2月15日から21日までの1週間、「これまでの演劇、これからの演劇」をテーマにして「未来の大阪」演劇祭が「通天閣を起点に、まちなかで演劇と遭遇する」企画として開催されていた。はたして、どれだけの人たちがこの大阪で、この1週間、演劇と遭遇しただろうか。
これはとてつもなく壮大で、とんでもなくすごい企画なのである。なのに、大阪が演劇一色に染まることはなかった。それどこ . . . 本文を読む
こんな大仰なタイトルの小説を読みたくないな、と思いつつ、手に取ったのだが、(というか、じゃぁ、手に取るな、と思うとこ)帯にある解説読むと、なんだかお仕事小説で、TV局が舞台で女の人たちが頑張る話で、読みやすそうだった。なんとなく、軽いものが読みたかったので、まぁ、読むか、と読み始めたのだが、これがまぁ、実におもしろい。しかも、いろんなことを考えさせられる作品で、一瞬で読み終えた。
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散々酷評されているこの大ヒット作をようやく見た。TVシリーズも数話見ているけど、それほど熱心なファンではない。ドラマを見てる分には、発想はおもしろいと思うけど、それが上手く生かされているとは思えなかった。それだけに、わざわざ劇場に行く必要はなかったのだが、たまたま付き合いで見ることになった。でも、思っていた以上に楽しめたので、よかった。
もちろん、問題がないわけで . . . 本文を読む
前回の再演時、ずっともう一度見たかったこの作品をようやく見ることができた。その時は東京のアゴラ劇場で見たのだが、期待通りの素晴らしい作品でうれしかった。地元の大阪で見るのとは少し違ったのもよかった。今回は再びホームである。アイホールとアゴラではかなり印象が変わるのではないか、と期待したが、そういう点ではあまり変わらない。(最初に見たのもアイホールなのだが)
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第4回ポプラ社小説新人賞受賞作、ということらしい。まぁ、そんなことはどうでもよろしい。要はおもしろいか、どうか、だ。賞はその指針になるのならいいし、まぁ、普通はあまりならないから信じない方がいい。
で、僕だが、この風変わりな小説に魅了される。いろんなものの棺桶を売る雑貨屋って、どうよ、と思うけど、そういう奇抜な発想が巧く機能する。なんでもないお話なのに、なんだか不 . . . 本文を読む
このドキュメンタリー映画が見たかったけど、劇場公開時に見ることが出来なかった。DVDもまだ出ていない。なのに、先日NHKで放送されていた。しかも、これが2度目。(1度目は正月頃で、見逃した)ようやく、目的を達した。見てよかった。こんなどうでもいいような内容の映画なのに、それがどんなことよりも大事。そう思う。
4人の子供たちのお話が並行して描かれていく。家から学校ま . . . 本文を読む
もちろんいつもの通り、たまたまのことなのだが、どうしていつも同じ時期に、こんなふうに同じタイプの作品を手に取ることになるのか。なぜか、よく似た傾向の作品は連鎖していくのだ。辻村深月の新作が出ていたからどんなお話なのかも知らずに読み始めたら、一昨日見た映画『最愛の子』と連動するような内容で驚く。さらには、昨日見た南船北馬『これぽっちの。』とも通じる。子供を産んだばかり . . . 本文を読む
これを3Dで見るのは、どうだかなぁ、と思った。人間ドラマに3Dは似合わない。でも、ゼメギスは『ザ・ウォーク』を作ったのだ。『ラースとその彼女』のクレイグ・ギレスピー監督である。これをただの海難映画にも、スペクタクル映画にもしないはず。その上で3Dであることの利点を生かして、意味のある映画に仕立てるはずだと思い、劇場に行く。
だが、そ . . . 本文を読む
ジャッキー・チェンはもうアクション映画から引退したのではなかったのか? なんていういらぬお世話は言わない。ジャッキーがやりたいと思う映画を作るのが今の彼にとって一番大事なことだ。すべてをやり尽くした。でも、それでも、まだまだやりたいことがある。それが困難で過酷であればあるほど燃える。そんなジャッキーが僕たちは大好きなのだ。60歳を超えてもなお、若々しいヒーローを演じ . . . 本文を読む
このタイトルでリドリー・スコット監督作品。しかも、SF映画となると、期待しない人はいないだろう。SF映画史に残る金字塔である『エイリアン』『ブレードランナー』を作った彼が『2001年宇宙の旅』に挑むのか、と思わせるタイトルだが、もちろんそうではない。だが、お話自体ははそれに匹敵するような壮大なロマンだ。一昨年の『ゼログラフィティ』や、昨年の『インターステラー』に連なるパターンなのだ . . . 本文を読む
『パイドパイパー』以降、どこに向けてショウダウンが進んでいくことになるのか。そんな方向性を占う公演になった。もともとこの作品はこの劇場(船場サザンシアター)で初演して、それまでの林遊眠一人芝居から進化発展させたものだった。4人芝居だったはずだ。それをさらに大人数のものに仕立て直して上演する。(今回のキャストは7人である)だが、これはあくまでも、それま . . . 本文を読む
近年は企画ものが続いたので、これは久々の棚瀬さんらしいプライベート作品。やはり、こういうのを見るとほっとする。野心的で挑戦的な作品もいいのだが、こういう自分の世界で閉じたような作品を描かせると棚瀬さんは実に生き生きしている。自傷的で、ネガティブ。そこまで追い詰めなくてもいいのに、と思わせるほど、痛ましい。そんな棚瀬作品を見ることで、僕たちは改めて自分とは何なのだろう . . . 本文を読む
ピーター・チャンの最新作であるだけではなく、中国映画に進出した彼が、社会問題を扱い、大ヒットする娯楽映画としても成功し、観客の満足度も最高に高く、圧倒的支持を国内で受ける作品を手掛けた。その事実がまずいちばん興味深い。ヒットメーカーとして、この作品を手掛けたわけではないはずだが、いささかあざとい部分も含む。お涙頂戴映画と、紙一重。決して安易な映画ではないし、さまざま . . . 本文を読む
30年の歳月を経て、完結編として再登場するあぶデカである。もう化石と化した映画が21世紀に再びよみがえる。ありえない。それはこの映画が往年のプログラムピクチャーだからで、今の時代、もうそんな映画自身が作られる土壌はないからだ。TVシリーズの映画化は今の時代も花盛り。だが、今のTVシリーズは昔のようなおなじみのものではなく、単発に近い。その完結編として劇場で終わらせるというパターン。 . . . 本文を読む
20世紀の終わりに書かれ上演された作品をせすん50周年記念作品として22年後の今、上演する意味って何なんだろう、と考える。(もちろん、僕なんかより劇団自身がそのことの意味を深く考えたうえで今回の公演に踏み切ったのだろうが)
この刺激的なタイトル(当然、オリジナルは『ニッポン二十一世紀五分前』だろう)と内容とも含めて、これを今、上演する覚悟のほどがし . . . 本文を読む