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映画・演劇のレビュー

ババロワーズ『ショートショート・カタログ vol.1 ホワイトの巻』

2015-04-29 15:49:12 | 演劇

2年半振りのババロワーズとなる。なんと、そんなにも長く公演がなかったのだ。でも、今年は、今回のこの作品を皮切りにして、なんと9カ月連続で公演がある! 50本のショートショートとなるらしい。

これは彼らが初心に戻る企画であろう。たかせかずひこさんはババロワーズを始めた時、こういうコント集からスタートした。それは、3話、4話からなるオムニバス形式だった。それが長編へと変化した。もともと彼はババロワーズの前身である劇団では、ふつうに長編をやっていた。バカバカしいコメディだったが、それがとても面白かった。だが、だんだん行き詰まった。そこを打破するための手段が短編だったのだ。もしかしたら、今回も同じかもしれない。

だが、この第1弾を見ながら、そのフットワークの軽やかさを見ると、そういう危惧はただの杞憂になる。というか、僕は「危惧」なんて、最初から感じていない。昔と違い、今では十分に大人になった(?)たかせさんは自由自在なのだ。軽やかにショートコントの世界で、自分の世界を体現していく。5つの短編は重くもなく、軽くもなく、とてもスマートでドンくさく、絶妙な世界を、なんて楽々としなやかに見せてくれるのだ、とうれしくなった。作品のバランスもこれ以外考えられない、というくらいにうまく並べてある。

たかせさん自身がMCをして(というか、彼以外そんなことはできない)作品紹介をしていくのだが、ここでも変幻自在。

今回のテーマは「白」。だってホワイトの巻ですから。衣装もみんな白。舞台美術も白。お話も白(?)。すべてが白尽くし。たわいないお話でいいし。でも、とても楽しい。1時間40分という上演時間も適当。(これが2時間になると長すぎる)役者たちもうまいから、ダレない。でも、できることなら、たかせさんが出演するエピソードが欲しい気もするけど、それはあまりに高望みが過ぎるか。(それに、彼が出演したならきっと全体の絶妙なバランスが崩れる。北野武監督作品にビートたけしが主役以外で出演した時と同じことになる。)



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