ずっとそれが続きます。男の視点と女の視点だったり、過去と現在という視点だったり、工夫しているのはわかるんですが、集中できないというデメリットのが大きいと思いました。
最後、別々のタクシーに乗った2分割のべつべつの映像を最後に同じ車に乗せているようにくっつけるというのはよかったですけど・・・

2人の心のゆれとを感じる映画です。

女性のおなかのちょっとしたたるみが逆にリアルでよかったです。

嫌われ松子の一生

2007年03月06日 | 映画 か行
嫌われ松子の一生 通常版

アミューズソフトエンタテインメント

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なんか・・・愛されたいよなあ・・・・
幸せってなんですかねえ・・・・
松子さんは幸せだったんですかねえ・・・
いろいろ考えちゃうな。人生について。

でも、一方でこの話でいろいろ考えるのがいやな気もする。

この微妙なところは、結果的に松子さんってどんな人?というのがよくわからないところもあるからかもしれません。
最後もひっぱりすぎな気もしましたし。

いっぱいいじくった映像や音楽。テンポもいいし、それなりに入り込んできます。でも、それなりに・・・なんです。深く入っていかないんです。

松子さんの不幸を演出するためにいろんなエピソードが後からくっついてきたような、そんな印象もあります。


最後のバットで殴られちゃうところは、結局これか・・・って感じで、その結末にはちょっと納得いかないというか、作り手のがわに乾いたものを感じちゃうところが残念ですす。・・・どう表現すればいいかわからないけど・・・
現実にそういう事件もありますし、それが間違ってるとかじゃないんだけど、それをやっちゃあおしまいよというか・・・救いがないというか・・・

最後、松子さんは救われたのかなあ・・・そういう解釈なのかなあ・・・

つらいなあ・・・こういう映画。

つらいことをこういう風に派手なプロモーションビデオのように描かれるとなんか・・・そんなんでこんな気分にさせやがってというところもありますし。何というか、こうすればこういう感情になるというのを計算されてその通りに踊らされた気分とでも言うのでしょうか。松子さんに情が移っちゃってるからはめられた感じです。

面白いけど面白くない映画でした。


狩人と犬 最後の旅

2007年03月02日 | 映画 か行
最初の空から谷を映した景色がすごい。それで鹿の群れがどどどどっと映し出されてそこで涙が出ます。涙が出たのは、決して眠いからではありません。しかも河が凍ってる!!

・・・そういえば、ウィーンに行く途中、ロシアを経由したんですけど、その途中の景色が本当に寒そうでした。景色が灰色というかなんというか・・・生き物がいなさそうが森が延々と続いていました。見た目で自然って怖いなあと思ったわけですけれども…

でも、これはロッキー山脈の話です。たしか・・・

大自然の中でぽつっとした狩人といぬぞリ。自然の大きさを感じます。人間の手の届かない神聖な場所のような気がします。だからそこに立ち入る人も、その自然とどううまく付き合うかという観念が自然に出てくるのだろうと思います。

時間の観念も人間社会のそれとはまったく違う、独特の流れがありました。

でも、時代の流れの中で、その神聖な者が破壊されてきているわけです。そして狩人も生きる場所を失うという厳しい現実があるようです。自然が破壊され、循環が壊され、人間自身が生きる場所を失っていくわけです。

眠い状況を我慢して観てたんですが、とちゅうでついに・・・寝てしまいました。でも、退屈な映画という印象はありませんでした。寒い雪の中を暖かい暖炉を前にして寝息を立てているようなそんな幸せな気分でもあったような…

今年で狩をやめるといいながら、なぜ家をつくったの?

そこに生きるしぶとさがあるし、彼の願望があるし、狩りや自然に対する愛があります。消えてなくなる存在と知りながら、そこでいき続けることを選択するのでしょう・・・

がんばれ狩人さん!
がんばれ大自然!
がんばれ地球!!
資本主義に負けるな!!
おまえもがんばれよ!!

寝といて何なんですけど、いい映画です。きっとそうにちがいない・・・・


狩人と犬、最後の旅 コレクターズ・エディション

ポニーキャニオン

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キンキーブーツ

2007年01月21日 | 映画 か行
オープニングでデビッドボウイの歌に合わせて女の子がハイヒールを履いて踊ります。なんか寒気がするくらいいいです。

ところがこの女の子と思われた子は、男の子だったんですねえ・・・というとちょっと違うかな?でも、そういうことです。

お話の中で、ローラにとってのお父さんの存在の大きさがわかります。どれだけ愛されたかったかもわかります。お父さんに喜ばれたくてボクシングに打ち込んだり、マッチョになったり・・・でも、本当の自分の気持ちは隠せなかったんですねえ・・・大人になってから同じ場所でハイヒールで踊りますが、やっぱりそこでお父さんの幻影に足を止められてしまうシーンはなんとも悲しいシーンです。

チャーリーも同じです。伝統ある靴工場の社長として、多くの従業員をまとめていたお父さんはあこがれだったんでしょう。そして、お父さんに喜ばれたい一新で工場の後継ぎになろうとがんばったのかもしれませんが、自分はそんな器じゃないことも自分自身よく知っているわけですね。従業員も知っています。

基本的にとんとん拍子でそこはハリウッド的成功物語な感じのところはちょっとそこまで盛り上げなくても・・・という感じもしましたが、まあ、それはそれで良しとしましょう。

ここで大事なのは、工場は物でなく人というところですね。今の人を物扱いする風潮がありますが、やっぱり、本当の意味で生産部門の仕事と言うのは、人間があってはじめて成り立つわけですから、それを安易に安い賃金でいつでも首が切れるような労働者で工場がまわり始めてしまったら、結局それは、その会社事態の首をしめることになってしまうのではないでしょうか。金のもうけ方が安易になればなるほど、自らの基盤を弱めることになってしまうような気がします。
技術の継承とかもそうですし、会社への愛着、誇りもそうです。
だから、期限切れの食材で商品をつくれるし、不良品を売りつけても平気になってしまうのでしょう。


彼女を見ればわかること

2007年01月12日 | 映画 か行
彼女を見ればわかること

日活

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昨日観た「美しい人」が頭から離れなくて、ついついDVDを買ってしまいました。

彼女を見ればわかること・・・・
最初に出てくる女性の自殺死体、そこから彼女のの何がわかるのか、心の奥底まではわからないのです。というお話でした。・・・違います。そんな話ではありません。でも、物語とは直接関係ない女性の死体がこの映画の象徴のように思えました。刑事の姉さんから聞いた話で推理する妹の言葉がとても切ないのです。

妹さんは最初は自殺なんかしてバカだ!と言っていましたが・・・きっと目の見えて仕事のできるお姉さんへの嫉妬を、自分が男の人とデートして見せびらかすことで優越感をもちたかったのだろうと思いますが、結局、捨てられたとわかったときに、一人で自殺した女性と自分が重なったのでしょうね。盲目の女の子の言葉はショックですよね。浮かれていた心を冷静に見透かされていたようで・・・

最初のお医者さんとか、刑事さんもそうかな?職場と家にいるときの別の顔ぶりが良いです。
銀行の人はある意味仕事の顔と家での顔は一緒だったのかもしれません。どちらも同じように心を閉ざしてそれで自分を守ってきたのでしょう。でも、そのことで自分が傷ついてしまっていたわけですね。悲しいですね。

みんな心が休まる場所を探しているのに、それを見つけ出すのは難しい・・・
占いや変なおばさんや子どもに一番の自分の気持ちを見抜かれちゃうというのも重要です。そういう心から頼れる人とか、自分の気持ちをわかってくれる人が近くにいないということだし。で、何のつながりもない人に言い当てられちゃうんだから。

きっと何度も観たくなる映画です。その時々でいろんな発見がありそうな気がします。

この映画も5つのお話から構成されています。でもちゃんとどこかでつながっているところは美しい人と同じです。

ここでやっぱり、人と人というのは、それぞれ知らないところでつながっていて、でも、つながっているだけではその人のことはわからないわけですね。

たとえば、コンビニのレジにいたかわいいあの子(なんじゃそりゃ)、買い物にいけば会えるけど、彼女は彼女の人生を生きてきたわけで、自分との接点はコンビニのレジだけなわけです。自分はその人の人生はわからない。そして、自分の人生のこともその彼女はわからないわけですね。
また、たとえば、一緒に暮らしている兄がいたとしてですね、同じ家で生活しているわけだから、ずっとながっているはずなんだけど、実はこころは重なっていない平行線だったりするわけですね。だから、相手の人生を見れる立場にいても結びつこうとしなければ相手のことはわからないわけですね。
さらに、たとえば、あの薬屋で薬を選んでいたきれいな女の子が、実はコンビニの女の子と知り合いだったなんてこともありうるわけです。実はそこの薬屋のおじさんは自分のお父さんだったり・・・
事実としてはそういうつながりはあるけれど、自分の人生にとって、それは何の関係もないことなんです。あとで重要な関係になるかもしれませんが・・・
人間のつながりなんてそういうものだということですね。

それぞれの人が心の安らぎを求めていて、信頼しあえる心をゆるせる相手を求めているんですねえ・・・そして俺も求めているんですねえ・・・

あと、ところどころででてくる意地が悪いところもいいです。人間はすべてがいい人なんていないし、意地が悪かったり欠点や弱いところがあるからこそ、その人が見せる本音の部分が美しく感じるような気がしました。光あるところに影というか、影があるからこそ光が鮮やかになると言うか・・・なんでもいいか。

そういう、人と人とのつながりの面白さを感じることができる話です。

薬指の標本

2007年01月10日 | 映画 か行
原作は小川洋子さんという人らしいです。

炭酸工場の事故で薬指を落としてしまった女のひと。炭酸のビンの中に薬指が入って標本の一丁上がりというわけですが、そういう話ではありません。

そこの職場をやめて港の近くに住み、舟で街に出て標本づくりのお手伝いをするわけです。標本の技師と変態的というか、閉鎖的な恋愛をするわけですが・・・その閉鎖的な感じがとてもいいです。
標本は誰に見せるわけでもない、ただ保管するわけです。で、依頼者は、捨てられないけど、自分から切り離したい物をもってくるわけです。

女の人がきれいです。裸もきれいです。でも男の人はいきなりズブッて・・・まあ・・・

それで、その変態技師に靴をプレゼントされてそれをずっと履き続けろって言われてその通りにするわけです。その女の子がその恋愛にはまっていく姿が靴に象徴されて、あるとき、靴磨きの叔父さんとのやり取りがいいです。おじさんは靴を脱がないと縛られたままの人生になってしまうから靴を標本にしなさいって言うんですけど、女の人は縛られていたいわけですね。

彼女は何を標本にしたかったか・・薬指の事件が心の傷なわけですが・・・、でも、最後は靴を脱いで・・・靴を標本にしたのか・・・と思ったら・・・靴をおいて・・・・はい、おしまい!

というわけで、フランス映画です。フランスの女の子の声はいいですね。フランス語がいいのかもしれない。韓国の女の人の声もいいですけどね。

泊まっているホテルと職場に行く船着き場を行き来するときに使う橋のシーンがなんかいいです。

グッドナイト&グッドラック

2006年12月18日 | 映画 か行
グッドナイト&グッドラック 豪華版

東北新社

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白黒で当時の雰囲気を出すためなのでしょう。昔の白黒映画を観たときと同じ雰囲気があります。なんとなく風景の広がりがないというか・・・そういえば、室内だけでお話が進んでいます。

別に共産主義擁護のお話とか、そういうことではありません。ただ、真実と正義に忠実であること、それがジャーナリズムの精神だと、言いたいだけだと思います。

それを時の権力はつぶすわけですね。共産主義のレッテルを貼って。

共産主義そのものの見方が偏見に満ちているとは思いますが、それでも、アメリカ国民として、自由と正義を貫く姿勢こそがアメリカ国民にとっての誇りであったのでしょう。その思想はなんら共産主義に負けることはない。だから、謀略によって封じ込めることではなく、思想、論争で対決すれば必ず勝利できるという確信があったのでしょう。
だからこそ、彼らは、理不尽に立ち向かったわけです。

最後の言葉は現代のテレビ報道の状況をみても重いです。
「もしテレビが娯楽と逃避のためだけの道具ならもともと何の価値もない・・・テレビは人を教育し啓発し心さえ動かします・・・だがそれはあくまで使う者の自覚次第です・・・それがなければテレビはメカのつまったただの箱なのです」

いま、うちのテレビはアンテナをはずしてしまっていますので、みることはないんですが、テレビが国民に与える影響を考えたときに、このままでいいのか、考えてしまいます。
先日教育基本法の改悪案が成立しました。その前の日に、委員会で強行されたときに職場でテレビをいくら回しても、そのことについてふれているチャンネルはありませんでした。その翌朝の新聞の一面も、そのことを重大問題としとりあげている記事はありませんでした。

さすがに成立してからは一面トップを飾っていました。成立してしまえば、世論に対して責任を負わなくて済むからだとは思います・・・

そういえば、古館さんが報道番組で石原知事のトーキョーワンダーサイトの問題をとりあげた後に、正確な言葉は忘れましたが、なんか報道がみみっちくなって、政治のあり方とか、そういう本筋の報道が少なくなってきたように思います・・・みたいなことを言っていましたが、その報道に携わっている本人が言う言葉じゃないと思いました。石原知事の都政私物化の問題はそんな意地汚いみみっちい男がちょっとそそうをしたみたいなちっちゃいことではなくて、そういうことに矮小化しないで、きちんと、都政のあり方、税金の使い方、政治の本筋としてその問題を検証するのが報道の役割だと思います。

だから、報道番組なんかに問われるわけですよ。一つ一つの問題をきちんと権力やスポンサーの思惑から番組を切り離して真実のみに忠実で公正な立場で報道できるかが。日本のマスメディアの状況はそうなっていないのが現実です。

映画の話に戻りますが、タバコが気になります。番組でタバコをすいながらやるというのもある意味すごいことです。


火山高

2006年12月16日 | 映画 か行
2003/11/29 01:33

火山高に転校生が来た

最初は、ああ、こんなの借りちゃったよ。止めちゃおうかな・・・などと思いながらみていたらいつの間にか夢中になってみてしまった。
なんか、炎の転校生みたいですよね。
アクションが意外と面白い。
役者もそれぞれの味を出していて結構いいのではないかと思いました。
そして何といっても剣道部の部長がかわいい。目がきりっとしていて同じ表情。ああいう子に学生服着せたらもう・・・それをみるだけでも、途中で止めるのもったいないですよね。私の大好きな服が水にぬれるシーンもあるし・・・いや、健康的な映画だからいいんですよ。
作り手の一生懸命さが伝わるメイキングもはいっていて、なんか、みんながんばったんだなあと思いました。
でも、せっかくがんばるんならもっといい話でがんばってほしいなあ・・・ともちょっと思った。せっかくかわいいのに・・・(またかい!)
ところで、剣道部とか柔道部とか出てくるけど、韓国では、そういうの盛んなのでしょうか?学生服も日本のに似ているけれど、向こうの人も学生服なんて着るんでしょうか。無国籍風にするために日本的なところも出したのか、日本を視野に入れて日本の学校を調べてつくったのか、韓国の学校がそもそもそういうところなのか。ちっともわかりません。

コール

2006年12月15日 | 映画 か行
2004/01/07 07:10

子どもが誘拐された。裕福で幸せいっぱいの家族に突然の大事件!実は・・・

題名を思い出すのも大変な映画でした。

被害者のだんなと奥さん、子どももなんか気に入らなくて感情移入することも出来ないし加害者にも何も感じるところがない。子どもを医者に殺された復讐とたいそうなことをいいつつ、やることはきちんやっているし・・・

恐いところもない。犯罪者よりも奥さんのほうが何をするのか恐かった。

家に帰ってたそがれ・・・を観てしまったら、今日映画館に行っていたことも忘れてしまいそうだった。

最近の映画って少年漫画の雑誌みたいに中途半端な脱ぎっぷりだと思いませんか?なんか隠すなら最初からそういうシーンにしなければいいのにと思ってしまうのですが、どうでしょうか。することは昔よりも過激なのに・・・
ストーリーと関係ないところにつくるほうの事情で余計な力がかかっているように見てしまうのは、見るほうには邪魔なだけですよね。


GHOST IN THE SHELL

2006年12月15日 | 映画 か行
2004/01/11 22:32

よくわからないがネットは広大だ!

はじめてみたんですが、理屈っぽくて難しい。あまりアクションも派手というわけでもなく静かに、ただ静かに話がすすんでいく。話はすすんでいるのかどうかもよくわからない。何がどうなっているのかわからない。

しろうまさむねは友だちがすごい好きで甲殻機動隊のマンガも読ませてもらったような気もするけど、何の記憶もない。こんな話だった?という疑問だけが残っていて、でも、違うかどうかもぜんぜんわからない。

マトリックスの原型がここにありそうな気もするが・・・・