唐茄子はカボチャ

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東京家族

2013年01月25日 | 好きな映画・良かった映画
東京家族 - goo 映画

東京家族を見に行ってきました。前半は結構淡々と進んでいきますが、後半は結構泣きました。いろいろよかった場面があります。名作には印象に残る名場面があるんですよね。

誰にでもありそうな「あるある」な場面がたくさんあります。
子どものいじけ方、はしゃぎ方、あいさつの仕方なんか、あんな感じだったよなあ・・・と思わせるし、2回にこもってる兄弟に、親戚の叔母さんが「こっち来なさい」みたいなセリフいいますが、あれも、あんな感じだよなあ・・・と思わせる。
肉親が死んだときの悲しみの表現の仕方もそれぞれに違っていて、ストレートに大泣きして「何で逝っちゃうの!?」みたいなことを叫ぶ人や受け止めきれずにただボーっとしている人(自分がそうでした)。悲しみの表現の仕方はそれぞれなんですよね。どれがよくてどれが悪いかでなく、それぞれの表現の仕方なんですよね。

胸から上を固定して人にセリフを言わせたり遠目から茶の間の風景を見せるところなんかは意識してそうしたんだと思います。特に最初の方は淡々と流している感じがしました。劇的に変わるのは末っ子が結婚相手を紹介してからでしょう。それからの展開は涙涙・・・また涙でした。

見ていてふと思ったのは、「息子」に似ているなあ…ということです。親と子の関係もそうですけど、広い家で背中を丸めてつめを切っているお父さんの姿とか、いろんなところが「息子」を思い出させます。

「息子」では親子は理解しあって終わりますが、今回はそういう風には描いていません。船の上での末っ子と彼女のやり取りで(形見にもらった時計を落とさないように祈ってました)、親父がほんとにそんなこと言ったのか?と顔をこわばらせてクビをひねるところが印象的でしたが、たとえ親子でも、相手のことを理解しあうことは、結構できないモンです。それは、それまでの付き合い方がそうさっせるのだけれど。でもこの方がリアルです。

ふと思ったことがほかにもあって、母親の記憶、父親の記憶は、同じ兄弟でも結構違ってることです。打ちの兄と話したときも兄貴しか知らない両親の記憶、自分しか知らない両親の記憶があることを感じたことがありますが、それもこの映画でふと感じたのです。

いろいろ感じる映画というのはいい映画だということですね。

日本はこれからどうなってしまうのか・・社会のあり方、家族のあり方を問う場面がありますが、この映画の終わり方は決して絶望ではなくて、若い人たちに未来を託している気もしました。

役者さんもすばらしい演技で、みんなよかったです。






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