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唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

レ・ミゼラブル

2013年05月13日 | 好きな映画・良かった映画
革命の物語です。
見終わった後のこの体の疲れ。しかし、心には革命の炎が燃え上がりました。
革命と人と人との愛。どっちを取るかではないのです。革命は愛です。心です。そうでなくては革命は無意味です。
もう一度見るにはかなりの決意が必要です。多分、もう一度見ようと思うには何年もかかるかもしれませんが、心の火をともしてくれた映画でした。

最後の群衆のシーンは圧巻でした。涙で顔中びちょびちょになりました。

愛のお話。革命のお話。神のお話でもありました。

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約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯

2013年02月22日 | 好きな映画・良かった映画
約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯 - goo 映画

現実は残酷です。

50年以上経って、一日も早く帰ってきてほしいと願う母親の願いも虚しく母親は亡くなってしまいました。そして、息子さんも先に亡くされています。事件のあと、息子さんと娘さんはそれぞれ別の親戚あずけられて家族がバラバラにされたまま今に至っているわけです。話の中で子どもたちが面会に来る場面はなかったので、親戚が近づけさせなかったのか、子どもたちが父親と距離をとってしまったのか・・・・。母方の親戚だと思うので、娘(きょうだい)を殺された犯人と思えばそれは仕方のないことかもしれません。

しかし、自白だけを証拠として、他の証拠はすべてひっくり返っているのに、再審することができないのは何ででしょうか。この映画では裁判所のタテ社会を問題にしていますが、事実だけが判断材料にならなければならない場所で、こんなことが今だに許されていることに腹が立ちました。

映画の中で、元裁判官が、「こんなに裏切られても・・・まだ裁判所を信じようとする」と涙ながらに話していましたが、そこは正義が貫かれなくてはならないはずの場所で、庶民は公正に裁かれていると信じるしかない、そこにゆだねるしかない・・・現実はそうなっていない悔しさがあふれたものだと思います。

「しぶとく生きましょう」と約束した面会人の人が亡くなったあとに、「しぶとく生き抜いてやる。死んでたまるか!」と、狭い運動場でほえた仲代さんの迫力はすごかったです。

なんか外の映像がテレビドラマっぽいなと思っていたら、東海テレビで放映されたものらしいですね。

仲代達矢さんと樹木希林さんの演技がすごすぎでこの映画の枠の収まりきらなくて逆に違和感を感じてしまいました。
子どもの言わされてる感満載の演技がつらい。


東京家族

2013年01月25日 | 好きな映画・良かった映画
東京家族 - goo 映画

東京家族を見に行ってきました。前半は結構淡々と進んでいきますが、後半は結構泣きました。いろいろよかった場面があります。名作には印象に残る名場面があるんですよね。

誰にでもありそうな「あるある」な場面がたくさんあります。
子どものいじけ方、はしゃぎ方、あいさつの仕方なんか、あんな感じだったよなあ・・・と思わせるし、2回にこもってる兄弟に、親戚の叔母さんが「こっち来なさい」みたいなセリフいいますが、あれも、あんな感じだよなあ・・・と思わせる。
肉親が死んだときの悲しみの表現の仕方もそれぞれに違っていて、ストレートに大泣きして「何で逝っちゃうの!?」みたいなことを叫ぶ人や受け止めきれずにただボーっとしている人(自分がそうでした)。悲しみの表現の仕方はそれぞれなんですよね。どれがよくてどれが悪いかでなく、それぞれの表現の仕方なんですよね。

胸から上を固定して人にセリフを言わせたり遠目から茶の間の風景を見せるところなんかは意識してそうしたんだと思います。特に最初の方は淡々と流している感じがしました。劇的に変わるのは末っ子が結婚相手を紹介してからでしょう。それからの展開は涙涙・・・また涙でした。

見ていてふと思ったのは、「息子」に似ているなあ…ということです。親と子の関係もそうですけど、広い家で背中を丸めてつめを切っているお父さんの姿とか、いろんなところが「息子」を思い出させます。

「息子」では親子は理解しあって終わりますが、今回はそういう風には描いていません。船の上での末っ子と彼女のやり取りで(形見にもらった時計を落とさないように祈ってました)、親父がほんとにそんなこと言ったのか?と顔をこわばらせてクビをひねるところが印象的でしたが、たとえ親子でも、相手のことを理解しあうことは、結構できないモンです。それは、それまでの付き合い方がそうさっせるのだけれど。でもこの方がリアルです。

ふと思ったことがほかにもあって、母親の記憶、父親の記憶は、同じ兄弟でも結構違ってることです。打ちの兄と話したときも兄貴しか知らない両親の記憶、自分しか知らない両親の記憶があることを感じたことがありますが、それもこの映画でふと感じたのです。

いろいろ感じる映画というのはいい映画だということですね。

日本はこれからどうなってしまうのか・・社会のあり方、家族のあり方を問う場面がありますが、この映画の終わり方は決して絶望ではなくて、若い人たちに未来を託している気もしました。

役者さんもすばらしい演技で、みんなよかったです。





アルゴ

2013年01月10日 | 好きな映画・良かった映画
アルゴ - goo 映画

実話に基づいた映画ということです。当時はカナダ政府が助けたということでアメリカの関与は伏せられていたようです。
アメリカがどうとか、イランがどうとか抜きにして、この脱出劇はすごい。ドキドキです。特に最後の空港からイラン圏を出るまでは本当に心臓バクバクでした。
これだけ当時の雰囲気を出すというのも大変だったと思います。エンディングのところで実際の写真と今回の映像の比較がでます。ドキュメントっぽい撮影もこの映画の場合はとてもよかったです。

このリアルな脱出劇の面白かっただけに、最後の最後でアメリカ的な英雄の映画になってるのはちょっと残念。

詳しいことはわかりませんが、この映画を見ている限りでも、そもそもアメリカが傀儡政権をつくったことに問題があったんじゃないの?と思っちゃうわけです。だけど結論はアメリカ偉いって雰囲気が少し臭ってて、それがなんとなく気になります。

アーティスト

2012年10月04日 | 好きな映画・良かった映画
アーティスト - goo 映画

こういう映画好きです。
落ちぶれた主人公、それを支えたいと思う女性。でも、その行動がストレートに伝わらずにプライドを傷つけ余計にみじめに感じられて…そして彼女から離れて行ってそれで今度は女性が傷つくみたいな。でもよく考えたら、それは男の側からみた論理かもしれませんが。役者さんって大変ですね。

音の使い方がとても素晴らしいです。
トーキーが主流になった時の恐怖が音で表現され、そして最後の場面で声が出たときの何とも言えない雰囲気。
やはり時代が移り変わり、新しいものに変わっていくのは仕方ないことですが、本当に声が映像から出るというのはその後の映画を変えた革命だったんですね。
その後の変化、たとえば3Dとか、CGとかは、その時の大きな変化ほどのインパクトはないのかもしれません。3Dだからなに?CGだから何なの?って感じですもんね。


プロメテウス

2012年08月28日 | 好きな映画・良かった映画
ぜったいみたい映画でした。すごい期待してました。エイリアンをいまの技術で作ったらどうなるか。みる前からそわそわ落ち着かない感じで。子どもの頃はこういう感じでわくわくして上映を待ってたんだよなあ…なんて思いました。

期待通りでした。ギーガーさんのデザインや、宇宙空間や宇宙船やカートなどの乗り物、何もかもがぴったりはまった感じです。ウェイランド社って、あの会社ですよね。エイリアンにつながる位置づけを持っているのでしょうか。
あとでエイリアンの最初の方を見たら、敵の宇宙船はまさにあの宇宙船でした。
またこれからエイリアンシリーズが始まるのか、それともあらたに、創造主とのコンタクトシリーズみたいなものになるのか。どっちの方もみてみたい。

これってエイリアンじゃん!というのを肯定的に喜べる人はいいけれど、がっかり否定的にみてしまう人もいると思います。いまの映画とテンポが違うし。40歳以上の人向けかも。自分的にはこの作品のエイリアンっぽさは期待通りで興奮しました。

あと、この映画では「神」がテーマです。創造主が宇宙人であっても十字架を手放さない、そこはロボットの人は理解できない。
この創造主の宇宙人が人類を何度か同じように人類をリセットしようとする行為は、旧約聖書での一連の人間への罰と重なるし、これから人類を滅ぼそうとする理由はなんなのか。とても面白くなってきますね。

手術シーンはものすごい緊迫してよかったです。
ただ、あの焼けた人が強くなって我を失って暴れたシーンは映画の雰囲気をぶち壊した気がしました。

映像がきれいでリアルで素晴らしい。
3Dの効果もいままで見た中で一番活かされていました。(大してみてないけど)

ロボットのような娘さん、ロボット的な美しさがたまらないです。
人間に似せたロボットもむかしのデビッドボウイみたいで美しいです。

日本よ!これが映画だ!って感じですかね。

パッション

2012年06月14日 | 好きな映画・良かった映画
パッション

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三浦綾子さんの本を読んでまた観たくなったので観ましたが、やっぱりすごいです。何度観ても重苦しい。大工だったころの身軽さや教えを説くシーンの穏やかさが別人のように、悩み、苦しみ、痛めつけられている、そんなイエスをずっと見せ付けられます。苦しみつつも、なぜあれだけ神に忠実でいられるのか、人に対して愛を向けられるのか、考えてしまいます。

自分はできないですよ。人に傷つけられて、ああ、この人はこういう人なんだと切り捨て、その人とまともに口を利く気にもなれないし、毎日がつらいとなんで自分だけが?と思ってふてくされちゃうし、長々だらだらした会議なんかに出ちゃうとすごいイライラしちゃうし、これはよく言われますが、小さい人間なんですよね。でも、その感情はなかなか拭い去れない。拭い去ろうという努力もしてないですけど。

イエスは死ぬことによって自分の存在意義を示したような気がします。磔にされるまでのあいだに、何度も助かる道はあったけれど、自分が死をもって背負わなければならないものを自覚していたのでしょうね。あえて生きるという選択を自ら無くしていった気がします。苦しくてもつらくても痛くてもイエスは死ななければならなかったのでしょう。

今回も、母親が床に飛び散ったイエスの血をぬぐうところと、十字架を背負って倒れるところで子どものころとオーバーラップするところなど、母親が出てくるところで涙が出てしまいました。
あと、金具のついた鞭であばらのところが引き剥がされるシーンは思わずうなってしまいました。

人間のおろかさを象徴するように、鞭打ちで傷つく人がいても笑っていたり、酒に酔いながら十字架を運ぶイエスを痛めつけたりする兵隊たちがいますが、それは、その場にいない人たちも、その後、時を越えて現代に至っても、世界の戦争や紛争、日本でも今の政治で苦しめられている人たちがいる中でもそれを知らずに傍観している自分たちのようにも思えました。

映画を観ただけではわからないのは、ユダが裏切り者とされるところで、ただイエスの居場所を教えただけだと思うんだけど、そのときのイエスは、別に隠れていたわけではないだろうに。ユダが教えなくても、どの道そうなったような気がするのです。そこのシーンだけでなく、もっと最初の計画の段階から、深く関与していたということなのかもしれませんね。三浦さんの本では民衆を恐れてかなり秘密裏に裁判なんかもやられたらしいので、いついつの夜中にイエスを捕まえて、民衆を組織して、裁判をやって刑を執行してもらうという短時間で事を運ぶためにかなり綿密に計画されていて、計画は最初の段階からユダが関わっていたということなのかもしれません。

DVDの付録でQ&Aを読みましたが、旧約聖書にでてくるメシアの到来が、イエスだとするのがキリスト教で、メシアはまだ訪れないというのがユダヤ教・・・みたいな事を書いてありました。インターネットで見たら、イスラム教は、モハメッドもイエスも預言者で神の名前がアラーという神なんだそうで、もともとのルーツは一緒なんですね。
 
そんなこんなで、いろいろ勉強になりました。

三浦綾子さんの本には預言者は予言者じゃないよって書いてありました。預言者とは神の声を語る人みたいです。
ユダヤ今日の人が自分の服をびりっと破くところとか、片耳を切りおとすところとか、砂に線を引いて云々するシーンとか、ロバにまたがってるシーンとか三浦さんの本や安彦さんのマンガを読んだところがでてくると知った気になってうれしくなります。あくまで知った気で、ここに書こうとすると、また自分の知識の無さが邪魔をして、うまく表現できなくなってしまいますが。


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2010/7/20
よかったとか、いい映画とかいうより、すごい映画です。

映像でうったえるという点で、この映画はすごい力を持っています。
最初のシーンからイエスはこれから起こることに恐怖し、おびえています。
そして、なぜ神は私を見捨てたのか嘆きもします。安彦良和さんのイエスでも、苦悩するイエスは印象的でした。
この映画を見てあらためて、イエスの人間らしい弱い部分に感動します。安彦さんがあとがきで書いているからその影響がつよいですけど・・・

弟子に対しても、裏切り、救おうともしない態度は、心の中では、うらんでいたかもしれません。自分にそれまで寄せていた忠誠はなんだったのかと。それは彼が求めたものでなく、一方的に押し付けられた忠誠だったとしても、いや、そうであればなおさら、利用されていた自分を感じてしまうのではないかと思うのです。
あの、忠誠を誓うペドロに「私を3度知らないというだろう」というシーンはドキッとするシーンですが、それは預言者としてすごいということでなくて、弟子に対する不信というか、言葉の軽さに対する苛立ちを感じるのです。言わずにいられなかったというか・・・
最初のシーンも、自分がこんなにつらい思いをしているのに、平気で寝ていられる弟子への苛立ちにも見えます。

人間の社会の中で、人間の汚い部分を人一倍感じることができ、その世界を嘆きながらも、それらを救うために、純粋に神の御心にわが身をささげる姿が、人間としてとても尊敬できる姿なのではないかと思ったのです。
悟りきった超人が何の迷いもなく死んでいく物語だったら、自分は感動しないと思います。
苦悩しながらも、自分の信念、正しいと思う道をすすむ、それがたとえ自分の死の道だったとしても、その死に向かう恐怖におびえながら、苦しみながら、それを全うする姿に感動するんだと思いました。

神を信じない立場からの感じ方ですが・・・

そこで疑問が出てきます。
イエスが死んだあと弟子によって広げられたキリスト教は、イエスの教えを忠実に守ったものなのか。イエスを利用して自分の利益のために弟子たちが都合よく作り上げてしまった可能性もあるのかな・・などと思いつつ・・・
でも、友達が言ってました。弟子たちも時の権力に殺されてるらしいですね。

みながら、弟子たちを嫌悪してしまう感情が沸きつつも、それが人間なんだよなあ・・・とも思ってしまいます。イエスが愛した人間の姿なのかもしれませんね。自分がその状況になったときに、どういう道を選択するのか。いくら崇高な理念を並べ立てていても、そのときになってみないと、人間の行動はわかりません。だからこそ、イエスの選ぶ道が感動させるわけですが・・・

あと、その中で美しいのが女性ですね。
母親の愛も感動です。磔られたあとに、「婦人よ」といったのは少し寂しい気がしましたが、イエスの使命がそうさせたのだと思いますが・・・
自分の生んだ子はほかの誰とも違うのに、それは、人間のエゴで、人類みな兄弟みたいなことを言ってのけちゃうんだから。いや、ヨハネに「母親を頼んだよ」ということなのかもしれませんが・・・

もうひとつ、最後の復活のシーンは必要だったのかが疑問でした。
自分にとっては、人間イエスの物語としては死ぬまででよかったのですが・・・
でも、実は、キリスト教にとっては、この「復活」が重要らしいです。よくわかりませんが・・・

今回はいろんな知識がある友人と見たので、それまでの感想よりも、ちょっと進歩したかな?
まあ、いろいろ考えさせられました。仕事が始まるのでこの辺で・・・


2006/12/15

自分は無神論者ですし、聖書のことも歴史的なことも知らない人間なので、その教え自体が正しいかとか、史実に合っているかとか、そういう事は抜きにして一人の人間が無実の罪を負わされて、何らかの政治的な思惑も絡んで命を落としたという話というだけで、かなり重いテーマであると思います。

一番心に来るのは母親の子に対する愛情です。十字架を落として倒れる時に子どものころとダブりながら走り寄るシーンは見ていてつらいものがあります。

キリストの目がこわい。目の色が恐い。傷つけられた体が恐い。回想シーンできれいな顔のキリストが出てくるので、それと見比べてまたまた恐くなる。何を考えているのかがわからないのもちょっと恐い。

最初から最後まで目をそむけたくなるようなシーンの連続ですが、画面から目が離せなくなってしまいます。

お母さんも傷ついていく息子の姿はみていられないでしょう。でも、最後まで見届けます。それがお母さんです。たぶん・・・・

あのムチは反則わざです。でも、そういう拷問の道具が事実としてあったということに人間の恐ろしさを感じます。そして、それは2000年前の過去の話ですといえない現代の世界でも同じような人間の狂気があるわけです。

でも、一方で、正しい心や理性は、2000年分成長しています。そこに希望をみたいと思います。

教育基本法が今日変えられました。これは日本の歴史の逆流であり、権力の力によって理性や正しいものを押さえつけられた結果なわけですが、いっぽうで、なぜそこまで世論を無視して急いで成立させなければならなかったのかを考える必要があります。本当に正しい法案であったら、ゆっくり時間をかけて審議すればいいのを急がざるを得なかったところに安倍内閣の基盤の弱さというか大義のなさを感じたわけです。

そして、じゃあ、通してしまったらそれで喜んでいられるか・・・そう簡単ではないと思います。無茶をすればそれだけ反発は大きくなると思います。そして、火種は必ず大きク燃え上がります。チャングムもきっと這い上がってくれるでしょう!

パッションの話でした・・・

・・・またあと一年はみたくない・・・・


2005/08/07 03:45

キリスト教のことは知りません。信じてもいませんし・・
キリストが何を皆に教えたのかもわかりません。正しいかどうかも知りません。十字架にかけた人たちがキリストの何に憎しみや恐怖を持ったのかも知りません。
この物語には、キリストが何をしてきたのかは描かれていません。つかまってから磔にされて死ぬまでが描かれているだけです。

この物語は、人間が描かれており、人間の社会の構図が描かれていると思います。

キリスト教が本当に正しいかどうかは別として、「正しい」ことが必ずしも社会の大勢とならないし、正しいものが迫害を受け、それを貫くには、まさに命をかけなければならないことがあるということを感じました。
体制は力によって大衆の思想をコントロールできてしまう。その思想的な支配によって体制を維持するわけです。

そして人間は環境によって、人間をさげすみ、残虐になることができることも思いました。この映画でショックなのは、キリストを磔にしたのは、大衆でもあるというところですね。

人間の強さ、弱さ、やさしさ、冷酷さ、この12時間にいろいろなものが凝縮されているような気がしました。

ストーリーは最初から同じテンポで進んでいきます。でも、退屈にはなりません。重苦しい感じがどんどんのしかかってくるような感じでした。

鞭打ちのシーン、十字架を担ぐシーン、釘を打たれるシーンは、もう、凝視するしかないって感じでした。(・・・っていうか、目を背けろよってかんじですか?)

この物語の面白さは、基本的に神が出てこないところだと思います。奇跡も起きないところ。(まあ、地震がおきて、手に穴のあいた人が立ち上がったりはするけれど・・・)人間が人間によって殺されていく姿をただ描いているところだと思います。


コーマ

2012年06月01日 | 好きな映画・良かった映画
コーマ [DVD]
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ワーナー・ホーム・ビデオ


古い映画です。その映像のべったり感が怖さを増幅させます。
恋人さえも信じてくれない状況の中で、ひとりで命がけで巨悪に立ち向かう姿がすばらしい。見所もたくさんあって、曇りガラスの向うの裸体とか、エアロビシーンとか、窓から顔を出すところとか、はしごのパンチラとか、でも、いちばん美しいと思ったのは、手術室に向かう前の意識がもうろうとしながらも、真実を伝えようとする姿です。

マイケルダグラスさんは本とこの女の人を馬鹿にしているのかと思うくらい理解を示そうとしない。最後の最後で一生懸命走りましたが、それまでは本当にいらいらする男でした。しかし、もう体制側に組み込まれていると思っていたので、最後の行動は驚きでした。

たくさんの人間が釣られて保管(?)されているシーンはとても印象的でした。床ずれの心配がないといってましたが、支えてるところは相当後が付き添うな気がしました。
みんな裸なのも見所ですかね。

子どものころに映画館に行くと、入り口の階段のところとかに映画の写真が張ってあって、上映する前までその写真を見てどきどきした感覚を思い出させてくれました。

殺し屋に襲われそうになったとき、講義室に隠れていて、見つかりそうになったらあっさり顔を出すところが良かったです。あのまま見つかるよりもたしかに割り切って逃げた方がいいですもんね。

車への八つ当たりも面白かった。あれだけ激しくたたくとは。

ミッション:8ミニッツ

2012年04月08日 | 好きな映画・良かった映画
ミッション:8ミニッツ ブルーレイ+DVDセット
クリエーター情報なし
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社


この映画面白いです。
展開が、先が見えそうで見えなくて、絶望しかないなとおもいきや希望で終わってくれているし。
とても満足できました。
それは、役者さんのおかげでもあると思います。
主人公もだけど、女性2人がとても良いです。
2人ともタイプは違うけど、両方好みです。
こんな連続の8分間で劇的な恋愛です。
最後のキスシーンであそこで時間が止まっちゃったところがとてもロマンチックで美しかったです。死に行くものの最後の輝きみたいな美しさです。
しかも、しかも、それで終わらないところがうれしいところです。
最初のどうにもならない絶望感から、こんな展開にしていくなんて。

上の写真、モナハンさんの胸のお豆が気になります。すばらしい写真ですね。

チーム・バチスタの栄光

2012年03月22日 | 好きな映画・良かった映画
チーム・バチスタの栄光 - goo 映画

竹内さんのかもし出す空気がいいです。なんかいやされます。

で、手術失敗したときの崩れるところとか、最後の患者さんに励まされてないちゃうところとか、もらい泣きしてしまいます。

最初は死んだ3人の例が、ただの書類上の結果で、3人という数字だったものが、手術をまじかで見て、目の前で人が死ぬ・・・しかも、その前に一人の「人」として印象付けられるから、さっき言った手術を失敗したときの彼女の同様と言うか、泣き崩れるところはその1人という数字が死亡するということがどういうことなのかを感じさせてくれます。そういうところはうまくできています。

お医者さんにとっては、毎日毎日そういう患者さんを見てたりするんだから、ある程度割り切りは必要なんでしょうけどね。人の死にいちいち傷ついて落ち込んでいたら医者なんて商売やれないかもしれません。(これはわかりませんけど・・・)

チームのそれぞれの人がいろんな経歴というか・・・利害関係というか・・・性格もそうですが・・・最初に聞き取りをして、一定こういう人というのを決め付けてくれたのも、その後の話の流れをわかりやすくしているような気がしました。

真実が明らかになっていくところも結構面白いです。
厚労省役のあべさんがまわりの空気を読まず、動揺もせず、勝手に突き進むところに結構安心感があります。この人、こんな役が多いのかな?

ありがちな・・・というか、さいきんのTVドラマっぽい感じがします(TVみてないですけど・・)。出演者の顔ぶれのせいでしょうかね。

犯人とか、看護師さんとか、記者会見のシーンとか、もうちょっと何とかなんないかなあ・・・というのはありました。

なんにしても、最後まで結構楽しく見ちゃいました。
好きな映画・良かった映画・・・というよりは、飽きさせない映画・楽しい映画というほうがあてはまるかな?

2008-09-04 12:03:12

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小説が面白くて、また映画を観てみたくなり…
あらためて見ると…
小説の流れを期待しちゃうとやっぱり薄っぺらいですね。
主人公のキャラクターを変えてしまったので、かっこよさが出てこないし、男女のこともちょっと薄れちゃうし。
犯人も薄っぺらい。登場人物みんなが薄っぺらくされちゃってる。
しかし、映画単体としては面白い映画にできてるとも思うのだけれど…
やっぱり、小説の面白みを再現できているわけではないですね。


チーム・バチスタの栄光

TCエンタテインメント

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オジー降臨 (God Bless Ozzy Osbourne)

2012年01月13日 | 好きな映画・良かった映画
God Bless Ozzy Osbourne [Blu-ray] [Import]
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Eagle Rock Ent


オジーオズボーンの生い立ちからいまに至るまでのまでのドキュメント。
その人生は山あり谷ありで、中いつ死んでもおかしくない状態だったり、下手すると歌手生活を断念しなければいけないような犯罪を・・・実際に奥さんの殺人未遂までおこしちゃって。
酒や薬によって、家族の崩壊…でも、いまはそれを乗り越えたみたいで、シャロンさんが「成長した」と言っているように、いまは穏やかみたいです。
本当にそれが続いてほしいですね。

ブラックサバスがオジーを切らなければいけなかったのにも、オジーがそのころ酒とドラッグでどうにもならない状態だったからのようですね。トニーは最初からオジーが嫌いっぽいけど。

でも、オジーにとってはブラックサバスから切られてしまったのは、相当ショックだったのでしょう。また酒とドラッグの日々。

それを救ったのはシャロンであり、そしてランディーローズだったのかもしれないです。
ランディーローズの貴重な映像もみることができました。とおもったら、いきなりあの事故。
ランディが活動した時間は本当に短かったんでしょうね。通しで見せてくれる映像観たことないですもんね。
2枚アルバムがつくられただけでも奇跡のような気がしてきました。2枚目を無理してつくってなかったら、ランディーの作品は1枚だけだっただろうから。
オーバーザマウンテンのライブ映像が出てきますが、ギターのところが出てきません。セットはたぶんそのままだったんだろうけど、ギタリストはブラッドギルスだったのかもしれません。

ランディがどっかの新人賞を受ける映像が流れますが、なんかはにかんでてランディーってやっぱりいい人なんだなあ…と思っちゃいましたが、「これで終わりたくない」みたいなことを希望を持って話しているのがそのあとの悲劇を思うと胸が締め付けられます。

月に吠えるからのPVをつまらなそうに見るオジーですが、その頃の記憶があまりないみたいです。ずっと酩酊、ラリってたからでしょうけどね。記憶がないだけじゃなくて、思い出したくない感じです。ビデオの陳腐さだけでなく、その時の自分の置かれていた精神状態から振り返りたくない時代だったのかもしれません。
その時期のギタリストのジェイクがなんだかかわいそうですが…。オジーがそんな感じだと、ジェイク自身もいい思いをしてなかったかもしれません。

ザックになってから、何となくいい感じに回り始めたような気でいましたが、実際は大変な状況だったとは・・・。

最初の方のところで、労働者階級という言葉が出てきます。自分の出身を普通に労働者階級という言葉が出てくるのはすごいですね。ジューダスプリーストのドキュメントでも労働者階級という言葉を使っていましたが、やっぱり、出身階級の自覚を持っているのは日本と違います。

オーケストラ!

2012年01月01日 | 好きな映画・良かった映画
オーケストラ! スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]
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Happinet(SB)(D)


ロシア人うるさい!もっとまとまれや!と、何となくいらいらしながらみていましたが、最後のコンサートのシーンは、感動です。
音楽の持つ力に圧倒されます。
演奏によって告白するというシチュエーションも素晴らしいと思いました。音楽がすべてを語ってくれる。真実を教えてくれるのだと思いました。

ソ連のブレジネフ時代に、ユダヤ人の排斥みたいなことがあったんですね。その時代に演奏を中断させられてバラバラにされた人たちが30年の時を超えて最後まで演奏をするというのもいいです。

「共産主義ソ連」に翻弄された人たち・・今でもその時の傷跡は深く残っているのかもしれません。
実際、ソ連の崩壊が、それがマルクス、共産主義の否定となってしまっていると思うし、それは、日本の外からソ連を見るのとは全く違って、恨みというか、否定的な感情も深いものがあると思います。ロシアは、そういう意味では、前にも後ろにも行けない国になっているのかもしれませんね。

ソ連から追い出され、今のロシアからも相手にされない人たちの、コンサートという一瞬だったけれど輝きです。この人たちにとっては大きな宝物ですね。

それにしても、あの女の人、きれいだったなあ…

2010-12-22 23:26:12

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最後以外は、もっとまじめにやれ!と思ってしまいます。
ハチャメチャ過ぎる。
あんな無意味にめちゃくちゃにしなくてもと思いつつ…

あの共産党の人も、自分の大きな夢を持ってパリに来ているわけですが、その夢はフィリポフの夢をかなえるために捨てました。いや、実はこの人もフィリポフの音楽を愛していて、それを実現することが本当の夢だったのかもしれませんが。だけど、それならこんな展開にはならんだろうな。
そんな偽装しないで、単独でパリに行けばいいだけのことだからね。

何にしても、一人ひとりの個性が団結して一つの音楽をつくりだす、これこそがコミュニズムだみたいなセリフはぐっときますね。ただ、周りの連中見てたら説得力はないけどね。

アンヌマリー(でしたか?)ジャケさんの戸惑いの表情、ちょっとムッとした感じが美しい。最後の演奏の時にも、2人がいないのを見て、またかよ!って目をしますよね。あれもすごくいい。
それと、最初にフィリポフをみるあの表情も素敵です。あこがれの人にあえた喜びを表情で見せてくれます。
それに比べると、演奏の時の顔がちょっと引きつった感じになっているのは、やっぱり指を動かしているからなのでしょうか。何であんなにそれっぽく見せることができるのかな?もともとバイオリンとかやってたのかな?
演奏の後のおなかに手を当てながら泣いていて、その手をフィリポフの胸にあてるシーンも泣けます。コンサートの中での告白。謝罪の言葉に涙してるって感じが良かったです。
食事で、自分は代用品じゃないと、中止しようというところもいいし。
もしかしたら、映画そのものが、このジャケさんがいなければ成り立たない、協奏曲みたいな作りをしているのかもしれません。

しかし・・・やっぱり危なっかしい映画だ。

2011-01-03 21:21:58

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去年は3日に見たんですね。
しかし、今日の地震は驚きました。
また3・11が来たのかと思いました。
粋なるバリバリバリって感じでゆれだしましたもんね。
こわいこわい。

そんな中で、たぶん4度目のオーケストラですが、アンヌマリージャケの美しさを見れるだけでもいい映画です。
つんとしていて、でも愛を求めていて、最初にフィリポフさんに会ったときの、作り笑顔がいいんですよね。探っている感じが。憧れの人に会った喜びと緊張が伝わってきます。だから、食事をしたときの幻滅も大きくて。結果的に自分の存在を否定されたようにも感じたかもしれません。

そこからの最後の演奏ですからね。ヴァイオリン協奏曲の中にこめられたフィリポフの思い、お母さんの思い、そしてジャケさんの思い、演奏という告白の中ですべてが結びついて重なり合い・・・
あんなにツンとしていたj彼女の顔が、だんだん柔らかくなっていくんです。

何回見ても泣けてきます。
ヴァイオリン協奏曲の中にこめられたフィリポフの思い、お母さんの思い、そしてジャケさんの思い、演奏という告白の中ですべてが結びついて重なり合い・・・まさにこれがオーケストラ。これが本当のコミュニズム!

今回はじめて気がついたんですけど、第一楽章だけをやってたんじゃないんですね。

電人ザボーガー

2011年12月09日 | 好きな映画・良かった映画
電人ザボーガー - goo 映画

みました。とうとう見ちゃいました。
観たくてたまらなかった割にいざとなるとめんどくさくて足が向かない…
たまたま新宿に用事があってそのついでに頑張って観ちゃいました。
頑張ってって・・・何を頑張ったかというと、時間をつぶすのに頑張りました。
上映は21:35だったのですが、用事が済んだのは1時だったので、マネーボールを見て、ベルリンフィル3Dをみて、マンガ喫茶でキャプテン翼を読んで、時間をつぶして・・・
なんだか、ベルリンフィルから涙がとまらなくて。左目だけ。こんなに目を使ったことないから悲鳴をあげているのかもしれません。

電人ザボーガーって、子どものころに観て、頭の中の隅の奥の深いところで眠りこんでいましたが、あるとき、そう言えば人面バイクのやつあったなと思いだし、電人ザボーガーの記憶が少しずつよみがえってきて…友達に自慢げにこんなのあったんだよなんて言ったりしていて…でも、レッドバロンとかスペクトルマンとかキョ―ダインとか、その辺のやつと明確な区別がつかないあやふやな状態ではありましたが。ユーチューブで電人ザボーガーの話を見て、とても面白がって観たのは数か月前。そういえばレディガガのアルバムジャケットもザボーガーかよ!なんて突っ込み入れてみても誰も若手もらえない。そんなときに映画をやっていると聞いて、もう気持ちが高ぶって仕方がなかったです。
いま見るとチープで笑えるところを生かして、みごとにおもしろい映画にしてくれました。

この間のリメイク作品はリアルさ追求とか、新たな解釈みたいなことやって、ことごとく失敗してますが、やっぱり、作品への愛情って、こういうところで出ちゃうんじゃないでしょうか。

前半の大門豊がとても迫力があって、素晴らしかったです。無駄な気合の入りようがとてもすばらしい。昔の特撮ものとか見てると、すごい演技してますもんね。それを、いまふうにするんじゃなくて、あの時のありえない演技をそのまま映画にもって来ちゃったような単純な演技。結局、前の作品を肯定してつくるか、否定してつくるかなのかもしれませんが。

板尾さんは、何となく、人の0.2秒タイミングを遅らせて鋭いことを言うイメージの人なので、前のめりの大門豊にはちょっと合わなかったかもしれないですが、それでもいい味出してました。板尾さんらしい笑いもあって…

ミスボーグがいい味出してます。演技も割り切って思い切って声を張り上げてて、それがすごく好感持てて、好きになっちゃいます。この女優さんはチェックしなきゃ。
あきこもよかったです。セーラー服がまたいいですね。

出てくるサイボーグたちがまた面白いんだけど、最後のエンドロールのところでみんな昔のテレビのやつで出たやつだったことがわかって、またうれしくなったり。それでまたザボーガーが好きになっちゃう。

ストーリーも良かったです。
観終わった後になんかすごくやる気になっちゃいましたもん。
すごくつらかったり理解されなくても、落ちぶれてもダメ人間になっても、それでも必死に生きることの大切さを学びましたよ。
あと、ジーパンがなにかと動きやすいことも大事なところですね。
無理して観てよかったです。

DVD出たら絶対買います。
また見たい!また行っちゃおうかな。

マイティ・ソー

2011年10月27日 | 好きな映画・良かった映画
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気絶したり、眠らされたり、地球に来てからのゆるーい感じがすごく面白いです。
何度も笑わせてくれました。

弟さんがただの悪人なのがちょっと残念でした。まあ、原作や神話がそうなのかもしれないですけど、物語としては、兄弟愛が最後にババーンと出た方が盛り上がったと思います。最後はただの小悪党ですもんね。

浅野さんを含め、4人の戦士がもうちょっと出番があるとよかったですね。

いろんな映画とつながっているみたいなので、また続きが見られそうですね。
楽しみです。