ドリーム 2(セカンド)

長坂徳久が語る夢教育(ときどき日常)

育夢学園通信 Power No.31

2006年07月20日 00時11分17秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

発行日 2006年5月23日(火)   発行・文責 長坂 徳久

【作文がうまい子は?!】

   作文が上手な子には、本好きが多いといわれています。長坂もそう思います。では、どうすれば本好きになるのでしょうか。それは、まずは「幼児期の読み聞かせ」を通じて本好きになり、そのまま読書習慣が身についたという子が多いのです。

  では、なぜ、本好きの子が作文上手になるのでしょうか。それは、読書を通じで大量にインプットされた表現が身につき、書き言葉としてアウトプットされるからです。これを、脳科学の観点から見てみましょう。 人間の記憶には次の3つがあります。

 (1)知識記憶  情報としての記憶。受験勉強のほとんどはこれです。

 (2)経験記憶  個人の思い出。失恋、出会い、成功、失敗など。

 (3)方法記憶  体に染み付いた物事の手順。ボタンの留め方、自転車の乗り方、   泳ぎ方など。一度身についたら、しばらく忘れられない記憶。

  人は、新しい情報、面白い情報を得たくて本を読みます。(ただし、消費型の読書で時間つぶしに読書をする人もいるでしょう。) 子どもが本を選ぶ視点はここにあります。読書好きの子は何度も同じ本を読みます。または、読書好きの子には、好きなシリーズや作家ができます。いったんはまると好きなシリーズを読みつくします。または好きな作家の作品を読みあさります。(特に中学生や高校生にはよくある。)読み始めた当初は、情報が知りたくて、面白くて読んでいたはずなのです。しかし、一旦好きになると、その作家の本は中身もみずに手に取り熱中するようになります。その作家の文章に陶酔するのです。そして、その本から、作家の文体、言い回しをシャワーのように浴び続けることになります。やがて、作家の文体が口をついて出てくるようになり、それが作文からにじみでるようになります。子どもは、そんな表現を使おうなどと意識していません。自然に出てくるのです。作家の言葉、文が身に染み込んだといえます。つまり、一度身についたら、忘れることのない記憶=方法記憶です。方法記憶は一度身についたら意識しなくてもできるようになります。体が自然に動くのです。方法記憶は、あまりにも強固です。学習もスポーツも生活も間違ったこと、癖のあることを身につけてしまうと、そのあとで正しいフォーム(型)に修正しようとしてもなかなかできません。(言葉づかいの悪い保護者に育てられた子どもの言葉づかいは悪いというケースはよくあるそうです。) 読書好きの子の表現力は、大量の時間と大量の文字情報から培われています。ですから、是非、読書習慣をつけてあげてください。

  読書習慣を今からでもつけていく方法はありますが、紙幅の関係でそれは後日書きましょう。なお、20歳までに読む習慣ができないと、まず一生読まないということも聞いたことがあります。 育夢学園・ドリームコースでは、月一の作文授業で子どもたちに作文の表現力をつけようとしています。

  作文指導は次の二点が必要です。

①作文のレトリック(技法) 

②表現力

 月1の授業でも子どもたちは大きく変わってきています。しかし、それを毎週実施したら、どんなにすごい力をつけることができるのだろうか・・。そう考えて実施するのが、ドリーム会館での新規作文コースです。今は、高校受験だけでなく、中学受験でも作文が重視されています。それの一助になればという気持ちもあります。しかし、多くの塾やその他で教える作文は、受験のための「レトリック」を教えることが大半ではないでしょうか。私は、そんな「技術だけの死んだ文章」は書かせたくありません。本を出している観点から、文書は「感性」だと私は思っています。だから、私は、人の頭に残る文章ではなく、心に残るような文章を書けるような子どもたちを育てたいのです。文章を書くことは、人間の心を育て、豊かにします。いい文章が書けるようになれば感性が磨かれ、心が豊かになります。そして、他人の心も豊かにすることができます。「生きた文章を書ける」・・そんな感性を持った子どもたちを育てます


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