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映画・演劇のレビュー

『紅い服の少女 真実』

2024-06-17 21:10:00 | 映画
これはチェン・ウェイハオ監督が再びメガホンをとり、2017年度の台湾映画興行成績第1位となる大ヒットを記録した作品なのだが、残念だが、つまらない。第1作のよさはなりふり構わない勢いだったが今回の作品にはそれがないからだ。確かに上手くなっているのかもしれないだけど前作のような勢いは感じられない。

デビュー作の成功を受けて今回は自信をつけて挑んだ作品である。しかも観客から最大限の支持も得た。ただのホラーではなく台湾の民間伝説を取り上げてたくさんの共感を得た。前作では描ききれなかったことを描こうとした。

母と生まれてきた(あるいは生まれなかった)赤ちゃんの想いをベースにして、ひとりぼっちの森の中に閉じ込められた痛み、苦しみから逃れようと悶える子どもたちの救済を描く。

事件の確信に迫ることは悪くないし、正解だったけど、お話があまりに小さくまとまり過ぎた。ここには前作のような破天荒な展開はない。だから驚きも少ない。

不本意な出産から生まれた子どもを、だけど自分の大事な娘だからと大切に育ててきた母親がまさかの幼い娘の妊娠を知り動揺するところから始まる。そして娘が神隠しに遭う。主人公が娘を助け出す話に、彼女が仕事で(児相の職員である)娘を虐待をしていた母親からその娘を助け出す話が絡んできて、このふたつが重なり合うことからクライマックスに突入する。

お話の設定自体は悪くはないけど、それがあまり上手く機能しないから、せっかくの題材が生きない。惜しい。


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