
『ドント・ブリーズ』の監督が抜擢された、というところに興味を惹かれた。フィンチャーの『ドラゴンタトゥーの女』の続編だけど、まるで別種の新作だと思う方がいい。キャストが変わっているし、お話は続きではない。1話完結だ。
映画を見ながら、なんと少し居眠りをしてしまった。ショックだ。ストーリーがわからない、とオロオロする。だけど、どうして寝てしまったのか。9時からのレイトショーなんかで見たからだ、と最初は思ったけど、いや、それだけではない、と思い直した。この映画のテンポの速さにも原因があるのではないか。刺激的な描写のオンパレード。しかも、凄いスピードでそれを見せていく。居眠りなんかしている場合じゃない、というところだろうが、実はそうではない。『ドント・ブリーズ』を見た時にも感じたことなのだが、お話を充分に展開させることなく刺激的なシ-ンの連鎖をさせていくと、観客は反対に退屈する。映画は、意味を取らせることで、その映画と併走できるようになる。でも、考える暇がないと、振り落とされることもある。
要するに、ここには緩急がないのだ。その結果一本調子にならざるを得ない。そして、眠くなる、と自分の失敗を人のせい(というか、映画のせい)にした。確かに、2時間を飽きさせない。でも、なんだか、違うよな、と僕は思う。まぁ、居眠りしたことへの言い訳ですけど。