ドリーム 2(セカンド)

長坂徳久が語る夢教育(ときどき日常)

少林寺拳法橋本西支部 道場通信ドリーム No.556

2006年07月09日 23時09分54秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

発行日 2006年5月22日(月)   発行・文責 長坂 徳久

【一寸先は・・・】   

  小学団体の稽古は、稽古開始10分前の「ミーティング」から始まります。それぞれのその日の目標や課題を発表しあいます。最初は、やりかたを長坂が指導しましたが、今では自分たちで行っています。発表は順番ではなく、ランダムに行います。これは、自主的な発言力や行動力を促すことで、本番に強い精神力を育成する目的があります。本番に強いということは「経験」の強さ、多さが大切なのです。

   ミーティングはこんな感じです。

A「今日は、構えを直したいと思います。そのためには、止まったときに意識をするようにします。」

B「今日は、技を思い切りやりたいと思います。そのためには、相手を信用して遠慮せずにやりたいと思います。」                                       

リーダー「みんな、○○のところを忘れていたり、間違ったりしていることがあるので今日は注意してください。」

   今年の小学Aチームはいつにも増してチームワークが抜群です。今までの橋本西支部Aチームの中でも最高かもしれません。「過去最強のチーム」と長坂が称する現高校一年生主体のチームは、「大将」が多くて、゛うまく、すごいけれど、まとまらないチーム゛でした。今年は、飛びぬけた実力をもった拳士はいませんが、その分、゛みんな仲間、みんなでがんばっていこう゛という気持ちがすごく強く感じられます。そして、何よりも団体演武の稽古が楽しいようです。前向き、明るい、元気、素直が特徴です。具体的なことをあげれば、チームメートに対する、「苦言」「悪口」「愚痴」「文句」「嫉妬」などという、いわゆる長坂が言う「毒」を吐きません。素敵なチームです。

   稽古で「個別評定」というテスト形式の指導をよく行います。『第③構成を個別評定します。10点満点で8点合格です。合格した人から休憩です。』このときに、合格した子どもたちが「やったー!」と喜ぶのはいつものことです。しかし、今年のチームは、一味違います。自分以外の子達が合格したら、こうなります。「おー、すごい!」といって他のみんなが拍手をするのです。これが教えていても気持ちがいいし、とてもいい雰囲気になっています。特にこのいい雰囲気づくりに最高に貢献しているのが、T君だと私は感じています。素晴らしい!

 さて、Kちゃんの全国大会報告の本誌で「一寸先は、光。」という言葉が出てきました。当然、「一寸先は、闇」が正しい言葉です。しかし、私は、「一寸先は、闇じゃないよ。一寸先は、光だよ」と教えます。 

 先日、小学団体メンバーに聞いてみました。

『一寸先は・・なんや?』

 小学生には、この「一寸先は闇」の言葉自体が「聞いたことがない子どもたちが大半、一部の子は聞いたことはあるようなないような・・」という感じでした。そのときに、リーダー・M君が言った言葉は、素晴らしくかつ面白かったのです。

『勇貴、一寸先は・・なんや?』

「パラダイス!」

『お前らしい言葉やな(笑)・・・本当は、「一寸先は、闇」といいます。先には何が起こるかわからないという言葉です。しかし、先生は「一寸先は、光」と教えています。それは、そう思って生きていくと素晴らしいことがたくさん起こるからです。でも、今のMの「一寸先は、パラダイス!」はいい言葉だな。パラダイスっていうのは、天国とか楽園って意味です。ヘブンという天国とはまた違いますね。死んでからの天国ではなく、今生きている間の天国って言う意味だね。よし、今年のAチームは、「一寸先は、パラダイス!」でいこう!』  そして、子どもたちに聞きます。『一寸先は?』「パラダイス!!」

(おまけ)日曜日の団体終了後のST参加者(小学生)に、長坂が高校三年のときの組演武のビデオを見せてあげました。本当に下手です。「下手くそ」ではなく「下手っくそ」っていうぐらい下手です。当時は教えてくれる人は特におらずに、自分たちでほとんどやっていたので当然といえば当然ですが・・それでも当時は自分ではうまいと思っていたのです(汗)。そのビデオを見ていた子どもたちの反応が面白いのです。くすくす笑ったり、たまに大爆笑になるのです。それぐらい今からは考えられないようなへんな動きをしたり、下手な技をしているのです。そんなとき、ある子は、「笑ったらあかん!」と他の子にいいます。しかし、そう言いながらその子も笑っていました(笑)。そして、見終わってから、私に一言。「先生、だいぶ成長したな!」