ドリーム 2(セカンド)

長坂徳久が語る夢教育(ときどき日常)

【聖拳夏夢・・全中2008②】

2008年08月31日 01時24分19秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

少林寺拳法  橋本西支部 道場通信

ドリーム No.632

発行日 2008年8月30日(土)   発行・文責 長坂 徳久    

【聖拳夏夢・・全中2008②】   

   閉会式から、さかのぼる事5時間。7時45分。

  本部の講堂。ここが練習会場になっていた。

  ある程度のアップと稽古をこなしたあと、女子団体メンバーを全員集めて長坂は言った。

  「お前らは、朝、全員、寝坊して、朝練ができなかった。これで負けたら、お前らはほんまの「おおばかもの」で終わる。でも、ここで勝ったら、お前らは橋本西支部の伝説となる。おおばかやろうで終わるか、伝説となるか、それは、たった一本の演武にかかっている。今までやってきた本当に最後の最後の演武だ。このメンバーでのラストだ。必ず勝てる。そのためには、一つになれ。チームが一つになれ。ここまで来るとそれしかない。いいか?」

「はい!!」

   

  前夜のミーティングでの長坂の話。

 「明日は、全員5時起床。すぐにお風呂へいけ。そこで目を覚まして、身体を起こす。そのあとで、先に部屋を掃除して、出発の荷造りをしておけ。6時から6時30分まで部屋で朝練をする。アップ、ルーティーンワークをやってしまう。そして会場ではすぐに本格的な稽古に入る。その後、6時30分から朝食。食べたらすぐに出発する。」

  そして、朝6時前に女子の部屋へ長坂は向かった。

 土橋がローカに立っていた。暗いお顔でこう言った。

 「まだ、誰も起きてなかったみたいです。今、電話で起こしました。」  

 幸先が悪い・・・

 そう言っている間に、男子の亮、勇貴がやってきた。彼らとは風呂でも会ったので起きていることはわかっていた。

 ひとまず、女子の部屋に入った。  

 急いで布団をなおして、練習ができるように部屋を開けている。その表情は「眠たい」というよりも「大変なことをしてしまった・・」というあせりの顔だった。

   一瞬長坂は迷った。ここで一喝し、鼓舞させて、気合を入れなおすか?!このままスルーするか?!

  今年のメンバーの性格を考えたら、ここはスルーだった。ここで叱っては、テンションが落ちたまま大会に臨むことになると判断した。あとは、拳士への想いである。寝坊はしてもそれでもわが愛弟子だ。気持ちよく大会を終えさせてあげたい。 

  全員を座らせて長坂は次のように言った。寝坊したことにはふれなかった。

 「おはようございます。もう仕方ないので、いまから、すぐに部屋の掃除と荷物整理をしなさい。朝食は予定通り。食べたらすぐに出発する。勇貴は部屋でルーティーンを自分でやっておきなさい。」 

  終わったことは、次の対策を立てるしかない。いつまでも指導者はひきずってはいけない。

  今回、朝稽古を実施できていたら最終の順位はどうだっただろう?と拳士も保護者も思っているだろう。それでいいと思う。今回のことが彼女たちの人生の教訓になればそれはそれで一つ成功だといえる。

 

  ※聖拳夏夢・・出場拳士でお揃いのTシャツを作った。そこへこの文字を刺繍した。


【聖拳夏夢・・全中2008①】

2008年08月29日 01時34分30秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

少林寺拳法  橋本西支部 道場通信

ドリーム No.631

発行日 2008年8月28日(木)   発行・文責 長坂 徳久

 【聖拳夏夢・・全中2008①】       

 涙を流す少女たちの傍らでは、セミが鳴き続けていた。

 本部。2008年8月24日。日曜日。午後12時30分。ついにこのときが来た。

 第2回全国中学生少林寺拳法大会閉会式。成績発表の瞬間。一年越しの瞬間。

 「女子団体演武の部 第1位・・」

 聞いているものには、この1位のあとがものすごく長く感じられる。運命の一瞬だ。 

 「第1位・・ 東京都 富士見丘学園」

 長坂はひとつ息を吐いた。

 「第2位・・ 和歌山県・・」

 そして、この和歌山県のあとの妙な時間と瞬間。和歌山からは橋本西支部と南部支部が出場している。去年のことがよみがえる。去年は同じ和歌山の葛城東支部に負けて2位だった。

 今年はまったくわからない。ただ、厳しいとは思っていた。それほどの激戦だった。

 日本一を目指してこの大会に挑んだ。勝つつもりで今までやってきた。

 しかし、本選を見てからは、「今回は六位までに入ってくれていたらそれでいい。」

 長坂ですらそう思った。

 「第2位 和歌山県・・南部支部」

 悔しくはなかった。でも、また一つ長坂は短く息を吐いた。

 「第3位 和歌山県・・ 橋本西支部」

 「はい・・」

 リーダー・みなみの声。それは、あきらかに優勝できなかったショックの声。 

 長坂は大きく息を吐いた。安堵だった。

 

  閉会式が終わった。それは同時に大会が終わったということ。

 みなみが泣いている。長坂は、そっとみなみの肩を寄せた。

 ゆりも泣き出した。タオルで顔を隠し、声を殺して泣いている。

 りまも泣いていた。そして、1年生も・・。

 

 みんなを集めた長坂も泣いていた。握手で健闘を称えた。

 「いいか、今年は3位やけど・・・先生は悔しいとは思わない。悔しいと思う気持ち以 上に、お前らがよくがんばったという気持ちの方が、今回ははるかに大きい。今年のこれだけの激戦の中で、よく3位をとった。本当によくやった・・」

 声になっていたかどうかはわからない。でも、みんながよりいっそう泣き出した。

 保護者も泣いていた。

 ゆりの母親がが、ゆりに言葉をかけている。長坂には聞こえなかったが、やさしい声だった。

 りまの母親も、りまに声をかけた。

 「初めて泣いたね・・。でも、りま、あんた、すごいよ。お母さん、今回ここへ来て、この大会を見て、本当にそう思った・・。」

 みんなが泣いた。

 少女たちは悔し涙。

 でも、長坂と保護者には悔しいという気持ちは本当になかった。

 ここまでよくがんばったという心からの拍手の音が、涙という形に変わっただけだった。

 

※全中2008を書いていきます。小説風に書きたいと思います。

※聖拳夏夢・・出場拳士でお揃いのTシャツを作った。そこへこの文字を刺繍した。


この涙を忘れない

2008年08月29日 01時27分24秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)
千弘(4年)と遼(5年)が退会した。

半月ほど前から月末で退会との連絡をもらっていた。

ご両親の送迎等の都合である。

お母さんは、いま看護学校に行かれている。大人のチャレンジである。素晴らしい。

2人と離れるのは長坂は大変つらい。千弘くんは、幼年部からの入門。もう六年ぐらいになる。遼くんは、あとからの入門。

今日は法話の中で、ベルリンオリンピックで有名な「友情のメダル」(銀と銅をつなぎ合わせた日本人の話)という話をしました。

そして、最後に2人の退会の話に触れ、拳士たちにも「やめても友達は友達だよな? いつまでも仲間だよな?」と話しました。
みんなも、
「そうだ!」
と言ってくれた。

そして、今日が最後になるのでお母さんも挨拶に来てくれた。

長坂は泣けてきた。

2人も泣いていた。

先日の全中のような涙もある。そして、今回のような別れの涙もある。

つらいけれど、この涙は忘れないでおこうと思う。

全国で入賞する拳士も愛弟子。

そして、遼、千弘も愛弟子。

2人の未来に幸多いことを願う。


全国中学生少林寺拳法大会

2008年08月29日 01時17分59秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

結果報告

女子団体演武の部  第3位入賞

女子組演武の部(なみこ・あかね) 第5位入賞

男子単独演武の部(ゆうき) 第4位入賞


月曜日に支部報告会を実施しました。
参加は、拳士、保護者、OBなど約120名。

次のような内容。

1,出場拳士入場。(メダルをかけて、賞状をもって花道を入場)

2,大会説明。結果報告(副支部長)

3,大会演武ビデオ上映&写真上映

4,支部長あいさつ

5,応援拳士よりあいさつ(少年部代表、一般部代表)

6,出場拳士よりスピーチ(全員)

7,出場拳士より指導者へ色紙贈呈(サプライズ)

8,出場拳士保護者代表あいさつ

9,出場拳士より自分の親へ感謝の手紙贈呈(サプライズ)  ※ひとりだけみんなの前で読みました。

10,長坂より出場拳士へ記念品授与

11,五本締め

今回の長坂からの記念品プレゼントは、「テディベアのぬいぐのみ」(リボンに「第2回全国中学生少林寺拳法大会」と刺繍入り)

そのぬいぐるみに、手作りの金メダルをかけて渡しました。
その紙のメダルにメッセージをかきました。

後日、このぬいぐるみを支部ホームページのトップに掲載します。

なかなかいいですよー。

拳士、保護者からも大好評でした!

(先日アップした写真です。)

2008年08月21日 00時37分58秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)
聖拳夏夢・・・

中学生の反応はよかったです。

「なにこれ?!」

って言われずによかったです(笑)

本当にいい稽古が出来ています。

いい稽古とは、練習だけでなく、休憩時間も法話もミーティングも全ていい感じということ。

明るく、楽しく、でも真剣にやっている。

今年は本当に怒ること、叱ることがなかった。

勝たせてあげたいなー。

Tシャツ

2008年08月20日 00時18分27秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)
全中に出場するメンバーでTシャツを作った。

女子はインナーシャツとしても使う。

胸には少林寺拳法のロゴとマーク入り(前川で買いました。)

記念と気持ちをそろえる為に、両袖に刺繍を入れることにした。

「第2回全中 橋本西」

「聖拳夏夢」

聖拳夏夢・・深い意味はない。「聖夏拳夢」と迷ったが、上記にした。

なんか、昔の暴走族のような感じもしないが・・さて、拳士たちの反応はどうだろうか?

爆笑?!

2008年08月19日 01時49分29秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)
長坂の教え子たちは、

「長坂先生は面白い!」

と思っている。

印象を聞かれても、まず、それが出てくるだろう。

いまは中高生に一番受ける。(たぶん、長坂のレベルがその程度。)

今日の稽古(四時間)でも、かなりの笑いはとった。

その中で大爆笑させた件は次。

中学生女子はおとなしい子が多い。

声も小さい。

長坂はむやみやたらと大きな声を出したり、大きすぎる返事などはかえって意味がない(社会で通用しない)と思っている。

しかし、稽古を盛り上げていくにはある程度の声の大きさは必要だ。

アップでトランク体操をさせるとき、今日は次のようにした。(トランク体操はみんなで号令をかけながら行う。)

長坂「音楽を流すから、その音よりも大きな声を出すように!」

長坂はめちゃくちゃ大きな音量で音楽をかけた。

その瞬間、中学生たちは大爆笑になった。

そこまでやるか!?・・感じだろう。(笑)

でも、中学生たちは大きな声を出していた。

ちなみに、音楽は「GReeeeN」

才能はある

2008年08月19日 01時19分10秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)
全中稽古。

毎回法話、学科授業を実施するようにしている。

それは少林寺拳法の大会の目的が、そこにあるからだ。

優勝や入賞はあくまでも「目標」だ。

目的はあくまで「人間教育」「人間形成」。

今日は中学生拳士たちに話したこと。

「もともと人間は、自分には才能があると思っている。若ければ若いほど。年齢が小さければ小さいほど。
 しかし、多くの人は途中で夢破れる。それは、夢をあきらめるのではない。努力が続かなくなるのだ。
努力がどれだけの期間継続できるかが、夢を実現できるかどうかの分かれ道なのだ。」

 オリンピックを見ていても、実力のあるものが必ずしも勝てるわけではない。そ
ういう意味でも「勝敗にこだわりすぎること」はしんどいことだ。

 勝つことよりも大切なことがある・・そのことを拳士たちにわからせたい。だからこそ、そのために大会では勝たせてあげたいと思っている。
 そのほうが「勝つことよりも大切なこと」をより強く感じることができると思うからだ。


終わるまで

2008年08月18日 01時26分53秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)
今週末、全国中学生少林寺拳法大会。

その大会が終わると少林寺拳法からもう卒業する拳士もいるかもしれない。

でも、次のように言っている。

「終わってからのことはいまは考えるな。そして、口にするな。もし少林寺拳法の神さまみたいな人がいたとしたら、「これで少林寺拳法をやめます」と言っている人と、「これからも少林寺拳法をがんばります!」って人のどちらにパワーをくれると思う? 終わってからのことは終わってから考えよう。」

これも本音だが、正直、指導者は

「もうこれでやめる」

といわれるのは恐いのだ。当然、さびしいということ。そして、そんな状態ではいい指導はできない。だから、いまは拳士も長坂も真っ白な状態でただ「いま」を一生懸命に稽古している。

『夢ならいくつ持っても両手はあいてるぜ』

2008年08月12日 02時14分03秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

『夢ならいくつ持っても両手はあいてるぜ』

もし右手に1リットルのペットボトルを持って

左手にも1リットルのペットボトルを持ったら

もう他には何も持てないよな

でも夢ならいくつ持ってても

両手は あいたままだろ

夢を持ちつづけても

両手は いつだってあいたままだろう

両手は いつだって自由につかえるようになってるだろ

夢を持ってもいつだって両手は 自由だ

いつだって両手は あいてるよな

その両手は君が夢を実現するために必要だからあいているんだぜ

 (こども用 三代目魚武濱田成夫詩集ZKより)


【笑顔のあくしゅ】

2008年08月05日 00時27分09秒 | 少林寺拳法(ライフワーク)

少林寺拳法  橋本西支部 道場通信 

ドリーム No.630

《きみたちへ 16》

発行日 2008年8月4日(月)   発行・文責 長坂 徳久    

 《きみたちへ》は子どもに向けた通信(つうしん)です。

※読めない漢字はおうちの人に聞いてください。

【笑顔のあくしゅ】   

やあ、きみたち! 元気(げんき)ですか?! 

先生は、太らないように、ドリーム会館のマシーンとサンドバッグなどで鍛えています。

昨日、ドリーム会館へきみたちのせんぱいにあたる「○○健人くん」(○○高校3年)が来てくれました。

彼は、体育大学を目指していて、昨日ランニングしているので、その途中で寄ってくれました。

どんなトレーニングをやればいいのか?を先生に聞きに来たのです。

彼がドリーム会館に来るのは初めてです。いまは、もう少林寺拳法をしていないので、入ったらダメかなとえんりょしていたそうです。

そんなことあるわけないよね。ドリーム会館は誰が来てもいいし、ましてや元々少林寺拳法をやっていた人なら大かんげいだよ。

帰りに健人くんは、はにかみながらも合掌礼をしてくれたんだ。先生も合掌礼。

そして、あくしゅをした。

昔のことを思い出してお互い少し照れた笑顔になったよ。

やっぱり心はつながっているんだなーって思った。