2000年の作品を基本そのままで再演したようだ。キャストはメンバーが様変わりしているから、演じる側は新鮮だったはず。もちろん作品自体も少しも古くはない。とある生物研究所が舞台となる。そこで働く人々の関係性が描かれる。被験者の青年が夢の中で見る女性とのやりとりを挟みながら、お話はこの施設の職員たちの日常として展開していく。
ここで何が起こっているのか。その謎に迫るミステリタッチの作品、と言い切きれたならわかりやすいのだが、そうはいかない。ただ、作、演出の岩橋貞典さんは、初演の時よりもメリハリをつけてわかりやすい芝居を志したらしい。でも、まるでそんなことはない。観客は戸惑うばかり。たぶん。でも、それでいい。それこそがこの作品の力だ。この静かな緊張を強いる舞台は、今見ても、とても新鮮なのだ。
それにしても、こういうトンがった芝居を彼は15年前には作っていたのだ。若かったから、ということで収めるわけにはいかない。若いというよりも、その志の高さに感心する。
それだけに観客に伝わりにくい一面もある。ミステリー仕立てではあるが、テンションが低い。求心性がない。フラットな作品だ。難しい。当然役者も静かな芝居を求められる。そのなかでサスペンスを生まなくてはならない。それごどこにたどりつくのか。これでは曖昧すぎる。
タッチとしては、青年団の芝居や、ジャブジャブサーキットの芝居に近い。もちろん、お話で引っ張っていくわけではない。不穏な空気を提示するにとどめる。わざとらしいと思うかもしれない。そこも微妙だ。
このパターンは今までも何度となくやっているのだから、これが特別というわけではない。だが、白い幕で覆ったこの空間のシンプルさと相俟って十分刺激的だったのも事実だ。上演時間は90分。オリゴ党なのに短い。無駄がなくシンプル。
ここで何が起こっているのか。その謎に迫るミステリタッチの作品、と言い切きれたならわかりやすいのだが、そうはいかない。ただ、作、演出の岩橋貞典さんは、初演の時よりもメリハリをつけてわかりやすい芝居を志したらしい。でも、まるでそんなことはない。観客は戸惑うばかり。たぶん。でも、それでいい。それこそがこの作品の力だ。この静かな緊張を強いる舞台は、今見ても、とても新鮮なのだ。
それにしても、こういうトンがった芝居を彼は15年前には作っていたのだ。若かったから、ということで収めるわけにはいかない。若いというよりも、その志の高さに感心する。
それだけに観客に伝わりにくい一面もある。ミステリー仕立てではあるが、テンションが低い。求心性がない。フラットな作品だ。難しい。当然役者も静かな芝居を求められる。そのなかでサスペンスを生まなくてはならない。それごどこにたどりつくのか。これでは曖昧すぎる。
タッチとしては、青年団の芝居や、ジャブジャブサーキットの芝居に近い。もちろん、お話で引っ張っていくわけではない。不穏な空気を提示するにとどめる。わざとらしいと思うかもしれない。そこも微妙だ。
このパターンは今までも何度となくやっているのだから、これが特別というわけではない。だが、白い幕で覆ったこの空間のシンプルさと相俟って十分刺激的だったのも事実だ。上演時間は90分。オリゴ党なのに短い。無駄がなくシンプル。