ドリーム 2(セカンド)

長坂徳久が語る夢教育(ときどき日常)

少林寺拳法橋本西支部 道場通信ドリーム No.561

2006年07月13日 22時45分18秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

発行日 2006年6月12日(月)   発行・文責 長坂 徳久

【チームは家族だ!①】 

  橋本西支部の団体演武は「チームワークがいい」「みんな仲がいい」といわれます。また、団体に限らず、「橋本西支部ってみんな仲いいよね。」「いい子がばかりですね」とも。現実に、そのとおりです。とてもいい雰囲気です。

 では、橋本西支部にだけ、そんないい子達ばかりが集まってくるのでしょうか? 集まってくるともいえます。次の点からです。

①同じ波動のもの同士は引きよせ合う。つまり、いい波動はいい波動で引き合います。

②優位の波動は劣位の波動をコントロールする。(悪い波動はいい波動の影響を受けてよくなっていく。)

③代々の先輩たちの波動が満ち、隅田小学校という空間が「いい“気場”」になっている。

 しかし、どうすればいい波動(雰囲気)にできるのか? 

 初期のころに橋本西支部に入ってきてくれた拳士たちの雰囲気や人柄がよかったことは大きな原因でしょう。そして、それ以外では、やはり、次のような指導上のロジック(論理)があるからだといえます。 

①ソフト面。日頃からの徳育。指導者が、「善悪の指導」「他者を思いやること」「弱者を守ること」「支部のみんなは仲間だということ」などを何度も何度も繰り返し説きます。

 極論をいえば、大会であっても、『「敵」はいない。みんな少林寺拳法の同じ仲間だと説きます。』(他支部の拳士も敵ではない、仲間だと説きます。それが少林寺拳法の考え方です。)

 次に、言葉だけではダメです。具体的に、「仲間意識」「思いやり」などを持つことができる場面を多く作ります。具体的には誰かが何かいいことをしたり、素晴らしい結果を出したときには、みんなの前でほめ、たたえる。それをみんなも共有する。これだけでもとてもよくなります。

 また徹底して悪い言葉を廃止します。橋本西支部では、「できない」「無理や」「意味わからん」などのネガティブな言葉は道場では使わせません。使えば、即指導です。指導者も、「ここがだめだ。」「これをやってはいけない。」という言葉よりも、「こうしたほうがいい。」「こうやっていこう。」という言葉を多く使います。

 また、子どもたち同士には、「よ」を使わず「う」を使おうと指導します。「ちゃんとしろよ」「早くしろよ」「なにしとんなよ」ではなく、「がんばろう。」「声を出していこう。」「早くしよう。」「大丈夫。」などなど。

②ハード面。日々の「指導者対子どもたち」の闘い。この日々の闘いに指導者はことごとく勝たなくてはいけないのです。日々の闘いとは?子どもたちは悪気がなくても、つい、人を罵倒したり、小ばかにしたりする言葉を発したり態度をとることがあります。また、悪気があってそのような態度をする子どもたちもいます。人の社会は学校でも会社でも地域でも、ほおっておくと「弱肉強食」のシステムができあがります。子どもたちのささいな一言。そんなときに、まあ、子どもだから、一回ぐらい、とほおっておくことが多いかもしれません。(TPOにより長坂もわざとスルーはします。)

 しかし、この「小さな初期のほころび」を指導できないと、気づいたときには、大きな穴が開くことになります。そんなことが重なると、あっという間に「荒れている」状態となります。お互いにチームメート(道場内で)相手を罵倒するような言葉が飛び交います。また、ひそひそ話や陰口もおおくなるでしょう。その荒れの見分け方は簡単です。誰かがミスをするとそれを責めたり、失笑したりすることが起こってきます。また、特定の子とペアを組むことなどを避けようとします。(いじめの初期でもあります。) なお、橋本西支部では女子特有の「ひそひそ話」も禁止します。「道場は神聖で明るい場所だ。ひそひそ、こそこそ、しなくてはいけないことならほかでやれ!」といいます。

 闘いの具体例を挙げましょう。たとえば、誰かが、「死ね」と他の子に対して発したとします。(世間の子どもたちは、簡単に「死ね」「殺す」を使います。)そういう言葉が聞こえた瞬間、なにをおいても、まず稽古をストップします。

「全員集合!」(ここで全員を集めるということが何よりも大切。)

「Aくん、今、なんと言いましたか?」

最初は、本人はごまかします。しかし、本人にもう一度言わせることが大切です。そのことで、まず本人に言ったことを認めさせるのです。本人が認めない場合は周囲の子に聞きます。

「なぜ、そのようにいいましたか?」

理由を必ず聞いて、あとでフォローもすることも考慮しておきます。また指導者の勘違い、聞き違いのこともありえますので慎重に進めていきます。理由を聞いた後で、その子が悪い場合、

「そんなこといっちゃあ、ダメじゃないか!」

と指導すれば・・結果はマイナスです。低学年なら、これでもいい場合があります。しかし、高学年(特に女子)ならば、間違いなく、反感を買うでしょう。それはそうです。みんなの前でさらしものにされただけなのですから。(本人が納得、反省していないということ。)じゃあ、どうするのか?・・・・・次号でご紹介します。

 追伸、上のような指導を土曜日にも行いました。個別評定(テスト)で、組演武の相手が原因で不合格になると相手を責めるような態度、言葉を行ったからです。また、日曜日の小学団体演武稽古開始前にも男の子同士のはげしいけんかがありました。これらの対応も、指導者はきちんと行わなくてはいけません。さりげなく、しかし筋の通った指導をするのです。