
キアヌ・リーブス主演の『ジョン・ウィック』シリーズ、スピンオフ作品。父親を殺された復讐に燃える女性スナイパーが主人公になる。
あまりに単純な展開に啞然とする。ここまでお話がなくていいの? 最初から最後までアクションシーンのつるべ打ち。お話はない。ジョン・ウィックの世界観をそのまま引き継いで、そこに父の後を継いで殺し屋になった彼女が組織を裏切っても復讐を遂げようとするのだが、説得力ゼロの展開。
父の死から12年。ということはまだ20歳くらいのはず。そんな若い女がたった1人で2つの殺し屋組織を向こうに回して、途方もない敵(みんな凄腕の殺し屋たち!)をなぎ倒すって、有り得ない。それを痛快だと思って見ていられたならいいけど、さすがにそれはないわぁ、と思う。
だいたいこんなにもたくさんの殺し屋たちが町中にうじゃうじゃいるって、何? これはもう岡本喜八監督の世界だ。コメディではないけど、笑うしかない。それをマジにやっているし。こんなにたくさんの死者が出たらえらいこっちゃ、である。ここは殺し屋のテーマパークか? ラストの敵のアジトは殺し屋村。村中の住人が殺し屋で家族も。
キアヌ・リーブス=ジョン・ウィックは、冒頭に一瞬登場して、終盤にガッツリ出る。だけど活躍することはない。彼女は助けるまでもない。相変わらず彼女は1人で大丈夫。1000人くらいの殺し屋を皆殺し。敵のボスがしゃべっているのに、話の途中で撃ち殺すし。やりたい放題。キアヌはほぼ見てるだけ。
いくらなんでもこれはないわぁ、と呆れ果てた。火炎放射器での対決とか、何がなんだかの展開には苦笑する。