ドリーム 2(セカンド)

長坂徳久が語る夢教育(ときどき日常)

育夢学園通信 Power No.33~34

2006年07月24日 22時57分14秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

発行日 2006年5月31日(水)   発行・文責 長坂 徳久

 【3つの幸せ①】  

 乙武洋匡さん(“五体不満足”の著者)の生き方を考えることを通して、人の幸せについて考えた。

 この学びは大切なことなので火曜日、水曜日共に3週にわたって取り組んだ。

 (1週目)「車椅子に乗っている乙武さんの写真」をスマートボードに映した。

発問『この写真を見て、わかったこと、きづいたこと、思ったことをノートに箇条書きにします。』(この時点では乙武さんのことは何も説明しない。)

 五分後、全員に指名なし発表をさせた。その後、はじめて乙武さんについての説明を行った。今の子どもたちの大半は乙武さんのことを知らないようだった。そして、語りをいれ、ヘレンケラーの言葉であり、乙武さんが著書の中で書かれている、「障害は不便だけれども、不幸ではない。」という言葉を教えた。そして、感想を書かせてこの日は終了した。

(2週目)先週の学びを深めるために、次の発問をした。

発問『乙武さんのように、両手、両足の不自由な人。手足は健康だけれども、       目が見えずに、耳も聞こえない人。どちらが大変だと思いますか?ノートにどちらかを書いて、理由も書きなさい。』

 どちらも大変だということは子どもたちもわかっている。しかし、このような、究極の選択をさせることで、子どもたちの思考は高まり、深まる。 

 そして、両者に分かれて、指名なし発表を行わせた。火曜日、水曜日ともにほぼ、半々に分かれた。理由もしっかりしたものだ。ちなみに、発表する前に自分の意見をまずノートに書かせることが大切。そのことで全員が発表できるようになる。   

 このドリームコースも、もう少ししたら、「指名なし討論」ができるようになっていくだろうと思っている。

 (3週目)

 以下のような授業を行った。

発問1 『あなたは乙武さんを幸せだと思いますか? それとも不幸せだと思いますか?』

幸せだと思うか不幸せだと思うか挙手させ、どうしてそう思うのか理由を簡単に聞いていく。

発問2 『では乙武さんがどのように生きてきたかみてみましょう。乙武さんが生まれて、お母さんと初めて会う時のことです。乙武さんが生まれたとき、病院や周りの人はお母さんが自分の子どもを見てショックを受けるといけないと思い、1ヶ月間会わせないようにしていたそうです。胴体にジャガイモがコロンとくっついているような体でした。一ヶ月後とうとう初めて会う時が来ました。病院では気絶して倒れるかもしれないとベッドまで用意したそうです。さて乙武さんのお母さんは、乙武さんを初めてみた時、その最初に何と言ったでしょうか?』 

考えた人から起立させる。指名して考えを聞いていく。ネガティブな意見が多かった。

説明1『「かわいい」と言ったのです。まわりの心配をよそに乙武さんのお母さんは「かわいい」と言ったのです。1ヶ月も我が子に会えなかったのです。手足がないという驚きよりも、やっとわが子に会うことができたという喜びの方が大きかったのです。乙武さんは、この第一印象は自分にとってとても意味のあることだと言っています。』

発問3『手足がほとんどないという乙武さんができたことは次のうちどれでしょうか。以下を順に聞いていき、できると思うことに挙手させた。 ①字を書く ②スプーンを使って食べる   ③歩く    ④階段をのぼる ⑤トイレで用を足す  ⑥鉄棒をする ⑦友だちをつくる ⑧ボールを投げる ⑨ドリブルする ⑩泳ぐ  ⑪長なわとびをとぶ ⑫ラブレターをもらう ⑬着替える ⑭ けんかに勝つ 意見はそれぞれに分かれたが、みんな真剣に考えていた。

 【3つの幸せ②】

(前号からの続き)

説明2 『乙武さんは、先ほどのあげた中のほとんどができます。鉄棒はジャングルジムの一番低いところでやっていたそうです。幼稚園の頃から友だちがたくさんいて、人気者でした。水泳にも挑戦しました。練習の結果6m泳げるようになりました。長なわにも挑戦しました。特訓のすえ、34回も飛べるようになったそうです。でもできないこともあります。トイレで用を足すことと着替えることなどです。またできるということでも、人よりも時間がかかってしまいます。』

子どもたちには、「ほとんどできる」ということが予想外だったようで、「えっ~」という驚きの声が出た。特に、水泳と長なわのところでは、「すごーい」という声がみんなからあがった。

発問4 『乙武さんのクラスでは、乙武さんとドッジボールをする時どんなルールをつくったと思いますか?』

説明3 『乙武さんがボールを持ったら、クラスのみんなは3m以内に近づかないと      いけないというルールをつくったのです。そうすると乙武さんもボールを当てることができました。野球の時でも、ボールが内野を越えたらホームランというルールがありました。乙武さんの「おと」をとって「おとちゃんルール」と呼ばれていたそうです。』

 この「おとちゃんルール」というネーミングを知っている子ども達がいた。学校の道徳の教科書に載っているそうだ。しかし、中身までは知らなかった。

発問5 『乙武さんが小学校1年生の時、担任の高木先生は学校の中で車椅子を禁止にしました。なぜでしょうか?』 。

説明4 『担任の高木先生は、乙武さんを特別扱いしたくなかったのです。みんなに何でもしてもらって甘えた人間になるのをふせぎたかったのです。もう一つは、車椅子にのりっぱなしになると筋肉が衰えて、自分で動けなくなってしまいます。筋肉をつけるためにも車椅子を禁止したのだそうです。でもおかげで、乙武さんは自分でできることをふやし、いろいろなことに挑戦するようになったのです。これも高木先生のおかげであると今でも感謝しているそうです。』

語り1『人の幸せには3種類あると言われています。一つは「人にしてもらう幸せ」です。赤ちゃんの時、のどが渇けばおっぱいをもらい、おむつが濡れればおむつをかえてもらます。これはとても幸せなことです。二番目は、自分で「できるようになる幸せ」です。自転車に乗れるようになる。鉄棒ができるようになる。わり算ができるようになる。自分でできるようになるとうれしくなります。これができる幸せです。でもその上があります。それが「人にしてあげる幸せ」です。人が喜ぶ姿を見るというのはとても気持ちのよいものです。いいことをしたなあと自分の心がとてもはれやかになります。これが「人にしてあげる幸せ」です。乙武さんはどうでしょうか。お母さんや友だちから「してもらった幸せ」があります。自分でできるようになった幸せも持っています。そして「障害者の暮らしやすい社会をつくる」という第3の幸せに向かって努力しています。』

語り2 『乙武さんは『五体不満足』という本の中で次のように言っています。「いくら地位や名誉があったところで、まわりから嫌われていたら、そんなにつまらないことはない。つまり、お金や地位や名誉があってもいい人生とは限らないのだ。他人、社会のために、どれだけのことができるのか。まわりの人にどれだけ優しく生きられるのか。どれだけ多くの人と分かり合えるのか。どれも難しいことではあるけれど、これが実践できれば、ボクの人生は幸せだったと胸をはれる気がする。」そして、この本のあとがきにはこう書いてあります。「障害は不便である。だけど不幸ではありません。」

発問6 『乙武さんは幸せですか? それとも不幸せですか?』

全員が「幸せ」だと手をあげた。

指示『今日の感想を書きなさい。』


育夢学園通信 Power No.32

2006年07月20日 23時23分00秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

発行日 2006年5月24日(水)   発行・文責 長坂 徳久

【運動の「要」(かなめ)、トランクとは?】  

   身体の使い方が日本で一番うまい人は誰だと思いますか? 

坂東玉三郎 

だと私は思っています。

  育夢学園では、「スピード・パワー・柔軟性(バランス+柔らかさ)」を養う、【SAQトレーニング】を取り入れています。

・S=スピード  (直線のスピード) 

・A=アジリティー(動きの切り替えし(ドリブルなど)のスピード) 

・Q=クイックネス(止から動への一瞬のスピード)。 

そして、私たちがこのSAQ以上に注目しているのが、「トランク」(胴体理論、トータル・トランク・ムーブメント理論)と呼ばれるものです。 胴体理論は、故・伊藤昇先生(少林寺拳法六段・元支部長、飛龍会代表)により確立されました。坂東玉三郎はこの伊藤先生から多くの指導を受けたのです。(ただし、坂東玉三郎の実力は、伊藤先生をもってしても指導以前から秀逸だったとのことです。) 胴体理論を簡単に説明すると次の理論です。

①人間の動きで一番大切なのは「胴体」の動き。車にたとえるとわかりやすい。足・・タイヤ  手・・ハンドル  胴体・・エンジン

②胴体の動きは次の3つに集約される。

(1)丸める・反る

「丸める・反る」とは、「骨盤」を丸める・反るということです。脚を後ろに振り上げたときに骨盤は、反ります。蹴りだしたとき(前に出したとき)に骨盤は丸まります。この丸める・反るがよくなると、下半身(脚・足)の動きがよくなります。具体時には、「走ること」「サッカーのキック」「武道の蹴り」など。

(2)伸ばす・縮める

「伸ばす・縮める」とは、片方のわき腹が伸び、反対のわき腹が縮んでいくこと。伸ばす側は肋骨と骨盤が引き離されていく。上半身(手・腕)の動きがよくなります。具体的には、「投げること」「手で打つこと」「武道のパンチ」など。

(3)捻り

「捻り」とは、股関節を境に、胴体と下半身が逆ねじりになります。このことであらゆる動きの「パワー」が発揮できます。「打つパワー」「投げるパワー」「蹴るパワー」など。  

  このような胴体の身体操作を重視して指導しているところは、近辺では育夢学園以外では、岸田先生(岸田整骨院院長)の「ココ・クラブ」や五條のボディーステーション「ゴルジ」(岸田代表)ぐらいでしょう。(岸田先生が指導されているバレーボールチームや関連のサッカーチーム、その他もトランクをやっています。)その他のスポーツ指導の現状はまだまだ、手がどう、足がどうと「枝葉」の指導に終始しています。断言できます。

  胴体理論(トランク体操)をマスターすれば、

・運動の出来ない、苦手な子でも「人並み以上」にはなれます。

・運動のできる子は、「チームや団体でトップクラス」になれます。

・チームでトップクラスの子は、「全国で通用する」レベルになれます。

・お父さんの「ゴルフ」のレベル、お母さんの「掃除」のレベルも格段に上がります!(笑)

   少林寺拳法橋本西支部では、このトランク体操を稽古の中で一番重要視しています。それは、ある時期からこのトランク体操を取り入れたことで次の点が変わったからです。

①みんながよりうまくなった。(みんなが伸びた。)

②支部内でトップクラスの拳士が、国内でトップクラスの拳士となった。

  育夢学園「橋本総合運動スクール DWF」では、この胴体理論とSAQトレーニングを柱に体育・トレーニング指導を行っています。 ※DWFとは、Dream・World・Futureの略です。


育夢学園通信 Power No.31

2006年07月20日 00時11分17秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

発行日 2006年5月23日(火)   発行・文責 長坂 徳久

【作文がうまい子は?!】

   作文が上手な子には、本好きが多いといわれています。長坂もそう思います。では、どうすれば本好きになるのでしょうか。それは、まずは「幼児期の読み聞かせ」を通じて本好きになり、そのまま読書習慣が身についたという子が多いのです。

  では、なぜ、本好きの子が作文上手になるのでしょうか。それは、読書を通じで大量にインプットされた表現が身につき、書き言葉としてアウトプットされるからです。これを、脳科学の観点から見てみましょう。 人間の記憶には次の3つがあります。

 (1)知識記憶  情報としての記憶。受験勉強のほとんどはこれです。

 (2)経験記憶  個人の思い出。失恋、出会い、成功、失敗など。

 (3)方法記憶  体に染み付いた物事の手順。ボタンの留め方、自転車の乗り方、   泳ぎ方など。一度身についたら、しばらく忘れられない記憶。

  人は、新しい情報、面白い情報を得たくて本を読みます。(ただし、消費型の読書で時間つぶしに読書をする人もいるでしょう。) 子どもが本を選ぶ視点はここにあります。読書好きの子は何度も同じ本を読みます。または、読書好きの子には、好きなシリーズや作家ができます。いったんはまると好きなシリーズを読みつくします。または好きな作家の作品を読みあさります。(特に中学生や高校生にはよくある。)読み始めた当初は、情報が知りたくて、面白くて読んでいたはずなのです。しかし、一旦好きになると、その作家の本は中身もみずに手に取り熱中するようになります。その作家の文章に陶酔するのです。そして、その本から、作家の文体、言い回しをシャワーのように浴び続けることになります。やがて、作家の文体が口をついて出てくるようになり、それが作文からにじみでるようになります。子どもは、そんな表現を使おうなどと意識していません。自然に出てくるのです。作家の言葉、文が身に染み込んだといえます。つまり、一度身についたら、忘れることのない記憶=方法記憶です。方法記憶は一度身についたら意識しなくてもできるようになります。体が自然に動くのです。方法記憶は、あまりにも強固です。学習もスポーツも生活も間違ったこと、癖のあることを身につけてしまうと、そのあとで正しいフォーム(型)に修正しようとしてもなかなかできません。(言葉づかいの悪い保護者に育てられた子どもの言葉づかいは悪いというケースはよくあるそうです。) 読書好きの子の表現力は、大量の時間と大量の文字情報から培われています。ですから、是非、読書習慣をつけてあげてください。

  読書習慣を今からでもつけていく方法はありますが、紙幅の関係でそれは後日書きましょう。なお、20歳までに読む習慣ができないと、まず一生読まないということも聞いたことがあります。 育夢学園・ドリームコースでは、月一の作文授業で子どもたちに作文の表現力をつけようとしています。

  作文指導は次の二点が必要です。

①作文のレトリック(技法) 

②表現力

 月1の授業でも子どもたちは大きく変わってきています。しかし、それを毎週実施したら、どんなにすごい力をつけることができるのだろうか・・。そう考えて実施するのが、ドリーム会館での新規作文コースです。今は、高校受験だけでなく、中学受験でも作文が重視されています。それの一助になればという気持ちもあります。しかし、多くの塾やその他で教える作文は、受験のための「レトリック」を教えることが大半ではないでしょうか。私は、そんな「技術だけの死んだ文章」は書かせたくありません。本を出している観点から、文書は「感性」だと私は思っています。だから、私は、人の頭に残る文章ではなく、心に残るような文章を書けるような子どもたちを育てたいのです。文章を書くことは、人間の心を育て、豊かにします。いい文章が書けるようになれば感性が磨かれ、心が豊かになります。そして、他人の心も豊かにすることができます。「生きた文章を書ける」・・そんな感性を持った子どもたちを育てます


育夢学園通信 Power No.30

2006年07月18日 22時44分33秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

発行日 2006年5月16日(火)   発行・文責 長坂 徳久

 【月例回答より】

   「利き脳の話はおもしろいです。子供達は2人とも右腕が上の左脳派だったのですが、これから鍛えたら、左腕が上に変わるのでしょうか・・利き腕は変わらないものだから脳も変わらない?」

(長坂)『利き脳はあくまで「どちらが使いやすいか」というもので、どちらの脳も使っています。だから、利き脳は変わらないかもしれませんが、トレーニングで右脳が発達すると、バランスのいい「全脳型」になりますね。右脳には大量に記憶する力、瞬間に判断して処理する力があります。たから、少し人間離れした感覚になります。長坂は右脳派なのですが、自分でなるとほどと思うのは、アイデアや企画が自然と湧き出てくることです。少林寺拳法の各行事でも演出や企画をすごくほめていただきますが、これらもすべてひらめきでで出てくるものばかりです。』

「5月10日(水)のことですが、ドッヂをした(ボールは使わないやつと言っていましたが・・・)と汗びっしょりで帰ってきました。市のドッヂボール大会が近いだけに喜んでいました。」

長坂『ボールを使わない、ドッヂボール・・・これは「ドッヂビー」のことですね。ドッヂビーとは、フライングディスク(いわゆるフリスビー)を使ってドッヂボールをします。また、安全性確保のため、フリスビーのようにプラスチックではなく、やわらかい生地でできているものを使用しています。利点は、ドッヂボールのように、一部の子が活躍するのではなく、投げるのはコツさえつかめば誰でも簡単に投げられるのでみんな楽しめます。そして、運動量が多い。また、いま、水曜日二部や少林寺拳法中高生の間では、「アルティメット」という競技を教えて、流行らせています。これをやった生徒たちは、もうはまりまくり! そういう、長坂もはまっています! 普通のボールと軌道が違うので、すごく難しいのです。アメフトとバスケを混ぜたようなルールです。次回の保護者講座で体験してもらおうかな・・』

 「ゴールデンウィークのときは、ジュースを買って頂き、ありがとうございました。「女が勝ったのに先生は男にも勝ってくれた」と嬉しそうでした。」

長坂『5日(水)は、連休で生徒も少なく、遊び的な授業を多くしました。その中で、フルーツタッチゲーム(英語の学習ゲーム)で「男vs女」をしました。「勝ったほうにジュースを買ってあげる。」といいました。女の子が勝ちました。女の子たちを連れて近くにジュースを買いに行きました。「本当に買ってくれるとは・・」とやたら感心していた女の子もいました。それで、「男の子の分も買っていってあげよう!」と言って買いました。またまた、その女の子が感心していました。(笑) こういう指導方法は学校の先生にはできない(立場的に)ことですね。』

「5月9日(火)に二人の家庭訪問がありました。○○を2年間受け持ってくれた□□の担任の先生が、兄弟で性格が全然違うと言っていました。○○は、いちかばちか一発勝負的なところがあるのが、□□は、マイペースでコツコツまじめに努力するタイプとの事でした。授業参観でも上は、大きな声で、あっている間違っているに関わらずバンバン発言していたのに対し、下は、自信のあることにのみ小さく手をあげている感じでした。少林寺拳法で少年部に2年間在籍した差が出だしているのでしょうか・・。」

長坂『少林寺拳法少年部での二年間は大きいでしょうね。長坂はすぐに正解の出る発問をしません。だから、間違うことのほうが多くなります。しかし、正解がでることのほうが稀ですから、間違うことが恥ずかしくなくなってきます。そんな子どもたちのためには、長坂はこういいます。「発表は金。間違うことはダイヤモンド。だって、その子が間違ったら、ほかのみんなが「あれは間違いなんだな」と気づくことができるでしょう。だから、間違ってもいいから発表することはみんなのためにもなるし、自分の勇気もつく。だから、ダイヤモンド!」 

あとは、ドリームコースでも小学生は、「指名なし発表」をよくさせます。あるテーマを与えて、全員が発表しなくてはいけないようにしています。だから、そんなところでも「発言する力」はつけてきていると思います。 

最後に、兄弟姉妹で性格などが似ているというケースは長坂にはほとんど記憶にありません。同じご両親から遺伝子を受け継いでうまれてくるのに違う・・それが個性。では何が違うのか?。それは「魂のレベルと質」でしょう。つまり魂の個性が違うのではないでしょうか。(また、なんか怪しいこと言いましたか?・笑) それと、本当のお子さんの姿を一番知っているのはご両親です。長坂を含め指導者、教師は、その子を分析して「あーだ、こうだ」といっているに過ぎないのではないでしょうか。ご両親の目に映るお子さんの姿を一番大切にしてあげてください。』


育夢学園「ドリームコース」通信 Power No.29

2006年07月17日 22時59分49秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

発行日 2006年5月9日(火)   発行・文責 長坂 徳久

 【右脳のお話】

   左脳は言語脳ともいわれます。意識的に言語によって思考したり記憶したりする脳です。それに対し、右脳はイメージ脳といわれます。無意識にイメージで思考したり、大量記憶する脳です。 

  右脳が機能しなくなると、ことばを理解し話す能力はありますが、感情豊かな表現など、非言語面での能力が失われます。一方で、左脳が機能しなくなると、話す能力は失われますが、非言語的能力(感覚的・空間的・創造的・イメージ的能力など)は変りません。 

   たとえば、人との会話で、聞いたことばの意味をそのまま理解するのが左脳で、声の調子・表情などを察知するのが右脳です。 

  右脳と左脳がバランスよく開かれてこそ、本当の意味での‘思考力’といえます。ひらめきなど直観的思考と、ことばでの論理的思考との相互作用が大切です。 

  右脳は超能力的であるという面もあり、論理的に説明がつかなかったということからも、その働きが詳しく論じられ重要視されてきたのは、歴史的にはまだまだ浅いですが、右脳の働きであるということが詳しくわかる、ずーっと以前から非言語的な能力の創造性を育てることの大切さは、いろんな教育者たちが、示してきました。 

   右脳・左脳のどちらかに偏るのではなく、直観的に右脳を使って活動をしても、それを左脳でことばに表わすことが大切になってきます。 

   現在の教育は左脳を働かせることに関しては一生懸命で、右脳については、左脳が邪魔をして、なかなか、完全に左脳を休ませて右脳だけを働かせるというのが難しいとされています。 

  そこで、言語による思考を全く取り除いた「無」になること、「無」になった上で、直観的判断で大量な記憶をうめこむこと、そういう右脳だけを働かせる特別な‘右脳教育’と呼ばれるものがクローズアップされてきたのです。 右脳は、歳とともに「閉じます」。七歳でほぼ閉じるといわれています。しかし、おとなでも訓練、トレーニング次第で右脳は開発されます。みなさんのお子さんたちならまだまだ大丈夫です。頭でっかちで、過去の形式やマニュアルでしか生きられないような人になりますか? お子さんをそんなおとなに育てたいですか?想像力や感性が豊かで、いつも笑顔で過ごす人になりませんか?

【ミニ知識】

 ①あなたは右脳派?それとも左脳派?

    まず、腕を組んでみてください。どちらの腕が上になりますか?人には利き腕と同様「利き脳」があります。腕を組んでみたとき、どちらの腕が上に来るかで、その人の利き脳、つまり左右のうちよく使っている脳が分かるんです。右腕が上に来る人は左脳の働きがよく、論理的で判断力に優れているタイプ。一方、左腕が上の人は右脳の働きがよく、直感的で創造力に優れているタイプといわれています。

②右脳と左脳の役割分担 

右脳 左手の運動 音楽感覚 空間構成 

左脳 右手の運動 計算処理 時間連鎖的思考

③男女の脳の違い 

男性は女性に比べ右脳が発達し、女性は左脳が発達していると言われています。これは、男性が立体に対する空間認識に優れ、女性が言語能力に優れていることを示しています。本能や情緒行動をつかさどる細胞の数は男性の方が多く、女性の脳は歳をとっても男性より萎縮しにくいといわれています。

④日本人の脳の不思議 

日本人に洋楽と邦楽を聴かせ、左右のどちらで聴くかを調べた面白い研究があります。その結果、ヴァイオリン、ピアノなどの西洋楽器の音は右脳、尺八、琴などの和楽器の音は左脳と聴き分けていたのです。また虫の音も、欧米人が単なる音として右脳で捉えるのに対し、日本人は“風情”として左脳で感じるとか。「わび・さび」という言葉がこの国に生まれたのも、納得できますね。

⑤脳と利き手の不思議右脳から出た命令は、延髄で交差し、左半身の筋肉に伝え運動を起こさせます。左脳は逆でこの結果、右脳からの命令が多いと左利き、左脳からの命令が多い右利きとなります。赤ちゃんの時点では、まだ右利き・左利きがなく、3歳頃から自然と決まってくるようです。

 

 


橋本西支部 道場通信ドリーム No.562・No.563

2006年07月14日 23時19分01秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

発行日 2006年6月29日(木)   発行・文責 長坂 徳久

 【2006年県大会終了・・・!】 

 今年も熱かった県大会が終わりました。皆様方に感謝いたします。 今年は、小学団体は、K支部がとてもいいということは当初からわかっていた。また、中学団体は、うちもいいのはわかっていたが、B支部がさらにいいのもわかっていた。

 さて、今年の橋本西支部は、K支部、B支部というライオンに向かっていくウサギだった。しかし、「ウサギでもライオンに勝てる方法がある!」・・という思いで、必死でみんなとがんばってきた。そう、最初から勝てる可能性は正直少ないとわかっていた。だからこそ、逆に「なんとかして勝ってやろう!この子らに勝たせてやりたい!」と思ってたたかってきた。 しかし、あと一歩及ばずというくやしい結果に終わった。本当に拳士たちは素晴らしかった。そして、楽しかった。だからこそ、もっと今のメンバーと一緒に団体演武の稽古がしたかった。 

 なぜか、今年ほどくやしかった年はない。今までは負けても、こんなにくやしいと思わなかった。それがなぜかを考えてみた。 

 勝てないとわかっていながら、ライオンに挑んだウサギのくやしさなのか。いや違う。彼らはあの日、ウサギではなく、同じライオンにまで成長していたのだ。だから、こんなにくやしいのだろう・・・・。

※小学、中学共に団体演武は、優秀賞(二位)で、全国出場を逃しました。

 まずは、小学、中学の団体の保護者感想です。 

【中学団体保護者感想】

◎Mです。帰って来るまでは何事も無かったようにしてましたが、家に着くなり自分の部屋に閉じこもって、かなり泣いているみたいでした。今まで大会に出てもこんな事は初めてです。何も声を掛けずにしばらくしたら、何事も無かったように出て来て夕食をお疲れ様を込めて大好きなのを作り食べました。かなり悔しかったのを実感しました。これを忘れず又稽古するでしょうから、今後とも宜しくお願いします。またありがとうございました。

◎こんにちは。Uです。昨日は、大会に引き続きお風呂まで連れていって頂きましてありがとうございました。昨日の車の中 Y君も一緒だったので自然と団体の話になってMは、先生に「くやしくないか?」て聞かれた時は、「精一杯やったんで くやしくないって言うたけど、なんかごっついくやしなってきたわぁ〓」と言ってました。二人で「演武は間違ってなかって完璧やったし 構成もよかった。これで負けたんやったら 後は、個々のレベルを上げるしかない〓」と話てました。今年は、中学最高学年なんで少し責任感が 出てきたのかなぁと思い嬉しかったです。これからまた、紀北 錬成と続きますがよろしくお願いします。先生方にも もう少し?お忙しい思いをさせますが、お体に気をつけて下さいね。

◎Kです。お疲れさまです。昨日は有難うございましたm(__)m 大会が終わったという安堵感となぜか気分はすっきりしています。 もちろん結果をみれば中学は「くやしいー残念!」という気持ちがあります。 でも、それよりももっとうれしい事がありました。 それはYくんとMくんの土曜日の稽古の時ミーティングで二人が「僕らはまだ一位になって全国にいったことがない。だからみんなでがんばって全国につれってほしい」とメンバーに伝えたそうです。 

そして今日の大会で団体演武の前に「あとは病院に運ばれたっていいからガンバロ!」とYくんが言った時にはみんなから「おう!」と声が出たときはこっちまで熱くなりました。 そして、演武後、B支部に敗れ戻って来たときには、Mくんが「僕ら120%頑張ったからくいはないわ!」って言葉には何とも言えない気持ちになりました。 きっと前日からの思いからでは悔しかったと思います。でも、そんな言葉が出るのは本当に結果よりやり終えた充実感のほうが大きかったのかと感じました。 子どもたちもサバサバしてて・・・ 嬉しかったです。 本当に忙しい中学生が少ない稽古時間の中でここまでに成長できたことに感動しました。本当にお疲れさまでした。先生方も有難うございましたm(__)m  この団体で歩んできたこと県大会にかけた思い、みんなでがんはれたことは結果より大切な日々だったと思います。Yは「全国にみんなでいけなくてくやしいけど、楽しかった。」と言ってました。また組演武は本当によく頑張ったと思います。今まで稽古してきたことがあの緊張感のなかでの演武すごく立派でした。いい経験になりました。有り難うございましたm(__)m長くなりましたが、よろしくお願いします。

◎いつもお世話になっています。Mです。大会当日はありがとうございました。Mは県大会デビューを無事に終えてほっとしています。おどおどするでもなく先生がおっしゃってたように楽しんでいるようでした。Cについては全国狙いだっただけに残念としかないです。ただ毎回県大会に参加してみて、全国狙いは西支部だけじゃないといつも痛いほど感じます。わかっていることなのにあの空気のなかにいてると初めて気が付いたように新鮮にそんな気持ちになります。今のメンバーで全国に行きたかったなぁ…とつぶやいたCがうらやましくて。いい仲間でしたもん。中学でクラブがあり受験生がいてて、ましてや塾に忙しい子ばかりのメンバーが時間をつくり練習してきた。とってもいい体験だったと思います。ひとつの大仕事が終わったねというところです。だだそういう団体メンバーの状況を知ってる大人として…保護者ではなくて…だだ全国に行ってほしかった…じゃなくて行かせてやりたかった!!結果は結果として素直にいただきます。これからも西支部は続きます。いろいろお世話になることばかりです。ご指導よろしくお願いします。

発行日 2006年6月29日(木)②   発行・文責 長坂 徳久

【県大会終了・・・!②】  

 続いて、小学生団体の保護者感想です。

【小学団体保護者感想】

◎○○です。こんにちは。いつもお世話になっています。県大会を終えて、先生をはじめ、参加された選手のみなさん、保護者のみなさんに対して、たくさんの思いがあり、どう言葉(活字)にすれば、この気持ちが伝わるだろうかと考えてみましたが、どうにもうまくまとめることができません。そこで、県大会が終わってすぐ思った気持ちを伝えたいと思います。「ありがとう。」です。□□も感動して嬉し泣きをしていました。先生やみんなと過ごした時間が、どれだけ□□を成長させたかと思うと、親としてもとても嬉しく思います。ほんとうにありがとうございました。(つたない感想で申し訳ありません。

◎Mです。今日は本当にありがとうございました。いろいろお礼は言いたいのですがまずはNを団体の一員に選んで下さったことに心から感謝します。たった二年で団体Aだなんてまだまだ早すぎる。他の拳士に迷惑がかかる。と心配ばかりしていました。少し前、燕がえしができなくてだいぶ悩んでいたこともあり、本当に大丈夫だろうか?と真剣に思っていました。でも、今日の結果は残念でしたが団体の演武を見てやっぱり凄い!こんなメンバーの中にN子がいれることはありがたいと、思いました。こんな気持ちにさせて頂いて感謝しかありません。もちろんN子にも、Rにもこんな気持ちにさせてもらえて親孝行の子供達を持てたと嬉しい気持ちで一杯です。組演武は残念の結果でしたが又あの子達のやる気を沸き立たしてくれたと、思います。先生のおっしゃる通り今から又始まりました。今日の結果来年はやってくれると信じれます。楽しみが増えました。これからも子供達を全力で応援していきます。先生方もどうぞゆっくり休んで下さい。ありがとうございました。

◎Mです。今日はお疲れさまでした。そして色々な結果となりましたが、ありがとうございました。先生に誉められた事、悔しがれ!という事もHから聞きました。稽古も大変でしたが、それ以上に得た物は大きいと思います。親から見ても成長したと思いました。仲間意識も持てる子なんだと気付きました。なにより今日はイイ顔をしていました。負けん気は強い子なんで気に入らない所もあったようですが次に繋げていくでしょう。今日は本当にありがとうございました。先生も体調が良くないようなので休めて下さい。まだまだ教えてもらわないといけませんから。

◎Yです。温泉へ連れて行って頂いて、有難うございました。又送って頂いて、有難うございます。県大会お疲れ様でした。本当に悔しい結果となりましたが、あの中で小学・中学共に2位というのは凄いことです。悔しい思いもありますが、「くそっ、来年又取り返しに行くぞ!」と楽しみに思えてきます。こんな思いが出来るのは親として、とても幸せな事です。まだこれから紀北、錬成と楽しみたいと思います。本当に有難うございました。これからも宜しくお願い致しますm(__)m

◎Kです。長坂先生、昨日はお疲れ様でした。組演武、団体演武ともに残念でした・・K支部もB支部もとっても良かったですよね・・聞くところによるとK支部は当日5時から朝練だったそうです。どこの支部も一生懸命ですよね、いいですね・・この一生懸命さが、RとMのおかげで又熱くなる事ができてほんと喜んでいます。結果残念でしたがいい経験をさせてもらいました。来年はどうなることやら・・・本(これ一冊で)ありがとうございます。 m(__)m

◎M(長坂とは同級生かつ昔からの友だち)です。あまり国語が好きで無い為、今までのドリーム他で、感想など書かなくてゴメン。まあ、Mやし仕方無いなと、分かってくれてると思って甘えていました。最後の感想文になると思います。? 今まで大会に出る以上優勝としか考えてなかったし、Yにも、出るからには、優勝しろと、教えていた自分が居ました。 この県大が上の大会に進める、最後の大会だろうと挑んだ大会で、組演武予選落ち、間違いなく決勝には進むと思って、発表を聞いていました。名前が上がらなかった瞬間、ショックなど無く、一瞬頭が真っ白になり、予選の姿が頭をかすめ、俺の頭の中では、優勝にアタイする最高の演武でした。その後、初めて出た、Rちゃんとの組演武等が、頭をよぎり、何とも言いようのない、充実感が、俺の体を包んでいた気がしました。ただ、そこでもう一つ、頭をよぎったのが、団体を決める時に、Yに野球と少林寺、どちらかを選ばせた時の涙でした。俺は満足してるけど、Yは、この結果に満足しているのだろうか?野球をさせてあげたら良かったのかなと考えていました。そこに帰って来た、Yの顔を見た瞬間の、清々しい充実感が、俺の不安を解消された気がしました。その後の団体決勝は、初めて勝ち負けを、あまり意識せず見れ、凄く良い団体でした。今年の、K支部が良いのは、Yが三年の時から分かっていた事やし、そこにほぼ互角に、しかも十二名で四年~六年の団体で戦えた事に、そこまでの力をつけてくれた、のっさんに感謝です。チームメイトとその保護者にも感謝です。妻も、この文を読んで、泣いて同じ気持ちだと言ってました。中学校に行ったら、野球をおもいっきりさせてやりたいです。それに余裕があれば、少林寺をしてほしいな、と考えています。まだ紀北大会も有りますが、のっさん、丸々八年Yの指導ありがとう。土橋先生ありがとう。指導してくれた先生・先輩ありがとう。最後にY、感動ありがとう!

長坂からK支部S先生へ

「全国出場おめでとう!心よりお祝いを言わせてください。うちは、今年は小学生、中学生ともにかなり難しいと最初からわかっていました。しかし、今年ほど悔しかった年はありません。勝てないからこそ、その覚悟で必死にやったからだと思います。まだ自分な熱さがあることは嬉しく感じます〓全国にいくことでK支部としてまた一つ前に進んでください!」

S先生より長坂へ。

「心のこもったメール、ありがとうございますm(__)m また、熱い思いが込み上げてきました!K支部の少年部として初の全国大会出場は、正直、嬉しいの一言です。私が、生まれて初めて全国大会というものを体験したのが、あの北海道の16年前の高校全国大会でした。長坂先生と出会ったのもこの全国大会に向けてのことでした。いろんな思いを込めて、うちらしく、私らしく、初の全国大会に挑戦したいと思います。ご指導よろしくお願いしますm(__)m」

S先生は、橋本西支部のOBで長坂の弟子になります。 


少林寺拳法橋本西支部 道場通信ドリーム No.561

2006年07月13日 22時45分18秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

発行日 2006年6月12日(月)   発行・文責 長坂 徳久

【チームは家族だ!①】 

  橋本西支部の団体演武は「チームワークがいい」「みんな仲がいい」といわれます。また、団体に限らず、「橋本西支部ってみんな仲いいよね。」「いい子がばかりですね」とも。現実に、そのとおりです。とてもいい雰囲気です。

 では、橋本西支部にだけ、そんないい子達ばかりが集まってくるのでしょうか? 集まってくるともいえます。次の点からです。

①同じ波動のもの同士は引きよせ合う。つまり、いい波動はいい波動で引き合います。

②優位の波動は劣位の波動をコントロールする。(悪い波動はいい波動の影響を受けてよくなっていく。)

③代々の先輩たちの波動が満ち、隅田小学校という空間が「いい“気場”」になっている。

 しかし、どうすればいい波動(雰囲気)にできるのか? 

 初期のころに橋本西支部に入ってきてくれた拳士たちの雰囲気や人柄がよかったことは大きな原因でしょう。そして、それ以外では、やはり、次のような指導上のロジック(論理)があるからだといえます。 

①ソフト面。日頃からの徳育。指導者が、「善悪の指導」「他者を思いやること」「弱者を守ること」「支部のみんなは仲間だということ」などを何度も何度も繰り返し説きます。

 極論をいえば、大会であっても、『「敵」はいない。みんな少林寺拳法の同じ仲間だと説きます。』(他支部の拳士も敵ではない、仲間だと説きます。それが少林寺拳法の考え方です。)

 次に、言葉だけではダメです。具体的に、「仲間意識」「思いやり」などを持つことができる場面を多く作ります。具体的には誰かが何かいいことをしたり、素晴らしい結果を出したときには、みんなの前でほめ、たたえる。それをみんなも共有する。これだけでもとてもよくなります。

 また徹底して悪い言葉を廃止します。橋本西支部では、「できない」「無理や」「意味わからん」などのネガティブな言葉は道場では使わせません。使えば、即指導です。指導者も、「ここがだめだ。」「これをやってはいけない。」という言葉よりも、「こうしたほうがいい。」「こうやっていこう。」という言葉を多く使います。

 また、子どもたち同士には、「よ」を使わず「う」を使おうと指導します。「ちゃんとしろよ」「早くしろよ」「なにしとんなよ」ではなく、「がんばろう。」「声を出していこう。」「早くしよう。」「大丈夫。」などなど。

②ハード面。日々の「指導者対子どもたち」の闘い。この日々の闘いに指導者はことごとく勝たなくてはいけないのです。日々の闘いとは?子どもたちは悪気がなくても、つい、人を罵倒したり、小ばかにしたりする言葉を発したり態度をとることがあります。また、悪気があってそのような態度をする子どもたちもいます。人の社会は学校でも会社でも地域でも、ほおっておくと「弱肉強食」のシステムができあがります。子どもたちのささいな一言。そんなときに、まあ、子どもだから、一回ぐらい、とほおっておくことが多いかもしれません。(TPOにより長坂もわざとスルーはします。)

 しかし、この「小さな初期のほころび」を指導できないと、気づいたときには、大きな穴が開くことになります。そんなことが重なると、あっという間に「荒れている」状態となります。お互いにチームメート(道場内で)相手を罵倒するような言葉が飛び交います。また、ひそひそ話や陰口もおおくなるでしょう。その荒れの見分け方は簡単です。誰かがミスをするとそれを責めたり、失笑したりすることが起こってきます。また、特定の子とペアを組むことなどを避けようとします。(いじめの初期でもあります。) なお、橋本西支部では女子特有の「ひそひそ話」も禁止します。「道場は神聖で明るい場所だ。ひそひそ、こそこそ、しなくてはいけないことならほかでやれ!」といいます。

 闘いの具体例を挙げましょう。たとえば、誰かが、「死ね」と他の子に対して発したとします。(世間の子どもたちは、簡単に「死ね」「殺す」を使います。)そういう言葉が聞こえた瞬間、なにをおいても、まず稽古をストップします。

「全員集合!」(ここで全員を集めるということが何よりも大切。)

「Aくん、今、なんと言いましたか?」

最初は、本人はごまかします。しかし、本人にもう一度言わせることが大切です。そのことで、まず本人に言ったことを認めさせるのです。本人が認めない場合は周囲の子に聞きます。

「なぜ、そのようにいいましたか?」

理由を必ず聞いて、あとでフォローもすることも考慮しておきます。また指導者の勘違い、聞き違いのこともありえますので慎重に進めていきます。理由を聞いた後で、その子が悪い場合、

「そんなこといっちゃあ、ダメじゃないか!」

と指導すれば・・結果はマイナスです。低学年なら、これでもいい場合があります。しかし、高学年(特に女子)ならば、間違いなく、反感を買うでしょう。それはそうです。みんなの前でさらしものにされただけなのですから。(本人が納得、反省していないということ。)じゃあ、どうするのか?・・・・・次号でご紹介します。

 追伸、上のような指導を土曜日にも行いました。個別評定(テスト)で、組演武の相手が原因で不合格になると相手を責めるような態度、言葉を行ったからです。また、日曜日の小学団体演武稽古開始前にも男の子同士のはげしいけんかがありました。これらの対応も、指導者はきちんと行わなくてはいけません。さりげなく、しかし筋の通った指導をするのです。


橋本西支部 道場通信ドリーム No.559・No.560

2006年07月12日 21時48分28秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

発行日 2006年6月1日(木)   発行・文責 長坂 徳久

【長坂、のたまう①】 

 長坂別アドレスへメールしていただいたときに、自動返信するように設定しています。

 「心」(おうちでのお手伝い)や「真向法、トランク体操」の報告に活用していただいている方が多いです。その自動返信文章(文責 長坂)をここにも掲載してみます。かなりマニアックかつえらそうな書きかたをしていますが、お許しください。 

 『みなさんのお子さん、またはみなさんは、「朝、どのようにして起きていますか?」。じわじわ起きますか? 布団を蹴り上げて、ぱっと起きますか? 後者のほうがいいらしいのです。朝から勢いをつけて一気に活動するほうがいい人生になるそうです。かくいう私も、寝起きが悪く、エンジンがかかるまで数時間を有しますが・・でも少しずつ変えてきています。あと、寝る前は何を考えますか? これはずはり「いいことだけ」を考えたり、イメージするほうが絶対にいいのです。楽しいこと、わくわくすることを考えながら眠りにつきましょう。』

『報告ありがとうございます。今回の帰山での宿泊先は、瀬戸内荘という旅館でした。いつも使うホテルがいっぱいで、そこをとりました。あいにくシングルが空いておらず、S先生と同室でした。和室だったのでのんびりできました。いつもながらS先生とは話が弾みます。しかも、彼とは前向きな話ができるのでいつも楽しいです。しかし、反面、K支部の拳士のお父さんが急に亡くなるという訃報があり、とても悲しいことでした。人は、必ず死にます。しかし、そうとはわかっていても、幼い子が親を亡くすことは、なんともいえない大変なことです。私たちは、なにかを特別にしてあげることができるわけではありません。しかし、同じ悲しみを共有してあげることはできます。それが一時、一瞬であっても・・そんな少林寺拳法でありたいと思います。』

 『報告ありがとうございます。スポーツは「ためてから動きます」。武道、武術は「ためずに動きます」。だから、武道、武術のほうが動きが早くなります。詳しく言うと、「予備動作」がないので、相手に察知されにくいといえます。具体的には、スポーツでは「腹筋」を使うとしたら、武術は「横隔膜の収縮のみ」を使います。だから、微妙な動きになります。こういえば、少林寺拳法や武術は難しいと思われますが、難しいというよりも「繊細」だということです。このような繊細な身体(体ではない)をつくるには、トランク体操や真向法、立禅がいいのです。』

 『報告ありがとうございます。ミニ情報です。来年の全国大会は、少林寺拳法創始60周年事業となります。11月3日(土)が東京プリンスホテルで記念祝賀会。翌11月4日(日)が日本武道館で大会です。ただし、競技大会(通常の全国大会)を実施するかはどうかは未定のようです。また、60周年ということで海外からも拳士が参加するようなので、大会名は「少林寺拳法創始60周年記念 ジャパンオープン2007」(仮称)です。よって競技大会が開催されない場合は、来年の全国大会出場はないかもしれません。つまり、県大会で最優秀でも全国はないのです。ただし、競技大会も実施する場合は、出場できた場合は創始60周年の記念大会ということでなんともラッキーなこととなります。(普通の大会とは趣向が違うため、イベント色が濃くなり、演出など華やかになります。)』

『報告ありがとうございます。ミニ情報続きです。来年の全国は60周年ということで、東京・日本武道館で決定しています。以降の分は、今、○○県、○○県、○○県が立候補していますので、ここ数年はそこになるでしょう。北海道の次が○○とはなりにくいので、長坂としては、東京→○○→○○→○○と見ています。しかし、他にも立候補する都道府県もあるかもしれないのでまだわかりません。また、途中に、国際大会(四年に一度)が入ります。次回は、インドネシアと決定しています。全国大会というのは、その舞台に立った者にしかわからない、空気や雰囲気があります。特に、日本武道館は特別な空間であり、特別な雰囲気があります。おおげさにいえば、日本武道館には、魔物が住んでいます(笑)。』

発行日 2006年6月5日(月)   発行・文責 長坂 徳久

【長坂、のたまう②】(前号からの続きです。)

 『報告ありがとうございます。少林寺拳法をやっていた、やっている有名人。高村正彦(元首相候補)、石原伸晃(元大臣・石原都知事の息子)、野伏翔、力也、若本規夫、筧利夫、水野美紀、安室奈美恵、板垣恵介、クロード・チアリ。あとHYDE(ラルク)二段、よゐこ濱口初段、今井雅之1級、大浦龍宇一初段、沢向要士4段、神野美伽二段、鈴木あみ3級、三宅健初段。ほかにもたくさんいるようです。以上は長坂情報です。みなさんも知っている有名人の少林寺拳法拳士がいれば教えて下さい!』

『子どもは親を選んで生まれてくるといいました。逆にいえば、親御さんはお子さんに選ばれたといえるのです。そういう長坂も自分の親を自分で選んだことになります。自分の魂を高めるために、試練があることをわかって選んでいるのです。さて、魂は親を選びます。そして、魂は「仕事に呼ばれます。」 自分にあった仕事に魂は呼ばれるのです。今行っている仕事はみなさんには合っているのです。いや「辞めたいんです」というかもしれません。辞めればいいのです。呼ばれていない仕事についている人は辞めます。「でも、現実には辞められません。」といいます。失礼ながら、愚痴をいいながらも辞められないあなたとその職場の波長が今はあっているのでしょう。逆にいえば「呼ばれた天職」についている人は幸せです。』

『こんな質問を聞きます。「トランクや真向法」をとても適当にやっているみたいですが、それでいいのでしょうか? と。いいんです。やるだけ立派じゃないですか。あれだけ啓発しても支部の中でいったい何人が本当に継続してやつていると思いますか? この報告メールも毎日いただける方は、少ないですよ~。たしかに、「きちんとする」が大切です。でも、そのステップに行く前に「やる」ということ(習慣をつけること)が大切ですね。おとなは子どもに一度に多くのことを要求しすぎます。一時に一事です。ひとつずつ積み重ねていくのです。あれもこれもいうことは、何も言わないことと同じです。(結局どれもできていないとなる)。まずは「器」をつくり、そこへ中身を入れていけばいいと思います。いや~、やっているだけ立派、立派!!』

『幸せに生きてきた人のあとには「幸せの道」ができている。不幸せに生きてきた人のあとには「不幸せな道」ができている。みなさんは、どちらの道をいま歩んでいますか? みなさんの後ろにはどちらの道ができていますか?幸せに生きる方法はそんなに難しいことではありません。好きなことをしていきていけばいいのです。それでは生活できないという人がいます。本当に自分の好きな道があって、それが自分のためにもなるし、他人にも喜んでもらえる、そして、世の中の役にもたつならば、きっとみんな成功できます。幸せは「本人が幸せ」と思っていれば幸せです。しかし、成功は、自分からみても他人から見ても「成功している」と思えることが成功です。幸せで成功しているならこれ以上のことはありません。幸せは自分の心にある。自分らしくいきること・・これが一番。』

 『食べ物の好き嫌いの激しい人は、人間の好き嫌いも激しくなります。だから、まず食べ物の好き嫌いをなくすと、人間の好き嫌いもなくなっていく。長坂は小学校の頃、給食が大嫌いで、1年生の時には不登校になりかけました。そして、1年生のとき、給食の残りを机に中に隠していて、あるときにばれた。2年生のときは、かばんに給食の残り(おかずなど)も隠していて、これは家でばれた。それぐらい好き嫌いが激しかった。おとなになっても、33歳ぐらいまでは本当に好き嫌いが多かったが、その頃から不思議といろいろと食べられるようになった。(食わず嫌いが多かったのです。)すると、人間関係も良好になっていった。つまり、逃げていると、いつまでもだめだということ。まずは思い切って、ぶつかってみる。そうすると意外な出会いもある。まずは食べ物の好き嫌いをなくそう。』

 『おとなで「胃が悪い」「腰が悪い」という人がいます。それは違いますね。胃が悪いのではなく、腰が悪いのではなく、「自分の健康管理が悪い」のです。だから、「胃が悪い」「腰が悪い」なんと、胃と腰のせいにしていたら、いつまでも治りません。胃と腰が「俺たちのせいにするな!」と怒るからです。当然「頭が悪い」なんていったら、「頭」は激怒していることでしょう! 「勉強しない自分が悪い」のです。あと、「健康のためにやせたい」という人もいます。逆です。「健康になったらやせるの」です。そして、極めつけは、「今の自分が嫌い。自分を変えることができたら好きになる。」という人。これも逆。「自分を好きになるから、自分が変わっていけるのです。」 すべて、宇宙の理に則った考え方です。すべてに感謝を。』

 『「うまい子」と「強い子」。「うまさ」(きれいさ)と「強さ」(速さ・力強さ)は一致しにくい。ただし、うまい子は強くもなっていく。苦労するのは「強いが、うまくない子」。これは性格も大きく関係する。以下長坂の分析。「うまい子」の特徴→丁寧に行う。継続できる。「強い子」の特徴→優れたDNAを受け継いでいる。小さいころから少林寺拳法や運動に取り組んでいる。「強いがうまくない子」の特徴→落ち着きがない。単純作業が嫌い。字を書くのがきらい。みなさんのお子さんはどれに当てはまっていると思いますか? ちなみに「うまい」「きれい」かどうかは、正中線がまっすぐかどうかが全てです。「思い切り突いてごらん」といって見てください。みなさんがみてきれいだと思えば「できている」と思っていいでしょう。』


少林寺拳法橋本西支部 道場通信ドリーム No.558

2006年07月11日 22時56分04秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

発行日 2006年5月29日(月)   発行・文責 長坂 徳久

 【大好きです。中高生!①】  

 (中学団体演武指導の一こま)

『組演武と団体演武の違いはなんでしょうか?』

「人数が違う」

「技をあわさないといけない」

「リーダーがいる」などの回答。

『すべて、正解です。しかし、団体演武には組演武とはまったく違う「とても大切なこと」があります。技術的なことではなく、精神的なことです。わかった人から先生に言いにきます。』

それぞれが回答を出してきますが、なかなか正解はでません。

『ヒント、ドイツ。』『第二ヒント、ワールドカップ。』『第三ヒント、オリンピック。』

正解は、橋本西支部の代表という自覚と責任感。

 このことを深く説きました。とても大切なことです。この日の中学生も「チームへの責任感」「メンバーとしての責任感」とは出るのです。しかし、それだけでは「自分のため」という考えで止まってしまいます。そこで止まったらだめなのです。もうひとつ上の「橋本西支部の代表」という自覚と責任感と使命を感じてほしい。そして、県大会で優勝して、全国大会出場を獲得したときには、「和歌山県の代表」というさらに重い看板を背負うことになります。そんな考え方をすることで、なにかをがんばるとき(おとななら仕事なども)に「自分のため」「みんなのため」(社会のため)という「自他共楽」という少林寺拳法の教えに近づくのではないでしょうか。 

【大好きです。中高生!②】  

 通常稽古が終わり、残って団体演武だけ稽古などをしているとき。団体演武に出ない拳士はその時間で帰ります。そのときに、道場の退出に際して、「ありがとうございました!」と帰る拳士はみんな挨拶をします。すると、残って稽古している団体のメンバーや、高校生などはみんなで、「さようなら!」と大きな声でその拳士たちにレスポンスをします。小学生の間でも少しずつ定着しつつあります。レスポンスはとても大切なことです。したほうも、されたほうも気持ちのいいものです。

 余談ですが、よく見る光景があります。保護者同士が話しをしているときに、そばを通る小学生が「こんばんは」と挨拶をしていても、その保護者たちはそれを無視しています。実は、自分たちの話に夢中で、その子どもの「こんばんは」も聞こえていないし、存在にすら気づいていないのです。レスポンスするためには、まず「アンテナ」が伸びていないといけません。そして、次にそれをキャッチ(感じる)することができることが必要です。 

 そういう力が「危険な場所」「危険な人」などを察知することにもつながっていきます。そして、五感が発達していくと、第六感(シックス・センス、ひらめき)が発達します。

 【大好きです。中高生!③】  

 知っていますか?稽古が終わると、中高生がみんなで後片付けを全部してくれることを。あれだけたくさんある荷物を全部みんなで整理して、片付けし、長坂、土橋の車まで積み込んでくれます。ここまでしてくれているのです。強要したのではなく、いつのまにか自然とこのようなシステムが出来上がりました。聞いた話によると、他の武道などでは、「月謝」(少林寺拳法や育夢学園は会費)を払っているのだから、掃除をさせられるのは納得いかない。もっと教えてもらって当然だと主張する人たちがいるそうです。これは、給食費を払っているのだから、「いただきます、なんていう必要はない」と主張する保護者と同じ考えです。

☆教えてもらっているから、会費を払うのです。

☆給食を食べさせてもらっているから、給食費を払うのです。

 このように順序を逆に考えると物事に関する感謝が沸いてきます。そして、感謝の気持ちがあれば、すべてはいい方向に回ります。掃除、後片付けなども含めて「少林寺拳法の修行」なのです。橋本西の中高生はそのことがよく理解できている素晴らしい拳士達です。だから私は大好きなのです。ありがとう!

(おまけ)高3のときに長坂の組演武のビデオを見せた話を書きました。本当に組演武は下手でした。しかし、乱捕りは、めっちゃ強かったですよ。(自慢!笑)中学生のときから高校生の部に出ていました(そこでもほとんど勝っていました。)高1の初段の頃には、当時の先生(3段)と正式な試合をしてもいつも勝っていました。(実際のけんかをさせたらその先生が一番強いだろうと言われていました。)今でいえば、高校生が松田や土橋に勝つようなもんです。でも、その先生が立派だったなあと思うのは、教え子の長坂に負けても、一切言い訳はしませんでした。また、長坂に対して接し方が変わることもありませんでした。ただ率直に、「お前は強い。強くなった。」と言ってくれました。その人は支部長ではありませんでしたが、私は、その先生がとても好きでしたし、今でも尊敬しています。やはり、今の長坂があるのも、そういう少林寺拳法や社会の先輩方のおかげだと心より感謝しなくてはいけないとあらためて思っています。


少林寺拳法橋本西支部 道場通信 ドリーム No.557

2006年07月11日 00時15分33秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

発行日 2006年5月25日(木)   発行・文責 長坂 徳久

【弟子だからこそ、伝えたいんだ!】          

    ・選手になるな、指導者になれ。    

    ・選手をつくるな、指導者を育てよ。

 開祖・宗道臣先生の言葉です。ここでいう指導者とは、ふたつの意味があると私は理解しています。

①少林寺拳法の指導者  

②社会のリーダー

②の社会のリーダーということは、学校や会社、地域社会でのリーダーという意味であると考えます。 さて、果たして、橋本西支部では、このようなリーダーを育てることができているのでしょうか? また、リーダーは育っているのでしょうか?・・。 育っているようにも思うし、まだまだ育っていないようにも思います。そして、それは、「育てることができていない?」という長坂自身の指導への反省点でもあります。 開祖は、「選手はつくるな」「選手になるな」とおっしゃいました。しかし、私は、選手であってもいいと解釈しています。開祖が言いたいことは、「“勝敗第一の選手だけ”になるな」ということではないでしょうか。つまり、選手であり、指導者でもあればいいわけです。子どもたちはもとより、特に、中・高生たちは、大会にも出てバリバリやりたいものです。それは尊重しなくてはいけません。また、その年頃に「熱く燃える」ということはとても大切なことで、素晴らしいことです。得るものもたくさんあります。 

 しかし、「大会に出るためだけ」に少林寺拳法を習っている、教えているとしたら、それは、少林寺拳法の「教え」からは外れるし、修行の目的が異なってしまうと自戒しなくてもいけません。やはり、少林寺拳法の目的は「真のリーダーの育成」なのです。 

 さて、長坂メソッドは、ほぼ、「育夢学園ドリームコース」に集約されています。しかし、そこに、少林寺拳法が加わったとき、それは、“超長坂メソッド”(世界に1つのオリジナル)の完成だといえます。今、中高生にだからこそ伝えたいことがやまほどあるのです。そして、長坂が指導すれば、あらゆる面で伸びる!という自信もあります。 

 だから、次のとおり指導させてください。(参加は自由です。)  

・少林寺拳法橋本西支部 中学・高校生「ドリームコース」開始! 

・毎週日曜日 午後7時~9時 隅田小学校(ドリーム会館の場合もあり)

・7月1日(日)より実施。

・参加費 橋本西支部拳士は無料(橋本西支部以外の一般参加も可。)

  橋本西支部の拳士(弟子)に長坂として伝えたいことがたくさんある。教えたいことがたくさんあるという想いからです。3月まででもいいですから、ご遠慮なく是非ご参加ください。中学・高校生拳士へ。まずは、気軽に参加してください。楽しく、学びましょう。 また、そうして、智・体・心・夢、そして、技・・をトータルに弟子に伝えていくことで、未来の橋本西支部の指導者を育てたいと思います。

  いずれ、長坂は引退します。(近々ということではなく、少なくとも高齢になれば。)そのときに、わが愛する橋本西支部が、橋本西支部らしく、高く、美しく、引き継がれていくためには、いまから「橋本西支部スピリッツ(長坂のすべて)」を多くの拳士に受け継いでいってもらいたいのです。他意はありません。

【ドリーム会館に関して、拳士たちには次のように指導しています】

①「他人の家に黙って入らないだろう? だから、一階の玄関に入るときには「こんにちは」「こんばんは」と大きな声で挨拶をしましょう。誰もいなくても挨拶します。そして、中にいる人は必ず「こんにちは」「こんばんは」と返事(レスポンス)をしましょう。保護者の方も、館内に入るとき、帰るときには、このようにしてください。ご協力よろしくお願いします。

②二階は道場兼教室なので、入室は、「お願いします」「ありがとうございました」の挨拶をします。

③ドリーム会館道場は、マットを敷いていますので、作務(掃除)は、雑巾で水拭きします。ついては、「ドリーム会館道場用の雑巾を一枚」別にご用意ください。先日、水拭きした雑巾をかばんに入れていた拳士が、「先生、これ、くさい!」といっていたのでご注意を!(Aチームには、水拭き用の雑巾を持ってくるように指示済み。)


少林寺拳法橋本西支部 道場通信ドリーム No.556

2006年07月09日 23時09分54秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

発行日 2006年5月22日(月)   発行・文責 長坂 徳久

【一寸先は・・・】   

  小学団体の稽古は、稽古開始10分前の「ミーティング」から始まります。それぞれのその日の目標や課題を発表しあいます。最初は、やりかたを長坂が指導しましたが、今では自分たちで行っています。発表は順番ではなく、ランダムに行います。これは、自主的な発言力や行動力を促すことで、本番に強い精神力を育成する目的があります。本番に強いということは「経験」の強さ、多さが大切なのです。

   ミーティングはこんな感じです。

A「今日は、構えを直したいと思います。そのためには、止まったときに意識をするようにします。」

B「今日は、技を思い切りやりたいと思います。そのためには、相手を信用して遠慮せずにやりたいと思います。」                                       

リーダー「みんな、○○のところを忘れていたり、間違ったりしていることがあるので今日は注意してください。」

   今年の小学Aチームはいつにも増してチームワークが抜群です。今までの橋本西支部Aチームの中でも最高かもしれません。「過去最強のチーム」と長坂が称する現高校一年生主体のチームは、「大将」が多くて、゛うまく、すごいけれど、まとまらないチーム゛でした。今年は、飛びぬけた実力をもった拳士はいませんが、その分、゛みんな仲間、みんなでがんばっていこう゛という気持ちがすごく強く感じられます。そして、何よりも団体演武の稽古が楽しいようです。前向き、明るい、元気、素直が特徴です。具体的なことをあげれば、チームメートに対する、「苦言」「悪口」「愚痴」「文句」「嫉妬」などという、いわゆる長坂が言う「毒」を吐きません。素敵なチームです。

   稽古で「個別評定」というテスト形式の指導をよく行います。『第③構成を個別評定します。10点満点で8点合格です。合格した人から休憩です。』このときに、合格した子どもたちが「やったー!」と喜ぶのはいつものことです。しかし、今年のチームは、一味違います。自分以外の子達が合格したら、こうなります。「おー、すごい!」といって他のみんなが拍手をするのです。これが教えていても気持ちがいいし、とてもいい雰囲気になっています。特にこのいい雰囲気づくりに最高に貢献しているのが、T君だと私は感じています。素晴らしい!

 さて、Kちゃんの全国大会報告の本誌で「一寸先は、光。」という言葉が出てきました。当然、「一寸先は、闇」が正しい言葉です。しかし、私は、「一寸先は、闇じゃないよ。一寸先は、光だよ」と教えます。 

 先日、小学団体メンバーに聞いてみました。

『一寸先は・・なんや?』

 小学生には、この「一寸先は闇」の言葉自体が「聞いたことがない子どもたちが大半、一部の子は聞いたことはあるようなないような・・」という感じでした。そのときに、リーダー・M君が言った言葉は、素晴らしくかつ面白かったのです。

『勇貴、一寸先は・・なんや?』

「パラダイス!」

『お前らしい言葉やな(笑)・・・本当は、「一寸先は、闇」といいます。先には何が起こるかわからないという言葉です。しかし、先生は「一寸先は、光」と教えています。それは、そう思って生きていくと素晴らしいことがたくさん起こるからです。でも、今のMの「一寸先は、パラダイス!」はいい言葉だな。パラダイスっていうのは、天国とか楽園って意味です。ヘブンという天国とはまた違いますね。死んでからの天国ではなく、今生きている間の天国って言う意味だね。よし、今年のAチームは、「一寸先は、パラダイス!」でいこう!』  そして、子どもたちに聞きます。『一寸先は?』「パラダイス!!」

(おまけ)日曜日の団体終了後のST参加者(小学生)に、長坂が高校三年のときの組演武のビデオを見せてあげました。本当に下手です。「下手くそ」ではなく「下手っくそ」っていうぐらい下手です。当時は教えてくれる人は特におらずに、自分たちでほとんどやっていたので当然といえば当然ですが・・それでも当時は自分ではうまいと思っていたのです(汗)。そのビデオを見ていた子どもたちの反応が面白いのです。くすくす笑ったり、たまに大爆笑になるのです。それぐらい今からは考えられないようなへんな動きをしたり、下手な技をしているのです。そんなとき、ある子は、「笑ったらあかん!」と他の子にいいます。しかし、そう言いながらその子も笑っていました(笑)。そして、見終わってから、私に一言。「先生、だいぶ成長したな!」


岐阜県

2006年07月08日 22時57分52秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)
今日は日帰りで、「岐阜県地域社会武道(少林寺拳法)指導者講習会」に講師として招かれて行って来ました。
90分の講義です。「少年部指導の研究発表」というタイトルで、技術、法話の指導法、模擬授業です。
詳しくは、また後日通信に書きます。
来週は、公民館の護身術講座。その次は、こどもTOSSデーと紀北大会。月末四日間が、福島県へ出張指導です。楽しみなことが多い夏となりそうです。

少林寺拳法橋本西支部 道場通信ドリーム No.555

2006年07月05日 23時22分46秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

発行日 2006年5月18日(木)   発行・文責 長坂 徳久

 【子どもの季節を感じていますか?③】  

 前号からの続き。

 今回は、「晩秋~冬」(やめてしまうか、復活するかの時期)について書いてみましょう。

 もし、少林寺拳法に対する気持ちの季節が「冬」まで落ち込んでしまったら、もう辞めてしまうか、休んでしまうでしょう。ですから、「秋」(特に晩秋)の対応、接し方が一番大切になってきます。 まずは、簡単なことです。実は、先に述べたことの繰り返しが必要なのです。

・今をそのまま認めてあげる。(許してあげるという言い方でもいいかもしれません。)

・ほめてあげる。

・励まし続ける。(大丈夫といい続けると言い換えてもいいかもしれません。)

 この時期の、具体的な会話例としては、次のことが予想されます。

子「最近、少林寺拳法行きたくない・・。」

親「そんなこと言ってどないするんの! 大会もあるのに相手の子に迷惑かかるや  ろ!」

子「今日はもうしんどい。いきたくない。」

親「何を言ってんの、熱もないんやから、早く行きなさい。」

子「少林寺拳法、面白くない。」

親「自分でやるって決めたでしょう!? だったら最後までがんばりなさい!」

こう言いたくなる気持ちもよくわかります。しかし、その前に次のような一言をはさんで見ませんか?

子「最近、少林寺拳法行きたくない・・。」

親「うん。少林寺拳法に行きたくないんだね。」

子「しんどい。」

親「そう、しんどいんだね。」

子「面白くない。」

親「そう、面白くないのね。」

このように、まず共感、同意、同調してあげます。つい、私もその共感、同意、同調の前に、「そんなこといってどうするんだ。」と言ってしまうことがあります。

 しかし、おとなでも、話をするときに、「そうだよね。」「それはわかるよ。」と言ってもらえれば、なんだか、話がしやすくなるし、素直に話せるものなのです。だから、まずは、共感、同意、同調をしてあげてください。そのあとは、お子さんの出方により対応も変わりますね。そこからは、みなさんの腕の見せ所でしょう。私ならどう言うか・・は、またの機会に述べることにします。まずは、共感してあげてください。それだけで不思議なことが起こります。 

 次は、ある教育機関が調査した、「親に言われてうれしい言葉」です。

①ありがとう。 ②がんばったね。 ③よくできたね。

 これは同じく「親に言われていやな言葉」です。

①早く○○しなさい。 ②勉強しなさい。 ③バカじゃないの。

 (指導者ミニ知識)

《子ども達を指導したときに》

●「楽しくない。」「やっと終わった。」と言わせるのはアマチュアまたはプロ失格の仕事。

○「あー、楽しかった。もういっぱいや(十分や)」はセミプロの仕事。

◎「えー、もう終わり、もっとやりたい。」と言わせるのがプロの仕事。そのためには、腹八分目で抑えることも必要なのです。