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映画・演劇のレビュー

『GANTZ』

2011-02-03 23:34:42 | 映画
 また2部作。でも、『SP』とは違い今回はちゃんと独立した作品になっている。2時間10分。ノンストップで、アクションのつるべ打ち。3部構成。GANTZに3回呼ばれる。どんどんエスカレートする。ヒーロー物の定番をちゃんと踏襲しながら、今までになかった新機軸が、あっと驚く発想のもと展開していく。しかも、謎が謎を呼ぶ意味深なラストもちゃんと用意して4月のパート2に期待させる。二宮和也と松山ケンイチの関係がよくある定番ではない。そのへんのひねり方もうまい。

 バカバカしい発想なのだが、中途半端に作ってないから、なかなかリアルだ。制作費40億円はだてじゃない。こういう映画は本気モードでなくては成立しない。話自体のおもしろさと、その話の単純さ。ヒーローものはそこが大事。スーパーヒーローを軟弱そうな二宮和也が演じるというのもいい。

 死んでしまった人間が、とある場所(東京タワーが見える何の変哲もない2DKのマンションの一室)に集められて、そこから転送され宇宙からやってきた星人(それって宇宙人ということですが)と戦う、というヒーロー物なのだが、なぜそんなことが起こるのか、何が彼らを動かしているのか、謎は深まるばかりで、全く答えも明かされないまま映画は終わる。1話が40分くらいからなる読み切りタイプで、かつての特撮ヒーローもののテイストを持つ。その単純さがいい。これは複雑なドラマではない。だけど、こんなにもドキドキさせられる。ストーリーのシンプルさが作品の力となっているのだ。第1話のネギ星人、第2話の田中星人、それぞれ個性的で面白い。こういう敵を用意するというのも凄い。発想が実にユニークなのだ。そして、第3話のおこりんぼ星人では、宇宙人が巨大化したりもする。(というか、、敵は最初からでかいのですが)それぞれのエピソードの展開も完全にパターンとなっている。

 次回の完結編ではちりばめた謎がすべて解き明かされていくことになるのだろうが、そういうストーリーよりも、もっと強い敵がやってきて、さらなる過激なバトルが繰り広げられたほうが、楽しい。子供向けの『ウルトラマン』以来の日本の正統派ヒーロー物の伝統をしっかりと受け継ぎ、それを現代のテイストで仕上げてあるのがすばらしい。



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