
当日パンフの公演履歴を見ると、2004年からずっと外輪さんはこの劇団の演出を続けて手掛けているらしい。20年って凄い。もちろん今回もevkkの外輪能隆演出作品。
劇団創設30周年記念作でもある。30年間當麻文化会館で毎年3月に公演を続けてきたが、今回が最後となる。劇団を解散するわけではない。このホールがこの3月末で閉館するからだ。老朽化が原因であろう。仕方がないことだ。ということで、ここでの最後のこの公演は舞台に30人に及ぶキャストが並ぶ壮大なスケールのファンタジー大作である。もちろん台本は荒木美海。
まるで劇団ひまわりの公演を見ている気分。4歳から大人までのさまざまな年代のキャストが一斉に揃って同じ舞台を作るって壮観。衣装がみんな可愛くて、それだけでも楽しい。
お話はシンプルだけど、あまりにたくさんのキャストが、なんだかごちゃごちゃしていて交通整理が大変。人形劇というスタイルがまたさらに混乱させる。さまざまな世代の役者たちが出たり入ったりで。台本の荒木美海は大変だったと思う。みんなにしっかり見せ場を作っている。
作品としては完成度が高いというわけではないけど、こんなにもアットホームな芝居はなかなかない。劇団員たちへの愛が溢れている。みんなでこの作品を全力で作りました、って想いがしっかり伝わってきてなんだか幸せな気分になる。これはこれでいいかな、と思った。外輪さんも(きっと)全力でサポートしている。