3人の男の子たちのお話から始まる。中学の卒業式の後、思い出作りのため、山に登る。だが、事故に会い、雪が積もり、下山できなくなる。ひとりの少年が助けを呼びに行く。彼の帰りを待つ怪我して意識のない少年と、もうひとりの少年。タイトル前のこの冒頭のエピソードの後、現在の時間に飛び、お話が始まる。あれから20年。
最初は何の話なのか、なかなか分からない。事件が起きて、そこからは一気に作品世界に引き込まれる。なんだか湊かなえの小説のようなお話だ。まぁ、たまたま、この映画を見た前後に彼女の小説『ユートピア』を読んでいたから連想したのだろうけど。あれは女3人の話でこれは男3人の話と、なんだか呼応するスタイル。友情の持続する男子と、そうじゃない女子。まぁ、それはたまたまそうなっただけであろうが、不思議な符合だ。
この映画の話に戻る。まず、見終えて思うことは、なかなかよく出来た映画だ、ということ。2時間ちゃんとお話に引き込まれる。ドキドキする。どうなるのやら、と気をもむ。そして、ラストで再び20年前の出来事に戻る。これもまたパターンだけど、悪くはない。3人の友情は本物だったのか、とね。少し、苦い展開も悪くない。(まぁ、男の子のロマンでしかないけど。)
だが、見終えてなんか、物足りないことも事実だ。事件を巡るお話は少し都合よく展開しすぎた。しかも、メインテーマである彼らの友情を巡る核心部分も書き込みが浅い。そういう意味でも、湊かなえに似ている。本当はいまいち。