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映画・演劇のレビュー

『初恋の想い出』

2009-11-30 20:58:08 | 映画
『山の郵便配達』のフォ・ジェンチイ監督が、80年代の中国を舞台にして2人の男女の子供時代から、青春時代、さらには大人になってからまでの、ずっと続くお互いの想いを綴っていくラブ・ストーリー。“家族”の問題に引きずられてお互いの想いを素直にぶつけられないまま、でもずっと変わることなく想い続けた日々が描かれていく。見ていてもどかしくなる位だ。


 2人がまだ幼い頃の親同士のトラブルから、互いの家同士がいがみ合う。そんな中ででも、愛し合おうとした2人は、自分たちの境遇を『ロミオとジュリエット』になぞらえる。

 主人公のチー・ランとホウ・ジアは10代から30代へと歳を経ていく中で、変わることなく静かに愛を育んでいく。

 フォ・ジェンチイはなぜこんなにも何もない映画を作ったのだろうか。確かに悪い映画なんかではないことは保証する。真面目で丁寧で誠実な映画だ。しかし、ただのきれい事をなぞって見せただけのような気もする。監督がこの映画を通して見せたかったものが感じられない。彼の主張がどこにあるのだか、皆目見当がつかない。

 感情をそのままぶつけることもできず、でも、ひたすら想いを秘め続けて、やがて想いが届くまで耐える。そんな2人の愛を通して、簡単ではない恋を、簡単に恋が出来る時代を生きる今の人たちに見せたかったのか? だが、それにしても、こんなにきれいなだけでは反対に想いは届かない。これでは絵空事の退屈な映画に見えてしまう。

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