習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『北辰斜めにさすところ』

2009-03-04 20:59:30 | 映画
 神山征一郎監督が60年前の旧制高校の子供たちを描く。そして、60年後である現在、老境に達した彼らが、100周年となる今年、五校と七校(現熊本大と鹿児島大)野球部による伝統の一戦を両校の中間地点である人吉で開催するという話を並行して描く。  今こういう話を映画化できる監督は神山監督しかない。若い作家はこういう企画を受け入れないし、興味も持つまい。昭和10年代を再現することはかなり困難だったろう。 . . . 本文を読む
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『さよなら。いつかわかること』

2009-03-04 20:22:37 | 映画
 『チェンジリング』を見たから、というわけではないが、続いてイーストウッド関連の映画をもう1本見た。この映画の音楽を彼が担当した。自作以外で音楽監督をすることはなかったらしい。題材がいかにもイーストウッドらしい。若い監督(ジェームス・C・ストラウス)の作品を応援する意味でも、彼がこの作品に関わった意味は大きい。  軍人を妻に持った男(ジョン・キューザック)が、イラクでの妻の戦死という事実を幼い子 . . . 本文を読む
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小川洋子『猫を抱いて象と泳ぐ』

2009-03-04 18:36:53 | その他
 今年のベスト・ワンである。まだ10ヶ月もあるのに気が早いだなんて言わないで欲しい。1年間本を読むとどれだけの作品に出逢えれるのかなんて、自分が一番良くわかっている。だから言うのだ。たぶん、間違いはない。これは小川洋子の数ある傑作の中でも突出した作品だ。  老人専用マンション・エチュードでの老婆令嬢との再会のところから、もう涙は止まらなかった。優しすぎる。ラストの死まで、ずっと泣いてた。いつもの . . . 本文を読む
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