
これが最後の谷川詩集。最晩年の詩と言葉にこれまでの詩集からの作品を散りばめて、谷川俊太郎の92年を顧みる。
92歳まで生涯現役で詩を書き続けた。そのたどり着いた境地。行き先はわからない。この先、谷川さんはどこに行くのか。(亡くなった後!)
10代の頃に書いた第1詩集『二十億光年の孤独』と40代で書いた『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』(1975)が一番好き。今回もそこからたくさん(少し)引用されている。もちろん最晩年の『今日は昨日のつづき』や『これより先には入れません』からも。
この短いことばたちは90代に入っていく谷川さんからの最後のメッセージだ。それをゆっくり噛み締めながら、見つめていく。