2人芝居。どこにでもいるような2人の女の子たちの恋バナ。20歳を目前に控えた2人はほんのちょっと恋に臆病。彼女たちはルームシェアしているなかよし同士。奥手の女の子の初めての恋を、耳年増のもうひとりの女の子が見守り、応援する、という図式。でも、2人の友情が、間に入った男の子のせいで壊れていく。
演じる2人の女の子たちがとてもいい。正直言うと、芝居を見始めた最初少しがっかりした。彼女たちがあまりかわいいとは思わなかったのだ。(ごめんなさい!)なのに、見ているうちにだんだん輝き始める。やがて最後になったら、ふたりとも、なんだかとてもかわいく見えてくる。それってなんだか凄いじゃないか。
お話自体は、あまりにあざとい設定。おきまりの展開。なのに、なんだか心地よい。子どもから大人へと成長していく瞬間を「恋とセックスと友情」を通して描いていくという意図はちゃんと達成する。それを80分で、余すところなく描けた。
とても上手いけど、ちょっと上手過ぎて鼻につくほど。クリスマスの夜のところで終わらせないのは当然だろうけど、そんなところまで、少しあざとさを感じてしまうのが惜しい。ラストが成人式のシーンになるのは、お話の構造上、ファーストシーンからわかっていたけど、あまりにすべてをすっきりきれいに納め過ぎていて、嘘くさくなる。作り手の上手さがアダとなるって、こともあるんだな、とこの芝居を見て思う。世の中には理屈に合わない不条理があり、その痛みを乗りこえて、人は生きている。もちろん、そんなこと、わかった上で、あえてこういう心地よい夢に酔わせてよ、と言われたなら返す言葉はないのだけど。
見たときに、ちよっとこれは気恥ずかしいよ、と思ったけど、今はまんまと確信犯の横川さんにやられたな、と思う。あっぱれだ。