
こんなファンタジー映画があったのだ。昨年ひっそりと公開されていた。見逃していたけど、見てよかった。そっけないタイトルだけど、ここに描かれる優しい世界は心に沁みる。
夫の戦死という悲しみを乗り越えて自分の夢に邁進する彼女の姿を見ていると、そこから勇気と元気が生まれてくる。小さな映画だけど、大きな幸せを貰うことができる。
ロンドンでひっそりとひとり暮らす彼女の日々。清掃員をしている。ある日、清掃先の家でディオールのドレスを目にして魅了される。自分もあんなドレスが欲しいと思う。だからコツコツとお金を貯めて、パリに行く。
華やかなパリはストライキ中で、通りにはたくさんの生ゴミが出されて放置されていて汚い。だけどクリスチャン・ディオールの店はキラキラしている。堂々として店に入っていこうとするが貧しい身なりの彼女は入れてもらえない。さぁ、どうなるのか。映画はここから本格的に始まるのだが、単純なファンタジー映画とは一線を画す。まさかの展開に魅了されて、最後の最後までスクリーンから目が離せない。(まぁ僕はTVで見たんだけど)
50年代ロンドンとパリを舞台にしたもう若くはない初老の心優しい家政婦さんのささやかな大冒険がこんなにも勇気と感動を与えてくれる。