
『死神の精度』とよく似たストーリーラインを持つ。ただ、あの映画はファンタジーだが、こっちはリアルな話だ。設定は面白いがそれを支えるだけの世界観はないから、いささかリアリティーには欠けるが、きちんとした人間描写でなんとかその弱点をフォローする。さすが『樹の海』『犯人に告ぐ』の瀧本智行監督である。
3話構成。24時間以内で死ぬことを告知する(まさに死神だ!)という仕事。その後、彼らの人生に関与してはならないというルール。(なのに、関わってしまうことも)ことごとく、よく似ている。エピソードのブリッジにモノレールを使うなんてとこまで同じだ。話の展開設定だけでなく、3話が微妙にリンクして行きラストに至るのも同じ。まぁ、2本とも面白かったから問題ないが。
松田翔太演じる主人公は、あくまでも傍観者でしかない。もう一歩を踏み出し、彼らと積極的に関わってしまうことはない。そこがもどかしいと思う人もいるだろうが、ルールを踏み出すギリギリのところで止めているのがいい。だから、この映画の主人公は彼ではなく、三人のイキガミ(逝紙)を貰った男たちであり、その周囲にいる人たちだ。
国家繁栄維持法という人間の命を玩ぶような法律のもと、1000人に1人の人間が殺されていく。そんな世界で生きる3人の男たちの最期の24時間を通して、生きていくことの意味を問いかけてくる。とても真面目なヒューマン映画だ。SF的な設定の方を突き詰めて行き、この世界のシステムとどう戦うか、という方向には行かないのも賢明な選択だったかもしれない。敢えて大きな世界を描くのではなく、小さな映画を目指すことで、この世界のリアルを追求する。
組織のなかで、従順に生きていくこと、そうすることで溜まってくる不満。行き場を失くした本当の気持ち、映画はそれらをしっかり見つめていく。安っぽいマンガの映画化かと思い、あまり期待しないで見始めたのだが、予想以上に面白く見れた。
3話構成。24時間以内で死ぬことを告知する(まさに死神だ!)という仕事。その後、彼らの人生に関与してはならないというルール。(なのに、関わってしまうことも)ことごとく、よく似ている。エピソードのブリッジにモノレールを使うなんてとこまで同じだ。話の展開設定だけでなく、3話が微妙にリンクして行きラストに至るのも同じ。まぁ、2本とも面白かったから問題ないが。
松田翔太演じる主人公は、あくまでも傍観者でしかない。もう一歩を踏み出し、彼らと積極的に関わってしまうことはない。そこがもどかしいと思う人もいるだろうが、ルールを踏み出すギリギリのところで止めているのがいい。だから、この映画の主人公は彼ではなく、三人のイキガミ(逝紙)を貰った男たちであり、その周囲にいる人たちだ。
国家繁栄維持法という人間の命を玩ぶような法律のもと、1000人に1人の人間が殺されていく。そんな世界で生きる3人の男たちの最期の24時間を通して、生きていくことの意味を問いかけてくる。とても真面目なヒューマン映画だ。SF的な設定の方を突き詰めて行き、この世界のシステムとどう戦うか、という方向には行かないのも賢明な選択だったかもしれない。敢えて大きな世界を描くのではなく、小さな映画を目指すことで、この世界のリアルを追求する。
組織のなかで、従順に生きていくこと、そうすることで溜まってくる不満。行き場を失くした本当の気持ち、映画はそれらをしっかり見つめていく。安っぽいマンガの映画化かと思い、あまり期待しないで見始めたのだが、予想以上に面白く見れた。